皇女と騎士
大陸の西の果て、赤茶けた死の大地が広がる「死と岩の国」レディリース。その更に最果てに、地の底にまで繋がっていると言われる深淵の大穴「嘆き落とし」が口を開けていた。その大穴の底からは、世界を蝕む黒い瘴気が、気の遠くなるほどの遥か昔より噴き出し続けているという。
レディリースを管轄する「虹の橋の国」ハールーンランドには、この瘴気の氾濫を防ぐため、十年に一度、「嘆き落とし」の淵に建てられた西の祠へ巫女を送る決まりがあった。神の啓司を受け、聖なる水と供物だけを与えられて育てられた清純なる巫女は、十五の歳を迎えると祠へ送られる。そして、死と腐敗が立ち込める大地の只中で、たった一人、神への祈りを捧げて瘴気の侵犯を阻むのだ。
宿命を背負って旅立ち、決して帰らぬ巫女を祝福するために、いつしか「虹の橋の国」では、「生誕祭」、そして「巫女送り」と呼ばれる祭事が、五年に一度、交互に執り行われるようになった。人々はそこで、自身の身を投げ打って瘴気を払う天命の少女に、救世の願いを込める。そうして国中の悲願を一身に受けて旅立つ巫女は、西の果ての祠で聖なるその身が朽ち果てるまで祈祷を続けるのだった。
そんなある時、生涯の純潔を誓うはずの巫女が、一人の子供を身篭った。ところが、彼女はそれを隠したまま己の使命を果たそうとし、やがて祠の中で小さな命を産み落とすこととなる。
異常な瘴気氾濫の報告を受けて、調査団が祠を訪れた時。
炭のように全身が真っ黒になって息絶えた巫女の腕の中で、産声をあげている一人の赤子がいた。さしもの調査団も、巫女が残した産まれたての赤子の運命を哀れみ、秘密裏にそれを連れて帰国した。彼らは、産まれながらに「嘆き落とし」の瘴気に晒されたその赤子が、長く生き延びることはないだろうと考えていたのだ。
赤子は、辺境の小さな村に送られ、そこに住う老夫婦によって育てられることとなる。調査団の予想に反して、小さな赤子はすくすくと元気に成長し、幼いながらも美しい少女となった。
だが、天命に背く少女の存在を、星の神が許されるはずもなかった。
それは、少女が五歳の誕生日を迎えた日。一つの村が消えた。
偶然巡回に来ていた警兵が村を訪れると、ただ一人を除いて村中の全員が惨殺されていたのだ。周囲を埋め尽くす血の海の中、しかしどこを探しても、例の少女の姿だけは見つけることができなかった。
これを機に少女は国中に指名手配され、同時に至るところでその目撃談が相次いだ。また、少女が現れる場所には必ず、死の匂いが立ち込め、凄惨な事件が起こった。多くの賞金稼ぎが少女の首を狙ったものの、完全に捕らえることができず、その噂は徐々に波及していくこととなる。
加えて、巫女の喪失によって漏れ出た瘴気が大陸を侵し、新たな奇病が蔓延して多くの死者を出した。少女はその元凶でもあるとされ、やがて大陸中に噂が伝えられる。
いつしか少女は「災いの子」、「瘴気の使い」、「怪物」と呼ばれ、世界から忌み嫌われるようになった。
恐るべき瘴気の申し子の存在に、人々は恐れ慄いた。
巻き起こる悲劇の尽くに少女のことを関連づけ、膨れ上がった恐怖は世界中の憎しみへと変わっていった。長らく続く戦乱の最中で、少女は行き場のない怒りと憎悪のはけ口として、悲劇を弁解するための口実として、疲弊した世界を盛り上げるためのピエロとして、全ての人々の間で謳われた。
誰もが少女の死を願った。生を否定した。口汚く罵り、刃を向け、容赦なく身を切り裂いた。彼女の全てを焼き尽くすことに、何の躊躇もなかった。
大陸中から命を狙われながら、それでもしぶとく、少女は逃亡を続けた。健気さすら感じるほど必死に、息を切らせ、足を引きずり、ひと時の安寧すら許されない中、自身に向けられた果てしない呪詛と憎しみの渦中を駆け抜けたのだ。
しかし、そうしておよそ七年にも続いた長い逃亡劇も、遂に終わりを迎えることとなる。「白銀の大国」領、その辺境にて、少女の身柄を追っていた警兵団と傭兵集団が、とうとう彼女を仕留めたと告げた。それによって世界中が歓喜に包まれた。
崖際に追い詰められた少女は力尽き、奈落の底へと転落していったという。その最後の瞬間まで、嫌悪の視線と糾弾の言葉に晒されながら、暗い闇の底へと落ちていった。眼下に広がる闇よりも遥かに深い、深淵の絶望を抱えながら。
「うわあ、広いお部屋ですね!」
