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Clush on Claft  作者: ユキ サワネ
一章 廻り始めた〝星〟
7/8

第六話 分水嶺

いつも読んで頂きありがとうございます♪

ストレス発散目的で緩く書いてます

 「これで2つ目の依頼完了だな。」


 俺達は1つ目の中級迷宮を踏破後、依頼を果たすべく近場にある2つ目の中級迷宮に向かったのだが、あっさり踏破した。


 といのも、道中も迷宮内も明らかにマグルの数が少なくてたいして苦労しなかった為だ。


 「この辺りってこんなにあっさりと踏破出来るはずじゃねーんだけどな……。」


 「……異常事態(イレギュラー)の可能性も考えなければなりませんね。明らかに様子が変です。これでは、低級迷宮群の森の方がまだ探索のやり甲斐があるというもの。」


 コーカとニアがそんな会話をしながらも、平然とクロスは斥候を全うし、ブルータスは気を張って常に臨戦態勢でいてくれている。


 「油断は禁物。イレギュラーならば尚の事、より慎重に事にあたらねば痛い目みましょうぞ。」


 「堅いねぇ、ブルちゃんは。マグルの気配探知用の魔道具が一向に反応しねぇし、流石に気は緩むって。」


 コーカの呼び方にブルータスは一瞬驚いたが、人付き合い苦手な割にコーカもコーカなりにコミュニケーションを取ろうとしているんだろうと、ニアは察知出来ていて、場を盛り上げてくれる。


 次の依頼を果たすべく三つ目の中級迷宮へ向かう道すがら見慣れない植生生物を見つけると俺は思わず(たか)ぶってしまった。


 その立ち振る舞いに皆は餌にがっつく犬のようだと茶化したのだが、そりゃそうさ。


 調合クラフト品には持ってこいの良質な素材があちらこちらに群生しているわけで、冷静になれと言う方がどうかしてる。


 「馬鹿野郎ッ!君達にはこの植生素材が金の成る木だと理解できんのか!?見よ!この黄金色に輝くオーラを!」


 「ファウストってたまにキャラ見失うよな。間抜けさが無けりゃいいツラしてんのに。」


 「あら、鍛治や縫製だけでなく調合も出来ますのね〝担い手〟の特性とは。」


 素材を掻き集める俺と立ち尽くす4人とでは随分温度差を感じる。


 まぁいい。マグル達がいないのなら今のうちに根こそぎ刈り取ってやろう。


 直に日も落ちてくるし、現在地なら見通しの良い安全な場所そうで今日はここで野宿だ。


 食材は魔法袋に詰め込んである物と1つ目の迷宮で作り置きした物があるし、あとはどう効率よく短時間で素材集めをするかだ……。


 「あっ、日没まで素材集め手伝ってくれるなら回復薬とか強壮薬とか、〝武具〟とか多めに作ってプレゼントするけど、手伝ってくれる?」


 4人の豹変ぶりに何だか凄くチョロい気がした。

 

☆☆☆☆☆

 

 野営後の朝を迎え、俺達はネルゾン迷宮、ツァール迷宮に次ぐ3番目にして最後の探索依頼場所、ルーン遺跡へと足を運ぶ。


 道中、野生化したマグルの数は大した事なかったが質は今までとは比じゃないくらいで流石、中級最高峰の迷宮群。


 三つ目の迷宮付近になると多くの探索者の姿が見え、俺達もその界隈に馳せ参じた。


 遺跡前では職業管理組合(ギルド)の職員や王宮や神殿の騎士団群、フルツのクラフターや商人まで居た。


 「何か騒ぎでもありましたの?」


 ニアがその中にいた知り合いに情報収集を試みてくれると、二日前に〝月の精霊地域(ルナエリア)〟の全域にかかっていた霧が晴れてから、このルーン遺跡に異常な魔素が計測され、調査に万全を期す形で明朝から陣を構えたらしい。


 「何度もここを踏破している者達は皆口を揃えていうには、中級迷宮の規模が大きく変わったらしいですわ。新たな階層の発見やマグルの強度上昇とかで、今選抜チームが先行して潜っているようです。」


 「選抜チーム?」


 「えぇ、上位探索者達と騎士団の精鋭にクラフトマイスター達、収集部隊としてマジックパッカー専門家も総出の混成チームと伺っています。緊急なのでフルツ内からの招集らしいですが。」


