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サイバーパンク2023-そのTSモブ兼女ザコは反射とエネルギー操作を操る-  作者: 東山ルイ
チャプター2 プルス・ウルトラ、さらなる高みへ

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EP25 判定勝ち

「──!?」


 マルガレーテは驚愕し、目を見開いた。

 しかし、同時に彼女は猛り笑う。

 炎の槍がマルガレーテに直撃しかけた頃、彼女は身体改造のブースターを使って僕の背後に回り込む。


「おい、マル!! トレーニングルームが壊れちまうだろうが!!」


 カルエの言葉どおり、この白い部屋は真っ黒焦げになっていた。一応槍自体は溶かされたようだが、それでもこの部屋は当分使えないだろう。

 そんなカルエの言葉を無視し、マルガレーテは僕の身体に蹴りをくわえようとした。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()使()()()()()()()()()()()()のが、この能力のピーキーさの所以(ゆえん)だ。

 なので、僕は再びエネルギーのバリアを張る。

 されど、超強力なエネルギーを集めたバリアを蹴っても、彼女の改造された脚が壊れた様子はない。


「さすがだね……!!」

「当たり前だろう!! あたしぁ、この街の頂点に立つ女だ!!」


 このままではエネルギーバリアすら破られる可能性もある。ここは、新たな可動領域を試すときだ。

 僕の全身を包むバリアが消えた。マルガレーテは勝ちを確信したか、手を伸ばして僕のデバイスを奪い取ろうとしたが、

 その刹那、僕は空へと飛び立っていた。黒い炭が広がる天井より、僕は手のひらに風を溜め始める。


「おいおい!! 隙だらけだぞ!?」


 マルガレーテは、僕がなにをしかけているか分かっているようだった。なら、余計に都合が良い。

 瞬間、僕は風を溜めていたはずの手をはらう。

 なにをしたか分かっていないマルガレーテに向け、僕は勝利宣言でもするかのごとく、


「マルガレーテさん、アンタは確かに強い。けど、まだまだ人間の域を超えられていない」

「あぁ!? ──なにッ!?」


 僕は、はらった小さな風の塊から、触手のようなものを繰り出す。

 それはマルガレーテの腹部に突き刺さり、

 彼女からエネルギーを奪い始めた。


「クソッ!! てめぇ、あたしのエネルギーを抜くつもりか!?」

「そうだ。解きたきゃ解けよ」淡々とした態度だ。

「クソがぁ!!」


 そんな中、

 カルエ・キャベンディッシュがその黒い触手みたいなものを切った。

 そして、彼は宣言する。


「ラーキ、オマエの判定勝ちだ。それ以上能力を使えば、オマエはサイコ・キラーになる。ただ、マルも今の攻撃を解くすべはない。あんなに炎の槍撃っちまったからな。だろ?」


 なんとか僕は勝ったようだ。地面へ降り、デバイスの電源を切る。


「ラーキ……、すごいね」


 クタクタになって地面へ倒れるように座る僕のもとへ、リミがやってきた。


「あのマルガレーテさんに勝つなんて。正味、ここでうちらもおしまいだと思ってたけど……ホントに良かった」

「なに言っているのさ。まだ始まったばかりだよ」


 一方、カルエはマルガレーテを抑え込んでいた。


「やめとけよ! オマエ、サイコ・キラーになりてェのか!?」

「あたしは負けることが大嫌いなんだよ!! オマエだって知ってるだろうが!!」

「ああ知ってるよ! それでも、今の喧嘩はオマエの負けだ! オマエは盟友の言うことを信じねェのか!?」


 僕はリミと顔を合わせ合って、


「これ、どっちが勝ったか分かんないね」


 と、疲弊気味に言う。


「ね」


 なにはともあれ、これで僕が重大な戦力であることは認められただろう。これから先のことを考えれば、カルエやマルガレーテがバックにいてくれるのは、とてもありがたい。


 *


 僕は、リミの肩を借りながら屋上まで戻ってきた。かなりの疲れとめまいが、僕の自律神経を食い荒らしているようだ。


「クソッ、あくまでも判定負けだからな?」

「ああ、分かったよ。だから落ち着け、マル」


 未だ疲れ知らずの化け物が近くにいるが、もう関わらないでおこう。


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