皇宮本棟の中央階段を昇り、居館の最上階にある大部屋に通された私は、その内装を目にして思わず声を上げた。流石は皇族の利用する居住区ということもあり、小さな広場ほどはありそうな広さだった。天井からはガラスのシャンデリアがぶら下がっており、床には皇室の紋様が取り入れられた真っ赤な絨毯が敷かれている。
ベッドと見まごうような豪華なソファが向かい合うように並び、間に置かれた金色のテーブルには、何やら高価そうなスイーツの乗った皿とティーカップが並べられていた。壁には美しい女性の肖像画や、部屋中を映し出す大鏡が飾られ、入口の扉と反対側には、これまた華やかな紅色のカーテンで仕切られた大窓が備え付けてある。他にも、化粧台やら書棚やらステンドグラスやら、目に入る家具の何もかもが煌びやかで美しい。
何より素晴らしいのは、入口から右手にみえる寝室だ。まず中央に天蓋つきの巨大なベッドが置かれ、その両脇を飾り付けるように花瓶に入れられた色とりどりの花が咲き誇っていた。四方の壁には翼の生えた人々が青空を優雅に飛び回る絵画が、直に描かれていて、まるで自分までもが天上世界に揺蕩うちぎれ雲の一つになったかのような気分になる。
どこぞの観光地の高級宿でも、これほどの部屋は用意できないだろう。果たして、私のような土臭い野良娘がこんな場所に滞在してもいいのだろうか。なんだかおとぎ話の世界に迷い込んでしまったみたいだ。きっと英雄記に描かれている白銀の姫君も、こんな綺麗な場所で過ごしていたんだろうな。
「ふふ、気に入った? でも、これでもメルクリウス皇家の部屋としては小さい方よ」
「え!? これでですか!?」
他方、姫さまはこのくらい何でもない、という様子で、真っ直ぐ部屋の真ん中に置かれたソファの方へと向かうと、そこに体を投げ出した。この美しい空間は、姫さまのような人間にこそ相応しいな、と私は改めて感心のため息をつく。
「ほら、リアスも来なさい」
姫さまが、ふかふかのクッションに腰を沈めたまま、自らの隣を叩いて示した。すっかり腰が引けてしまっている私は、彼女にそう言われてはじめて、おっかなびっくり部屋の中へと足を踏み出した。
「し、失礼します」
そう前置きをして、姫さまの隣に腰掛ける。全身を包み込むような良質な弾力が伝わってきた。
「大きなベッドだったでしょう? リアスもあそこで一緒に寝る?」
私が座るや否や、姫さまは突拍子もなくそんなことを聞いてくる。彼女に深い意図はなかったようだが、私はオーバーリアクションとも取れるほど過敏に反応してしまった。
「いいんですか!? ……じゃなかった、め、滅相もありません!!」
言葉とは裏腹に、食い入るように前のめりに首を伸ばして否定する私を見て、姫さまも思わず身を引く。
「あ、あらそう? 別にあなたがいいのなら、構わないのだけど」
「あっ……い、いや、あの。私は飽くまでも姫さまの近衛という立場。無論、なるべくお側にいてお守りは致しますが……夜はソファに毛布を敷いて寝ることにします」
一人で勝手に盛り上がってしまった私は、穴があったら入りたいと思いつつも、必死に弁解の言葉を探す。姫さまは一言。
「分かった。じゃあお願いね」
とだけ答えて、天井を見上げた。
少し気まずくなってしまい、私は何と言葉を続けるべきか、あれやこれやと考える。だが、そんな私の無意味な思索を遮るように、再び姫さまがポツリと口を開いた。
「このお部屋はね、元々は私とお母様が暮らすはずだったの」
「姫さまの……お母様?」
「そうよ。私のお母様。私はどんな人か知らないの。とても美しかったけど、体が弱かったらしくてね。私の出産に耐えられなくて、亡くなられてしまったわ」
姫さまは、シャンデリアにつけられた蝋燭の火を眺めながら目を細める。そんな事情を知らなかった私は、慌てて立ち上がり、頭を下げるのだった。
「そ、そうだったのですか。すみません、無粋なことをお聞きして」
しかし、姫さまは穏やかな表情のまま首を振る。
「気にしないで。別に謝ることじゃないわ。私から話し始めたのだし……それに、お母様が亡くなってしまったこと、気に病んでいるわけではないの」
「そうなのですか……?」
「ええ。……ほら、そんなに堅い顔をしないの」
姫さまは苦笑いしながら腰を上げて、少し背の高い私の肩に触れた。
「力を抜いて。あなたはいつも、どこかで思い詰めたような表情ばかり。私の前では、もっと心を開いてほしいわ」
「そんな! 私はこれ以上ないほど姫さまの厚意に甘えさせて頂いています! むしろ心を開きすぎて裏と表がひっくり返っちゃってます!」
「まあ!」
