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CROSS FIRE  作者: POCO
3/8

2話 運命の出会い

一緒に野球やろうよ



--本田吾朗--

「はあ、はあ・・・」

結局特訓は夜まで続いた。

「なあ隼人、高校に入ったら野球やれよ。良いセンスしてるぜ?」

まったくもってまじめだった。本当に才能はあった。


ピッチャーとしての。


「まじで・・・はあ・・・・・・いってんの?」

「ああ。大真面目」

隼人は疲れ果ててマウンドに横たわっていた。

「とりあえず家帰るか。」

「当たり・・・まえでしょ・・・」

歩くのもきつそうだったんで、せおって帰った。



~その日の夜~


隼人は、ベッドの上で横になって、あることを考えていた。

{野球・・・・・か。まあ、面白かったな。本気で・・・やってみるか}

この日は、もう寝てしまった。



~月日が流れ~


4月、もう行く高校も決まって、入学式直前だった。

いつもの場所、近くのグラウンドで、一人投げ込みを、隼人はしていた。

あれからときどき叔父に指導してもらったが、そこまでうまくはなっていない。自覚、はなかった。

ビシュ!、ビシュ!、一人で黙々と投げ込みを続ける。

と、そこへ、一人の少年が通りかかった。

自転車に乗っていて、かごには店で買ったらしき袋が入っていた。

{あれは・・・・}

そんな少年に隼人は気づかない

少年は、自転車から降りて、隼人の方へ向かってきた。

「おーい、そこの少年。何やってんだ?」

いきなり話しかけられ、少し戸惑う隼人

「?、ピッチング、だけど?」

「まあ、そりゃみりゃわかるけどさ・・・。ねえ、よければバッターボックスに立たせてくれない?

うちはしないよ、バットもないし」

{こいつ、他のピッチャーと明らかに何かが違う。何もんだ?}

少年は、内心、興味深く思っていた。

「まあ、良いけど。じゃあ投げるよ?」

そうして、少年がバッターボックスに入り、隼人が、投球モーションに入る。

{へえ、サウスポーで、サイドスローか。こりゃ対角じゃあきついかもなあ。まあさっきの球速じゃあ問題ないか。}

この瞬間、少年は右打ちでよかったと思った。水江隼人とという、ピッチャーに知り合えたのだから。

隼人がモーションに入った瞬間、少年は、ただならぬ気配を感じた。

これが本当の威圧感というものなのか、と思った。ここにいるだけでビシビシ伝わってくる

{ただものじゃあないな・・・・・・}


隼人の手からボールが離れる。ビシュ!

{さぁて、どんなボールが、!?}

彼はとっさに後ろへのけぞった。

「!?、ボールは!?」

だが、バンと当たった場所は、どう見てもストライクゾーン、しかもインコースですらなかった。

「どうしたの?」

隼人は少年に声をかける。

{何だ今のは?そんなに球速が出ていたか?いいや違う。球の威圧?それに近い。ただのクロスファイヤーじゃあそこまでの危機感はない。まるで虎に飛びかかられたみたいな。こいつは、一体?}

少年は立ち上がる。

「お前、名前は?」

「水江、隼人ですけど、何か?」

「聞いたことないな。野球経験は?どこのシニア?」

「いえ、シニアリーグには入ってませんでしたが・・・」

「じゃあ、軟式?」

「いえ、全然。て言うか野球自体約半年前ぐらいに始めたばっかで。高校で初めて野球部に入ろうかと。」

「し、初心者ぁ?」

{はあ?ありえねえだろ。あれが初心者の投げる球か?仮にもシニアNo.1チームで4番打ってた俺をのけぞらせたんだぞ!?}

「こ、高校から?初心者で高校野球かよ。」

「うん。甲子園ていうところに出てみたいし」

思わず、ふき出した

「ハハハ、マジかよ、甲子園?ハハハハハハハお前面白いな。気に入ったよ。俺の名前は斎藤俊斗。よろしく。」

「はあ、どうも。」

「てことはこれから高一?俺もなんだ。どこ?高校」

「神奈川県立横須賀・篠谷しのや高等学校ですけど」

一瞬俊斗は顔色を変えた。

「篠谷?・・・っふ、まあ頑張れよ、甲子園」

そう言って、俊斗は立ち去ろうとした。

{篠谷、か。そういや俺も篠谷だっけな}

ふと、俊斗は立ち止った。

「そういや、誰かに教わってたの?」

「ん、まあ、プロ野球選手の叔父さんに。」 

「ふーん、名前は?」

「古川誠司」

「マジか!?あの日本ハムソルジャーズの!?球界の大エースじゃん。そっか、じゃあな。頑張れよ!」

{一番の激戦区、この神奈川で生き残れたらな。俺も・・・・・・野球が出来れば・・・・・な。}

そう言って、俊斗は行ってしまった。


「なんか変な人だったなあ」



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