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サイバーパンク2023-そのTSモブ兼女ザコは反射とエネルギー操作を操る-  作者: 東山ルイ
チャプター2 プルス・ウルトラ、さらなる高みへ

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EP28 サプライズ・マザー・フ**カー

 カルエは怒号のように声を荒げる。まさかこのタイミングで隠れ家が割れるとは思いも寄らなかったのだろう。

 そんな中、カルエはスマホをスピーカーフォンに切り替えた。


『マジだ。ブラッドハウンズが凄まじい兵隊を送り込んでくるぞ』

「警備員どもは!?」

『すでに射殺されてる。それに、バルコニーのほうにいるから分かるが、アイツら〝レイス〟をウィング・シティから奪ったようだ』

「レイスつったら、〝空を飛ぶ空母〟みてェなモンじゃねェか!! あんなモンぶっ壊せるのは、マルくらいしかいないぞ!?」

『ボスはなにしてる?』

「よりにもよって酒で潰れやがった! ……、チクショウ。もうは腹くくるぞ。ジーター、オマエは手札持ってこっちへ来い。喧嘩は数も大事だからな。おれたちは迎撃に入る。良いな?」

『言われなくても、そうするつもりだが』


「よし、行くぞ。おめェら!!」


 そんなわけでエレベーターから降り、僕らは非常階段を使って上階へと登っていく。


「カルエさん、これからどうするの?」


 それでも、僕は落ち着いている。慌てても問題はいなくならない。

 カルエは一旦立ち止まり、僕とニーナを指差す。


「おめェら、下行け。アーキーとリミはおれについてこい。アイツら、レイスっていう空中空母から降りてくるはずだ。だが、下からも攻めてくると思う。それをせき止めろ。エントランスに大量の銃火器がおいてある。これがキーだ」

「分かった」

「ラーキ、行こう!」


 二手に分かれ、僕らはブラッドハウンズの襲撃に備える。


 僕とニーナは、階段から落ちていくように降りていく。


「ねぇ、ラーキ」

「なにさ」

「愛してるよ」

「いきなりどうしたの?」


 僕は怪訝な顔になる。こんなところでそんなことを言えば、ただの死亡フラグというヤツだからだ。


「貴方、なんか変わっちゃったみたいに感じてさ。でも、私は貴方を愛してる。それだけは変わらない」

「……、そう」


 そこまで言われたら、ますます死なせるわけにはいかない。僕はデバイスの電源をつけ、


「よし、アイツらのほうが先にたどり着くはずだ。ここはエネルギー操作で行こう」

「うん!」


 僕はエネルギーを手に溜め、それを地面に向けて撃つ。

 ガコンッ!! と足場が崩壊する中、僕はニーナの手を掴む。


「信じて!!」


 言葉なんてそれだけで良い。僕を信じてくれれば、必ずこの女ザコに対する主人公になれる。

 エネルギーを操作し、空を舞いながら僕らは1階へたどり着く。

 そこには、警備員の死体が転がっていた。ただし、かろうじて武器庫は守られていた。


「……ニーナ、僕らも役目を果たそう」

「うん……」


 ドアの向こう側には、数え切れないほどのワンボックスカー。そこから現れるのは、赤いパーカーを着た男女の不良どもである。


「おらァ!! はよぉ開けろォ!!」


 構成員たちがドアを叩く。防弾ガラスになっている上に、シャッターを下ろすこともできそうだが……屋上からも兵隊が集まっている以上、ここを開けておかないと逃げられない可能性もある。


「開けろ、だとさ。ニーナ」

「そうしよっか」


 僕らは銃火器を持ち、自動ドアを解錠する。

 そして、

 10歳児でも撃てるというロケット・ランチャーを、車に向けて放った。

 音が遅れてやってくる。

 ガコンッ!! と。


「まだまだプレゼントはあるぞ?」


 ザコしか配置していなかったのか、彼らは雁首そろえて固まった。なにが起きたか分かっていない、あるいは分かっていないふりをしているようだ。


「だね、お客さんには相応の贈り物をしなきゃ」


 ニーナは柔和な笑みを浮かべ、ウィンクする。今度は彼女の番だ。

 再び放たれたロケット・ランチャーの弾丸が、今度はヒトの群れをなぎ倒した。


「さぁーて、ウィンク・シティと地獄は直結していることを思い出してもらおう」


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