姫さまは私の世迷言を聞いて、いつもの如く目を丸める。
「本当にあなたは変わった子ね」
それから、部屋の中をついと眺めて、胸の前で手を叩いた。
「そうだ! リアス、ちょっとこっちへいらっしゃい」
そんなことを言いながら、姫さまは部屋の窓際に置かれた化粧台の近くへと歩いて行き、その前につけてあるチェアを引いた。
「え? そ、そこって」
「謁見までもう間もない頃でしょう? せっかくだから私が髪の毛をセットしてあげる」
「そ、そんな!? 滅相もありません! 姫さまにまさか、お、お手を煩わせて私ごときの髪などを……」
「もう、私の言うことが聞けないと言うの?」
「そ、そう言うわけではありませんが……」
姫さまの強い意志がこめられた視線を浴びて、私はたじたじとなる。
やがて、こちらがナヨナヨとしていても彼女の気が変わらなそうであることを察して、私は渋々その言いつけに従う。勿体無くも姫さまの引いて下さったチェアに腰掛けると、化粧台の姿見に映る彼女へと目をやった。
姫さまは満足げに頷いて、私の髪へと触れてくる。
とほほ、嬉しいような恥ずかしいような、はたまた情けないような複雑な心境だ。
「綺麗な髪ね。サラサラしてて、まるで絹糸みたい」
「姫さまの御髪こそ、雪溶けの川のせせらぎを思わせます」
「一体どこでそんな言葉を覚えたのよ! ほんとにもう」
見れば、鏡越しの姫さまは少し顔を赤らめて、口をすぼめている。
好奇心旺盛な私は読書が好きだった。この世の中には、分からないこと、知らないことが沢山ある。それを調べるのは私にとってとても刺激的で楽しいことだった。だから、姫さまの所有する屋敷の書斎を貸して頂いて、暇を見つけては本を読み耽っている。そのせいで自然と、そのような詩的な表現を覚えてしまったのかもしれない。
「本当に変わったわね、あなた。はじめて出会った時のこと、覚えてる?」
「……ははは。忘れるわけないじゃないですか」
……当然だ。忘れるはずがない。
あの果てしなく深い闇の中から、私を救いあげてくださった姫さまとの出会いを。
夥しい死と、悪意と、憎悪に溺れて彷徨っていた私が、姫さまの元へとたどり着いた時の事を。
「本当にあの時は驚いたわ。泥と血に塗れながら、擦り切れた布一枚に身を包んだ姿のあなたを見つけて」
手櫛で私の髪をとかしながら、姫さまが懐かしむように語る。私は伏し目がちに下を見ながら返した。
「お恥ずかしい所を見られてしまったものです」
「ふふ。私、最初はあなたのこと殿方だと思っていたのよ。だってあんまりにも汚れているし、なんだか獣のように獰猛で、尖っていて、まるで……」
彼女の手が止まる。瞼を開き、私の姿を見つめた。まるで、過去の姿と見比べるかのように。
「まるで、世界の全てを憎んでいるみたいだった」
三年前のことだ。
長らく命を狙われ続けて身も心も擦り果てた私が、ほとんど虫の息同然の状態で、姫さまの治める「樹氷の街」へと迷い込んだのは。体中につけられた切り傷と、射殺すような獰猛な瞳、どんな言葉も聞き入れず、ただ狂ったように唸り声をあげて悶えるその姿は正しく獣のようであったらしい。
私も無我夢中だった。
とにかく目に映る者は全て、自分を脅かす恐ろしい敵だと思っていた。傷つけられないために傷つけた。殺されないために殺した。だが、どんなに殺し続けても安穏の時は訪れなかった。
あの時も、ただ本能の命ずるままに、動かぬ体を引きずってでも目の前の何もかもをなぎ払おうとしていたのだ。
「本当にひどい傷だったわ。リーズレッタがね、今すぐに死んでもおかしくないって……あなた、そんな状態でもなお暴れ回るんだもの」
「……」
右も左も、敵も味方も、体を灼くほどの痛みも、何も分からなかった。頭の中を占めていたのは、ただ「憎い」という感情だけ。今思えば、その時の私は正しく「おぞましい怪物」であったに違いない。
それでも。そんな私に、姫さまは……。
「……どうして」
「え?」
「いえ……でも、姫さまはどうして、あの時私を助けてくれたのですか? 恐ろしくなかったのですか? 息も絶え絶えにのたうち回る狂人のような私が」
「あら、またその質問? あなた、この話をする度に同じことを尋ねるのね」
「はは、すみません。どうしても不安になるんです」
そう、いつもふと不安にかられるのだ。
私は本当に、あの時救われるべきだったのか。死んでおくべきだったのではないか、と。
今もまだ、その答えを見つけられていない。
