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黄昏の映画館

ジリリリリッ


赤い玉が点滅している。


ここはどこだろう?


ゲームをしてたんじゃなかったっけ?


いつのまにか私はフカフカの赤い椅子に座っていた。真っ暗な室内にスクリーンが浮かび上がる。眩しくて目を細めた。

大きな大きなスクリーン。あんな大きなスクリーンがあっても窮屈だと感じないのだから、ここは相当広い部屋なのだろう。


スクリーンに映る文字。


 『セネっち成長秘話☆』


いや、誰だよ。セネっちとかちょっと寒いわ!


『セネっち、誕生』


あ、始まった。


「お、奥様、出産おめでとうございます。」

なんか、侍女?みたいな人が奥様らしき人に話し掛けている。

 二人とも外国人さんっぽい。

時代は中世くらいの設定なのかな、部屋がやたらとキラキラしている。

 

 「とても疲れたわ、水を頂戴。」

「はい、どうぞお飲みください」

なんか奥様って凄いな。偉そう、きっと当たり前なんだろうけどさ。


 奥様は赤ちゃんを一人抱いている。

ふわふわした金髪でコロコロしている、めちゃくちゃ可愛らしい赤ちゃんだ。

赤ちゃんを抱きながらニコニコ笑っている奥様を見ていたら、この人は幸せなんだなあ、となんだかほんわかとした気分になった。


画面は急に動いて部屋の端に置いてあるボロいカゴの中を映し出す。

 カゴの中にいたのは、灰色の髪の毛の赤ちゃん、。

金髪の男の子に似ている。

双子かもしれない。






***







私は号泣していた。


灰色の髪のセネっち。


この子が不憫すぎる。


金髪の男の子と双子みたいなのにあの扱いの差は何?


セネっちが初めて立ったとき、周りに大人はいなかった。

一方で男の子がハイハイをやっとしたときは、あの屋敷中大騒ぎだった。


セネっちが2才の時、彼女は屋敷から離れた小屋に住みだした。

男の子は豪華な一人部屋を生まれた時から持っていた。


セネっちは殴られて育った。

男の子は愛されて育った。


ああー、腹が立つ。

親は何してるんだ?

自分の子供だろう?










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