 上位探索者とは探索評価(ヴェナーリスコア)ランキングの上位に位置する、いわば探索専門の猛者達の事。


 通年や年間の探索成功回数や素材、迷宮宝物の納品貢献度でその順位が決められる。


 中には上位探索者同士でチームを結成し貢献度を荒稼ぎしていたりと、良くも悪くもこの世界で重要な役割を担っている。

 

 「国家緊急クエストってやつか。なら足止め食うしかないか……。」


 「そうですわね。まぁこの半月ほど駆け足でしたし丁度いいですから休息といきましょうか。」


 ニアの提案で俺達は一時休息を取ることとなり、各々自由時間として過ごす。


 陣営内では装備や道具などから素材の探索用物資の販売や取り引きなどが行われていて賑わう中、フルツで有名な食糧屋もあり、その簡易屋台の看板に目を惹かれた。


 『探索用料理、売ります。買います。』


 ならばと思い、手持ちの調理品を幾つか売り、その利益の一部で王国屈指の有名店の味を確かめてみた。


 店主が言うには探索保存食として調理された干物の焼き串なのだが、本来の品とは若干違う味付けや製法も変えているらしく、それでいても素材の旨味は充分感じられる。


 独自製法というやつだ。


 火と風の魔法を駆使して水分を一度抜いてから乾燥させ、表面に発酵乳製品を馴染ませた後、一晩冷やし寝かせてから焼き上げたボアの串焼肉は携帯食糧としての存在感は圧倒的で食べやすく値段も安価。


 探索者に人気な理由もよく判る。


 食べ応えと味の良さに感動を覚える。


 料場で本格的な味は堪能して欲しいと、ばっちり宣伝まで抜け目なくしてくる所は同じ商い家として参考になる。


 「それにしても、凄い数の人だな。」


 「あぁ、この規模だと匹敵するのは、上級マグルの討伐前後やら探索大行軍並みだろうな。まさか、それを〝月の精霊宮群(ルナエリア)〟で経験するとは想いもしなかったさ。」


 串焼の店番と暫くあれこれ世間話をしていたら、一人こちらに近寄ってくると、開口一番に泣きつくように肩に手を伸ばしてきて懇願してきたのだが、こちらは長旅の休憩中だと伝えたら、持ち前の〝悪巧み〟を提案する。


 「昇格試験なんて言い出したのはジョブの方だろ。それに、こっちは今しがた休憩中。それに、今回の指揮はニアなんだから俺の一存じゃ決めれないし、まだ依頼は全て終わってない。」


 「冷てぇっ!ファウストォ〜、お前そんな性格じゃないだろ〜。頼むよ〜手伝ってくれ!!なんならもう合格にするから!」


 ジョブの絡みが熱苦しくて肩に乗る手を払いながらあしらおうとしたのだが、その光景に数人が反応してこちらに出向いてきた。


 「ギルドマスター。何、油売っとるかね?先遣隊の状況報告を貴様も常に把握せんと対策会議が出来んだろうが。はよ、こっち戻れ。」


 「嫌だっ!俺は、働きたくないって言ったはずだ!大体、王宮騎士も神殿騎士も来てて、俺なんか下の下の存在だろ!?俺なんて居なくても事足りるじゃねーか!」


 「はぁ……この国の根幹である探索者達の頂点がサボっていては周りに示しがつかないでしょう。物資の補給に運搬は僕達、騎士団よりギルドが数枚も上手なんですから、それに、あなたの力が無いと困るんですって何度も何度も言ってますよね。」