世界中の誰もが私の死を望んだのだ。生きているべきではない、と断じたのだ。たった一人の少女に石を投げ、剣を向け、焼きごてを押し付けたのだ。
そんな私が……あれほど多くの人間に憎まれていた私が、我が身の可愛さのために生き延びるなど、ただの身勝手ではないのか。そのような資格など一体どこにあるというのか。
姫さまの慈悲に甘えて命を繋ぎとめたばかりか、あまつさえ、その大切な姫さまの傍にのうのうと身を置き続けるなど。どれほど醜く、浅ましい行いだろう。星の神でさえ、きっと私を指差して、あらん限りに詰り倒しているに違いない。
だが、それでも……。
「どうして、と聞かれるととても難しいの。きっと、言葉で表せるような簡単なことじゃなくて……もっと深い所で感じたのよ」
私の手を握り、私の頬を撫で、そっと抱きしめてくれた、あの時の姫さまの手は、とても温かった。心が安らぐような気がして、その温もりにただ全てを預けた。
何を言われたのか、他に誰がいたのか、その後どうなったのか。朦朧としていた私には分からなかったけれど。
鮮烈に。姫さまの掌の温もりだけが、まるで今でもそこにあるかのように心に残っている。記憶にある限り、生まれてはじめてのことだった。
「体中から血を流しながら、必死に私たちを威嚇して暴れるあなたを見てね。何もかもに怯えながら、それでも必死に生きようとしているみたいで、とても愛おしく見えてしまったのよ」
私の髪に触れる姫さまの真っ白な手は、今も変わらず温かい。それが、答えなのかもしれない。
いや、答えなんて本当は、見つける必要はないのかもしれない。姫さまがそこにいて、私の存在を繋ぎ止めてくださる、それだけが全てなのではないだろうか。
だって私は、それ以外に何も必要としないのだから。
「姫さまのそのお言葉を聞くと、とても安心します。……まさかあの時の私が何かに怯えていたなんて、私自身でさえ考えも及びませんでしたから」
「そうなの?」
「はい。私はずっと、ただ「憎い」と思っていました。でも、違ったんですね」
過去のことを思い出すのは嫌いだ。本音を言えば、明るい未来のことを考えたい。姫さまと歩いて行く、素晴らしい未来のことを。
けれど、この思い出は大切なものだ。私にとってかけがえのない、姫さまとの「絆」だ。だから、今も胸にしまい続ける。決してなくしてしまわないように。
「私は怯えていたんです。弱く無力な一人の小娘が、世の中の恐ろしさに耐えきれず、ただ泣き喚いていただけなんです。誰でもいい、誰か一人だけでも、私を助けてくれ、と」
私が感情を吐露するように告げると、姫さまは目を細めて優しく微笑んだ。
「そう……そうなのね。でも、そんなあなたが今では騎士か」
「ほとんど押しかけ雇用みたいなものですけどね」
私が苦笑する。と、姫さまの方も打って変わって、それには大真面目に頷き。
「まあ、それはその通りね。あなたはもう少し、騎士としての矜持ある振る舞いを覚えるべきだわ」
「返す言葉もありません……」
「ふふっ。……さ、できたわよ」
肩を落とす私を見て笑いながら、姫さまはそう言って手を叩いた。私が顔を上げ、目の前の姿見を見ると。
「……っ!」
先ほどまで飾り気なく伸びていた私の長い金髪は、いつの間にか丁寧に編み込まれて、由緒正しい貴族家の娘のようになっていた。
「どう? 上手くできたでしょう?」
「そ、それはそうですがっ。わ、私にはこのような髪型は……」
いつになく可愛げがあり、それでいて柳腰な自分の姿に気恥ずかしくなってしまった私は、あわあわと口籠る。このような優美さは私のガラではないのだ。
「気に入らなかったかしら?」
「いえ! そうではなく、と、とても美しく仕立てて頂いたと思います。で、ですが……その」
「じゃあいいじゃない。ほら、もっと笑って」
「なぁ……!」
ふにゃふにゃと頬をいじられて、情けない声をあげる。まともに鏡を見るのも恥ずかしい。
「ほら。笑顔よ、笑顔」
ニンマリと頬をあげられ、無理やりに笑顔を作られてしまう。私は仕方なくその言葉に従い、締まらない笑みを浮かべて自身の鏡像を見つめた。
「そうそう、やればできるじゃない」
私の歪で不格好な笑顔を見ながら、姫さまは満足そうに頷く。そして、私の両肩に手を置き、顔を近づけてきた。姫さまの笑顔は、私のものなんかよりも余程自然で美しい。
鏡の中に共に映り込むようにしながら、姫さまは静かに、囁くように私に告げた。
「あなたには笑顔が似合ってるわ。忘れないで、どんな時にも。だって笑ったあなたは、とっても綺麗だから」