7話 実力確認 中編
テストは順調に進んでいる
「そこって強いんですか?」
ひとり空気を読まずつぶやく隼人
「横浜シニアはね、去年のシニアリーグの全国大会の優勝チームなんだ。」
「まー横浜シニアって言ったら昔は超強豪だったらしいしねぇ。」
「今も強いけど、最近は強豪相模シニアや、西横須賀シニアなんかに負けてたからね。だけど去年は違った。横浜が優勝したからね。」
「ふーん。」
今もなおテストをしている徹へ視線を向ける隼人。
{結構うまいのか・・・}
「よーし!!打撃も即レギュラーでも通用するレベルだろう。次!!井野馬!!行くぞ。」
すると、横で準備をしていた健が立ち上がった。
「っへ。待ちくたびれたっす。」
グラウンドへ向かう健。入れ違いに徹が戻ってきた。
「水江。あいつのプレーもよく見ておけよ。やつは一つ武器があるからな。」
「武器?」
そんなこんなでもう始まるようだ。
「よし!!始めるぞ!!!井野馬は外野だったな!まずはフライから行くぞ!!」
カキィィィィン!!!!!
頭上高くボールが上がる。
健は難なく、
パシ。
キャッチした。
「もいっちょぉぉぉ!!!」
カキィィィィィン!!!!!
これも
パシ。
キャッチした。
「まーここまでは普通だな。」
「確かに。」
そこで、徹は、キャプテンに声をかける。
「すいませーん!健の力はそんなんじゃないっすよー!。試しに、内野と外野の境目らへんにうってみてください!」
「?結構深く守っているのにそんなんじゃ意味がないだろう!!!」
カキィィン!!
試しに打ってみた。
健はというと
「さっすが峰っち!!俺のことわかってるぅぅぅ!!」
大真面目に走って取ろうとしていた。
だがしかし。
「「「っな!?足速ぇ!!」」」
そして飛び込みキャッチ。
「若峰の言ってた武器ってまさか、」
「そう。足の速さだ。やつは、ショート方面にボールを転がしとけば確実にセーフになる程足が速い。」
{バントとかはどうなのかな?}
~~打撃テストにて~~
コン。
「っふ。打撃テストでバントするやつなんか始めてみたぜ。まして_」
「それがセーフになっちゃうなんてねぇ・・・。」
「井野馬!お前は1番でほぼ決まりだ!!!」
「ウィっす!!」
二人とも終わってしまった。
「それじゃあいよいよだな。見させてもらうぜ、お前の実力。」
「ああ、いってくるわ。」