 どう見ても身なりからして王宮や騎士団の高位な関係者だろうと判るし、先日の缶詰状態で見かけた気がする顔もある。


 こちらに会釈しながら青年騎士がジョブを引き剥がしかけた時にジョブが閃いたと言わんばかりの顔つきで声を張った。


 先遣隊への物資運搬に際して、最も効率が良い上級魔法袋保持者のギルドマスターは、同時に風魔法の使い手にして、特性スキル【異空間】の使い手でもある。


 「コイツ!この黒髪!コイツも連れてけ!役に立つ!それに、コイツがいるなら俺もメチャ頑張れる!」


 一同、その言葉に僅かながら硬直を見せた後、俺が誰なのか気付いたようだが、なぜここに居るのかも不思議に感じた様子。


 「すまんが〝担い手〟、君も来てもらえるか?」


 完全に巻き込まれた……ジョブのしてやったりな顔はここ最近抱いてこなかった感情を沸き立たせたがあれだけ目立つ行動は慎めと言った張本人がなにしてくれとんのじゃ。


☆☆☆☆☆


 陣営の作戦本陣(ブリーフィング)へ連れられるとまずは、首脳陣達と顔合わせとなる。


 ジョブに最初に声をかけた壮年の男、グレップ共和国宰相の【レヒト・ヴァーミリアン】でこの十数年の経済躍進や迷宮探索の効率化を実現してきたこの国の頭脳でグレップに、才人有りと云わしめた功績の持ち主。


 次にジョブを引き剥がしにかかっていた若い男騎士は神殿の魔法騎士副団長の【クリックス・ホーリー】と言うが、ホーリーの家名は、図書大全で読んだほどでクラフ島創世紀から神殿の守護を司っている、いわばエリート家系である。


 更に、王宮騎士団の団長にして、女帝の異名で島中から慕われているという【ダイナ・ロイヤル】。


 彼女は壮年でありながらも気品端麗な風貌と時折見せる気の強さが魅力の秘訣か。


 屈強精鋭な両騎士団を現場で束ねるに相応しい立ち振舞いは最早言うに足らず。


 女帝とはこうもあるものかとさえ感じたのは、金銀入り混じる全身鎧(フルプレート)が更にそう思わせて仕方ない。


 「先遣隊からの報告だ。現在26層目にて、炎猪(バーンズボア)と交戦中、被害もかなり甚大なようだ。我が真っ先に馳せ参じてやりたいが、作戦上そうもいかん。職業管理組合長(ギルドマスター)、急ぎ腕の立つ者を連れて救援に向かえ。転移魔石は設置済みだ。座標も問題ない!」


 ジョブとゆったりと目が合い、嫌な気配だ。


 「ふふん。ここにカテゴリ7の猪退治名人が居ますぜ姉御、御安心を。おい、運搬チーム!すぐ向かうぞ!野郎共、猪狩りと洒落込もうじゃねえか!」


 嫌な予感が的中した。


 ジョブの首飾りとしてある転移魔石が色濃く光輝くと俺の他に数人が手を握り合い、眼前は閃光に包まれた。




 「王宮魔導士隊は前へ!障壁を展開!動ける騎士は負傷者と非戦闘員の支援と退避に回れ!」


 転移後、真っ先に聞こえたのは指揮官の凄絶な雄たけびにも似た、怒声。


 事の緊急具合を知るにはうってつけの声量で、ジョブ始め同行者達は一目散に負傷者達の救助へ駆け出す。


 移動中、俺達救援チームに指示を出す姿は先程までふざけた物言いをしていた人物と同じかと思うほどで、ギルドマスターの知らない顔が垣間見える。


 緊張が張り巡る現場の戦況を確認しているのか指示を終えた後にジョブの視線はあちらこちらを瞬時に捉え、指揮官の下に辿り着いた頃には彼の頭のなかでは勝利しか浮かんでいないらしい。


 「ファウスト、手短に言うぞ。一対一(サシ)で処理しろ。出来んだろ?あの程度なら。セフト、合図を出したら全員引かせろ、余計な被害を出したくない。」


 その言葉の響き、重さにかなりの手練れと見受けられる指揮官の男騎士は状況をすぐに呑み込みジョブに従った。


 「準備はいいんだろ?ファウスト。」


 普段ふざけるのが生き甲斐の男がこうも変わるのかと思いつつも、俺の装備は前回と比べて比じゃないくらい質は良いし、色々実験してきた数日に意味があった事も幸いした。


 「問題ない。アレなら……30秒で()()がつく。」


 一瞬、周囲のギョッとした反応があった様に見えたが、それらに構うつもりはない。


 魔導士隊の障壁を今にも破壊せんかという勢いで迫るバーンズボアに正対し、俺は無銘の蒼剣を引き抜いて、魔力を込めた。


 あの時とは違う。


 あれからどんだけ腕を鍛え上げたか良い試金石だ。


 「よし、今だ!行け!」

 

