~東方恋愛録…愛する事が…~
特にあらず…
楽しんで見てください…
霊夢編…
「ねぇ…○○、貴方って何を貰ったら嬉しい?」
始まりはこの言葉からだった…
明日、誕生日を迎える俺は霊夢からプレゼントを貰うことになった…
正直に言って、プレゼントなど要らなかった…
霊夢には言ってないが…
俺は霊夢の事が好きだ…
プレゼントなどは要らない…
俺を霊夢が居る、この神社で過ごしているだけで幸せだった…
だから…つい、言ってしまった…
ーーそんなものは、要らないーー…と…
俺から見ると、遠慮の意味だった…けど、霊夢は何故か、黙って部屋を出ていった…
「何か悪いことしたか…?俺…」
そんな言葉を口にして俺は出ていった霊夢を追いかけようか迷っていた…
霊夢said
明日は○○の誕生日だ…
私は今、隠し持っている指輪を強く握っていた…
そう、私…博麗霊夢は○○の事が大好きだ…
外来人である、彼を見付けたのが私と○○の始めの出会い…
ただの人間である○○が幻想郷で暮らしていくには、とてもではないが、無理だと思った…
最初は、里の方まで送ろうと思ったが…
妖怪退治などで疲れていたので…
『とりあえず、私の家に来る?』
と言ってしまった…
そしたら、○○が…『ありがとう』
そう言い返した…
自分でも思う…
私は一目惚れをした…と…
別にただのお礼だったのだが…
それを言った○○の笑顔に私、博麗霊夢は心を奪われたのである…
そして、私は○○と一緒に暮らし始めたのである…
そして、過ごし始めてから数ヶ月が経ち…
『…そう言えば、もうすぐ誕生日だなぁ…』
不意に○○が呟いた…
私はこれ聞いて私と…○○との…指輪を買おうと思った…
○○は隠してる様だが、私は○○が私の事を好いて居ることを知っている…
普段は頼りにならないと思った私の勘だったが…
良い能力だと思った…
そして、今日、思い切って言った…
「ねぇ…○○、貴方って何を貰ったら嬉しい?」
○○は何かを考えていたが、私は気づかず、さらに、こう言った…
「わ、私との結婚指輪…だったら嬉しい…かな…」
これが、私なりの告白だった…
だけど、○○は…
「そんなものは、要らない」
私は死ぬのかと思った…
私は勇気を振り絞り、告白をしたのだ…
けれど…結果は振られた…
悲しくなりショックで部屋を飛び出した…
好きだったのに…
その言葉が頭の中をいっぱいにして、私の胸を締め付ける…
気づけば私は外にいた…
周りは暗い夜…
振られたショックで妖怪が大量にいる森に私は一人泣いていた…
大声を出して泣いていた…
そのせいで、妖怪が私の周りに寄ってきた…
私は思った…
辛いまま死ぬんだったら、いっそ、食べられよう…と…
蜘蛛のような妖怪が私に襲いかかった…
こんな時に、思いつくのが○○のあの笑顔…
後悔した…
死ぬと決めつけておいて、いざ、死ぬ時になって…
振られても、ずっと○○と過ごしたかった…と…
今更後悔しても遅かった…
前を向くと蜘蛛のような妖怪が私を噛もうとしていた…
あぁ、私は幸せにはなれなかった…
そう思い、目を閉じた…
ザクッ!!
妖怪が私を噛んだのだろうか?
目を瞑っているので分からない…
さらにザクッザクッと音がする、ただ痛みは無い…
おかしいと思い…目を開けると…
右足を食べられ動けない○○がいた…
私は目を疑った…
何で○○が?
何で右足を?
何で私は無事なの?
何で○○は逃げろって言ってるの?
何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で
何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で
何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で
どうして…?
そんな事を考えていると、妖怪達が○○に向かって走り出した…
…何をしてるんだ私は!!
こんなの見殺しじゃない!!
