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サイバーパンク2023-そのTSモブ兼女ザコは反射とエネルギー操作を操る-  作者: 東山ルイ
チャプター2 プルス・ウルトラ、さらなる高みへ

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EP27 これから天才になる君たちへ

「ともあれ、おれたちが生き残る術はひとつだけ。ブラッドハウンズを倒し、核を無力化させることだ」


 すなわち、合衆国の平和はこの無法者集団に託されているのである。世も末だし、ここがゲーム世界だという仮説はほとんど崩壊している。僕らは今、現実という悪夢と闘う羽目になった。


「うぃー……」


 そんな緊迫感あふれる場面に、マルガレーテが現れた。顔は赤く、すでに酔っ払っているように見える。彼女はそのまま、なぜか僕の膝の上に寝そべってきた。


「カルエから訊いたかぁ? ノーベル平和賞受賞計画をぉ」

「うん」

「そうかぁ」


 マルガレーテは寝転がったまま、上着を脱ぎ始めた。ますますなにがしたいか分からない。


「なにしているのさ」

「人間に服は必要ねぇだろぉ? あたしは生まれたときの姿に戻るだけだぁ──」

「ルキア」

「うん」


 カルエは近くでスマホを弄くっていたルキアより、スタンガンを受け取った。

 そして、彼はマルガレーテの胸元にそれをぶつけた。

 ビリビリ、と電流が流れ、マルガレーテは静かになるのだった。


「酒癖が悪いんだ、コイツ。しかも酒が強くない」

「一番面倒なヤツだね」どこか緊張の糸が途切れる。「まぁ、あと1ヶ月あるんでしょ? それにある程度調べもついているはずだし、なんとかなるかな」

「楽観主義は良いことだな。どんなときにも、気楽さを見つけられる」

「まぁね」

「さて、ジーターは帰ってきたか?」

「とうの昔に帰ってきてるよ、カルエ。なんなら、ギアも装着させたらしい」


 ルキアはドアで仕切られた部屋を指差す。どうやらその部屋にいるようだ。


「なんのギア? ランクB相当だろ」

「アーキーって子が〝マリオネット〟で、ニーナは〝ドック・ヒーラー〟だってさ」

「まぁ、それくらいが限界だろう。髪色変わった?」

「見てみれば?」

「そうするよ。ラーキ、オマエも来い」

「うん」

「なら、うちも行くよ」


 そうして、僕とリミ、カルエとルキアは小部屋へ向かっていく。

 そこへは、鏡を見て目から光をなくす女たちがいた。


「なんで、あたしはこんな派手なんだ? 青と黄のツートンカラーって……、ガキじゃあるめぇし」

「ピンク髪……? これは悪い夢です。これは悪い夢以外の何物でもない」


 アーキーは青が主体の黄色とのツートンカラーヘアになっていた。

 ニーナは、アニメキャラかよと言いたくなるようなピンク髪だった。


「似合っているね」

「だね」


 僕とリミは髪色が変わっていない。しかも僕に関しては外部デバイスを使っているので、まず金髪から変わることはないだろう。


「どこが似合ってるんだよ!? リミ!!」

「似合ってるよ、アーキー」完全な棒読みだ。

「ラーキ……、美容院行ってきて良い?」

「駄目。また金髪にするつもりでしょ?」


 こんな具合で、珍妙な髪色に変わった女ザコたちは嘆き悲しむ。まぁ確かに、青と黄色のツートンカラーだったりピンク髪だったりは嫌だな。

 でも、そんなことより大切なことがある。


「ニーナ、アーキー。能力使えるようになった?」


 そう、ギアと身体改造を用いた能力だ。髪色なんてそんなに嫌なら染めれば良いだけだが、ギアで得られるものは確認しておかないとならない。


「分かんねぇよ……」

「私も同じ。そもそも、ドック・ヒーラーってなに?」


 僕はカルエに目をやる。


「よっしゃ、模擬戦室行くぞ。そこで試そう」


 なお、大まかに言ってしまえば、ニーナは回復能力でアーキーは糸使いといったところだ。

 といっても、当人たちの前でネタバレしても面白くない。僕はあえて黙ってみる。

 そうしてこうして、エレベーターを使って下の階へ降りていく頃、


「ん? ジーターか」


 カルエの携帯が鳴った。


「なんだ? ……あァ!? ブラッドハウンズがこのヤサを割った!?」


な、なんと、アクションランキング週間第一位!! 嬉しい!!


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