 ジョブの計った機会で魔導士隊と俺は入れ替わり挨拶代わりに頭蓋への一撃、一点突きを見舞うと、バーンズボアのけたたましい焔を冷気で包みかけるが、敵もまた一回り強い。


 丸太より太い四足で力強く退くと、一呼吸入れながらこちらの様子を伺う。


 だが、俺は知っている。


 休む暇を与えれば、奴の焔が地に落ち巡り、足場なんてあったんもじゃなくなる。


 だが、【魔素氾濫】時とは違い、対策も無いわけじゃない。


 あの一件以降、魔素や魔力の扱い方を調べに調べて、凄腕探索者にも協力を仰いで幾つかの技を覚えた。


 惜しむらくはこの短期間でその効果の全貌を未だ知らない事くらいか。


 蒼剣に全神経を集中させ、バーンズボアとの距離を測りながら、脳裏に浮かんだガブ達の悲壮顔を思い出すと、俺の心は一つの殻を破った感覚を覚えた。


 願うは、マグルによる理不尽な惨劇に終止符を打つ。


 激しく雄叫びをあげるマグルが殺気を頂点に達して、その巨体をぶるぶると振りながら周囲一面に焔を撒き散らす。


 飛んでくる火の塊を避け切って俺は蒼剣を地に刺し、魔力を解き放つ。


 すると、バーンズボアまでの距離を越えた少し先までの焔を凍りつかせ、奴の足場すら固める事に成功する。


 「これで、終わりだ。でっかい猪。」


 装備に付与した風属性の魔石の力を頼りに一気に距離を詰め、頭蓋もろとも一刀両断すると、バーンズボアの身体は真っ二つに分かれていた。


 「ジョブ!これでいいのか!?」


 振り返った先には、悠長に煙草を吹かせたギルドマスターがこれ見よがしに大手を叩いていたが、その近くにいた精鋭たちは固まっている。


 「よーし、先遣隊は休め。迷宮に出し抜かれる前に運搬チームはバーンズボアの回収にあたれ!あと、この氷床、解けるんだろうな!?ファウスト!」


☆☆☆☆☆


 「噂では聞いてはいましたが、いやはやユールグ・ファングの担い手というのは、生産系技術の極まりかと思っていたんですが、認識を変えないといけませんね。それも桁違いに。」


 そう話しかけてきたセフト・タイランツは先程までブリーフィングにいたホーリーの上長、魔法騎士団長だ。


 爽やかで軽やかなと表現できるその声に俺は驚いたのも無理はなく、数分前の激昂声とは似ても似つかないほどの差だった。


 「初めまして、ファウスト・リスタです。あの、噂って?」


 「ははは。これは失敬。初対面で不躾な物言いをしてしまい、ご容赦下さい。噂というのは今回の担い手は文武に精通しているという話しでして、過去幾度か現れた担い手はほぼ、一様に戦闘は不向きだと言い伝えられているのです。初代を除いてね。ですから、噂が真実だとすればこの時代が大きな転換期を迎える狭間に在るのだろうと我が一族で話していたのです。」


 「そうか、まぁよくわからんうちにこの島に来たもんだから実のところその辺の話はどうもぴんとこなくて、申し訳ない。」


 事実、今や曖昧になりつつあるが、俺の記憶では湿った暗がりの部屋で眠りこけ、気づいた時には小舟の上だった。


 昔から物作りが趣味でその延長線で生きていたはずで、あとは詳しく思い出せないでいる。


 「なにはともあれ、貴方とこうして縁が持てたのも吉兆、神に感謝です。ついでにダイナを呪い殺してくれません?」


 キツい冗談をかます程、この人もまた、歴戦の勇士なのだなと思うが自然と嫌味は感じない。


 「あ、今の聞いたぞ。姉御に報告しなきゃだな。」


 「そんな野暮なことやる暇あるなら貴方はギルドマスターらしく普段の行いを改めなさい。神の天罰下ろしますよ。」


 この二人のやりとりも極々自然で、きっと馴れ合いの礼儀なんだろう。たぶん。


 「それよりどうよ、担い手の実力は。魔法騎士団に欲しいだろ?」


 「えぇ、魔力の質量、操作、それになんですか?その魔剣。とてもこの世のものとは思えないですよ。」


 この島に来てからの経緯を説明しながら、一服していると、運搬チームから報告があがったのだが、バーンズボアの体内から魔素を失った少し大きめの魔素水晶(オーブ)が出てきたので、皆が注視した。


