雪の降らぬクリスマス01
久々に更新
「ふぅ…今年も後、数日か…」
雪山の中腹にある小屋に○○は居た
今年も残すところ数日…
○○は別荘である小屋に泊まり
初日の出を見ようとしていた
ゴーン…と十二時を知らせる古時計の音が部屋を響かせた
○○は持っていた本を閉じ、ハッと思い出す…
「今日、クリスマスイブじゃないか…」
慌ててカレンダーを確認する
最近は珍しいかもしれない日めくりカレンダーをめくる…
十二月二十四日…クリスマスイブである
「やっちまった…」
○○は悲しんだ…
他のみんな(カップル共)が仲良くやっている中、
自分自身は独りぼっちでケーキも食べられず、
ただただ正月までここにいなければならないのだから…
ふと、何か無いか食料が入ったボックスを開くと、
保存食のブロックや、レトルトカレー
米、鍋用の野菜が入っている
「…鍋にするか」
部屋の床に取り付けてある物置から土鍋を取り出すと
ドンドン…と鍵をかけてある戸から音がした
「…動物かな?
お腹が減ってて来たのかなぁ?」
○○の別荘には良く動物がやってくる
猫に狐に、昔は狼も来たことがあった
今回も同じだろうと思い、戸の鍵を開け、
戸を開くと、青い服にマフラーをした女性が現れた
「ど、どうしました!?
ま、まさか遭難ですか!?」
○○はとても驚いた
それも当然の事である
今は夜の十二時…山登りに来た、と言う時間でもなく
心配するのは当然のことである
「取り合えず中に!!」
○○は強引に手を取り、火が点いている暖炉の前に女性を座らせる
…心なしか、女性の手はとても冷たかった
○○はガスレンジでヤカンからお湯を作り、
コーヒーを作った…
ちなみに豆はキリマンジャロ
「どうぞ」
○○はまだ、名も知らぬ女性にコーヒーを渡す
普通は最初に名前を聞くべきだが…
女性はコーヒーを受け取ると
少し困った顔をしてコクッ…とコーヒーを飲む
「苦い…」
それが女性の第一声であった
「あ、砂糖入れるの忘れてた」
○○はブラック派であるが為に砂糖を入れるのを忘れていた
砂糖を持ってこようと立ち上がろうとするが、
女性にズボンを掴まれる
「別に飲めない訳じゃないから良い」
「…分かりました
ところで、名前は?
自分は○○と言います」
「レティ・ホワイトロック」
続く