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サイバーパンク2023-そのTSモブ兼女ザコは反射とエネルギー操作を操る-  作者: 東山統星
チャプター2.5 サンダードーム空軍基地襲撃作戦

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EP40 強盗開始

 カルエは車を発進させながら、目を細める。


「良く笑っていられるよ、ラーキ。やっぱり、オマエら、いやオマエはイレギュラーだ」

「イレギュラーでもトリックスターでもなんでも良いけど、この街に降りたときから決めていることがひとつあるだけさ」

「なんだ?」

「楽しまなきゃ、嘘だってね」


 どうせ負けたら死ぬだけ。一度死を経験しているからこそ、僕の思考は刹那思考に傾いているのだろう。偏執的(へんしゅうてき)な存在ではないが、傍から見ればさほど違いはないのかもしれない。


 カルエは電子タバコを吸い終える。「どうかしてるぜ、オマエ」

「どうかしていなきゃ、一生誰かの食い物だよ。この街ではね」僕は続ける。「食うか、食われるか。私たちは捕食者で居続けなければならない。それ以外に生き抜く術を知らないからね」

「そりゃそうだ。だけど、それ以外に生きられる術を教わりたかったよ。死を克服できない人類としては」

「大丈夫。死んでみるところから始めるのも、きっと悪くない」

「どうだかな……」カルエは切り返す。「結局、死んだら無価値だ。死ぬのが美徳って考えは、生きることに向き合えない連中の作った嘘だぞ。どんな生き恥さらしても、最後この地上に立っているヤツが勝ちなんだよ」


 *


 僕はカルエの運転で、軍車両を隠してある場所へたどり着いた。


「着替えよう」

「うん」


 一応異性同士なので、少し離れた場所で着替える。これで、どこからどう見ても軍人だ。


「こちら後方侵入。あと数分程度で侵入できるぞ。オーバー」

『正面突破はすでにパーティーを始めてるわ。軍基地は大混乱に陥ってる。今のうちに応援部隊装って侵入してちょうだい』

「了解、アウト」


 インカムでルキアの声を聞き、いよいよ前代未聞の強盗劇が近づいているのを身体が覚える。


「よっしゃ。行こうか」

「そだね」


 軍用の車に乗り、僕らは空軍基地へと向かっていく。


『正面突破の混乱に乗って、お宝の所在割り出したよ~。ラーキ、カルエさん』

 僕は返事する。「ニーナ、さっすが」

『でしょ? でね、お宝は地下にあるみたい。正面班が暴れまくれば、そこに配置されてる兵士も動かざるを得ないし、案外簡単に進むかも!』

「だってさ。カルエ」

「この手の強盗がうまく行った試しはない。冷静さを失うなよ」

 釘を刺されたニーナに代わり、ルキアが答える。『分かってるわよ、それくらい。そっちの位置情報だって分かってるし、案の定軍人どももマルやジーターになぎ倒されてるわ。幸運を祈るわよ』

「ああ。つか、もう着くぞ。ICチップをかざせば良いのか?」

『門番もいない……わね。なら、ETCみたいに軍車両で入れば良いわ』

「おけい」


 裏口からサンダードーム軍基地に入ろうとしたわけだが、そこに証明証を求めてくる者はいなかった。こうして、僕らはあっさり空軍基地へ入る。


「すげェことになってるな」

「ね」


 基地は、壊滅的被害を受けていた。焼死体が至るところに転がっていて、射殺された者も数え切れないほど。正門のちょうど真逆から入ってこのありざまなので、正面は更に地獄と化しているだろう。


『カルエ、そこでストップ。あとは歩いて行って』

「この建物か? 白いな」

『えぇ。そこの地下よ。良い? どのみちバレるのは承知の上。いつギアや身体改造を使ったドンパチをするかは一任するわ』

「あぁ」


 マルガレーテやジーター、アーキーとリミが暴れまくる戦場で、僕らは一度辺りを見渡して車から降りる。

 警報音がけたたましく響く頃、白い建物の入口に立つ。が、さすがにロックされていた。


 カルエが言う。「なぁ、ハッキングで解錠できないか?」

『1分だけちょうだい! 私がやってみる!』

「ニーナ、頼んだ」

『うん! ラーキ!!』


 僕は辺りに目をやる。響き渡る警報に、勝るとも劣らない悲劇の鳴き声。すでに何人死んでいるのやら、と他人事のように考えていたら、


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