 「……。厄介ですね、これは。」


 セフトの曇りがちな表情にジョブのお気楽な顔も濁りく。


 「オーブだよな?ネルゾン迷宮にあったやつより小ぶりだけど。」


 セフトは腕を組みつつ片手を自身の顎にあてながら黙りこみ考え込み、ジョブからはオーブの行方を尋ねられたが、ネルゾン迷宮で起きた経緯を話すとジョブは酷く落胆した態度をみせた。


 「で、割れたオーブを壊さずに置いてきたのか?なんて狂った事してくれてんだよ……。」


 迷宮探索において主要な場にはオーブが必ず有り、それらは回収して国の宝物庫で管理するのが定石なのは知っていたが、回収すると、規模に見合った時間をかけて迷宮は地に還るのだから、そこに植生していた素材やマグルなどは二度と同じ場に現れない。


 それが嫌だと考えたのは、ニア達も同じだったからで、迷宮を潰さず残したのはチームの総意だった。


 「……順天と共鳴……ですね。ファウストさん、ネルゾン踏破後にまた迷宮へ入りませんでしたか?」


 「オーブを台座に乗せたら外に弾き出されたし、それに迷宮の入口は見当たらなかったな。」


 「まぁ、やっちまったのならしゃーない。本来ならば立場上、ぶん殴るとこだが……あー、報告揉み消したいわ。」

 

 「通信映像で戦況を見ていたが、凄まじいな今回の〝担い手〟というのは。」


 「えぇ、噂以上かと。攻撃手でもあり、支援手であると言うのはクラフ島史上、初代以外は居ない。」


 「あそこって26層目でしたよね?それなのに地上にいる僕達まで感知できる程の魔力量って、中々居ないですよ。歴史の分水嶺に必ず現れると云われる〝担い手〟の凄さは一族で伝わる内に脚色付いてるものだとばかり思ってましたが、紛れもなく本物ですね。」


 「あぁ、だがやはり若いな。力の扱い方がまるでなってない。あれでは更に下層のマグル達も気が立つだろう。」


 「ダイナ君、まさかとは思うけど育てるとか言い出さんよね?」


 「宰相、力は正しく使えんとこの先苦労するのはファウスト自身そうだが、周りも苦労するぞ。あの強烈な魔力に先遣隊が正気を保てているのは、彼等が鍛え上げられた猛者達だからこそ。今のを仮に街中で放ってみろ。少なくとも気を失う者も少なくなかろう。見よ、地上待機している者達の中に、動揺を見せている者が何人いる?」


 (……。確かに怯えている者も見受けられるな……。)


 「剣技は紛れもなく我流で粗く、魔力の扱いは本雑。ならば、周りを威圧しない力の扱い方くらいは覚えてもらわんと話にならん。なに、ファウストは、直ぐに会得するとみた。この私が言うんだ、心配いらんさ。」


 「まぁ、ダイナ君も私も老い先短いからね。やれる事はやりましょうか。かつての我らが先人達にしてもらったように。」


 「なら、神殿長に訓練場の提供頼んでみます。王宮の地下訓練場では何かと不都合でしょうし。魔力隔壁がある所なら気兼ねなく訓練出来ますから。」


 「相変わらず理解が早くて助かるよ、クリックス。」


 「いえいえ、僕も彼には興味深いですから。色々話込める時間出来そうで楽しみなんですよ。」


 「ファウスト君に関しては調査終了後直ぐに動けるよう手配しよう。王に一報を入れておきます。」


 「よし、宰相頼んだ。私とクリックスは先遣隊の立て直しと今後の作戦を考える。それと、後発組の指揮だ。」


 (歴史の分水嶺が、よもやこれ程までとはな。色々楽しみが尽きないな。ファウスト・リスタ……外から来たというが紛れもなく覚醒者のそれだな。)


 

ここまで読んで頂きありがとうございました♪

一身の都合上、不定期更新ですが、また次話読んで下されば嬉しいです♪


書き溜め… …_φ(・_・

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