「邪魔だあぁぁぁーーー!!
夢想封印!!!!」
様々な色を出しながら夢想封印は妖怪達だけを殺していった…
「○○!!○○!!」
○○は右足が無くなり…壊れた人形のようなものを思わせる姿になっていた…
「霊夢…ごめん…な、心配しって…追いかけ…」
「喋らないでっ!!」
どうしよう…血が沢山出てきて…
これじゃあ、お札でも…
「霊っ…夢…」
「うるさい!!喋らないでって言ってるでしょ!!
…じゃないと…じゃないと○○がぁ…」
「泣きそう…なんっ…だな…霊夢…
無理するな…泣きたい…なら…な…?」
「うっ、うぐっ、…い、嫌!!な、泣かない!!
泣くのは、貴方を治してから!!
…そしたら、泣くから…慰めて…ね…」
「ごめんな…頼む…あと、そのっ…時、俺も…泣いても良いか?」
「えぇ…一緒に…」
それからの私の行動は早かった…
自分の服を破り、右足に巻き付け、一時的に血を止めた…
そして、能力を使い、○○を抱え空を飛び家に帰った…
そして○○を布団に寝かせ、私は家中の物を全てを持ち、
○○の寝ている部屋に向かった…
まずはお札!!
○○の体に張り付けまくる…
淡い光が右足に集まり、切断された足を治そうとしている…
だけど、遅い!!
こんな時、私は私を責める…
修行をサボらず、ちゃんとしていれば…!!
一発だけ、私の顔を私は殴った…
今は何も考えない!!
治すことだけを!!
その後も、いろんな物を使い、何とか切断された面が治り、血が流れ出る事はなくなった…
お札が頑張ってくれたのだろう…
ただ、○○は起きなかった…
傷が治っても、私が起こそうとしても…
○○は起きなかった…
あれから、三週間が過ぎた…
今も○○は目を醒まさない…
魔理沙や紫…幻想郷のみんなが、それを知り、私にこう言った…
『きっと起きる!!』
私もそう信じている…
○○は起きる…
だって、約束したから…
一緒に泣いて、一緒に慰め合うって…
私は神社に帰った…
いつも通り○○の部屋に入ると…
○○が居ない…
今度こそ本当に泣いてしまった…
何故なら家中何処を探しても○○が居ないからだ…
夜…泣き疲れて寝てしまったようだ…
探そう!!何が何でも見つけだす!!
そう思い、外に飛び出した…
すると目の前には、幻想郷に居るみんなが居た…
「待ってたんだぜ!霊夢!」
「何よ魔理沙、今は遊ぶ暇は無いんだけど」
「まぁまぁ、落ち着きなさい霊夢…何でも一人でやろうとしないで、また私を頼りなさいな」
「あなたに頼むことなんて…何もない!!」
「おっと!霊夢!準備が整ったみたいだぜ!
紫ッー!!」
「分かっているわよ…」
何よ準備がどうとか…
紫はスキマを開ける…
このあと、私はまた泣いてしまった…
だって、スキマから出てきたのは…
右足を無くし、居なくなったはずの○○だったから…
右足は完全に治っており…
歩いて私の方に来た…
「霊夢、大変だったんだぜ?みんなで右足治すの…」
「そんな事言わないのよ、今は黙って見ましょう?」
「そうだな…」
「ごめん、霊夢…起きるのが遅れたよ…」
「バカ…遅すぎよ…」
「そうだな…心配させてごめん…だから、お詫びとして…」
「…?」
「俺と結婚して欲しい」
「…まさか、貴方の方から言われるなんて思わなかったけど…
ふふ、喜んで…」
その後、私達はとても深いキスをした…
もう二度と離れぬように…
悲しまぬように…
唇が離れ…お互い見つめ合った…
「大好きだよ、霊夢…」
「バカ、"愛してる"でしょ?」
そして、私達はもう一度深く優しいキスをした…