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サイバーパンク2023-そのTSモブ兼女ザコは反射とエネルギー操作を操る-  作者: 東山ルイ
チャプター2 プルス・ウルトラ、さらなる高みへ

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EP20 窮鼠はネコも噛む

 カルエの狙いは別にある。それが僕の結論だが、同時に狙いが分からない。彼は確か、ブラッドハウンズと同盟していたはずだ。それなのに、連中を襲えば同盟どころの話ではなくなってしまう。


「ともかく、家に戻ろう。深層で警察無線が動いているか見て」

「動いてねぇな。アイツら横着し過ぎだろ」

「こちらとしては助かるね……。さて、骨折をどうやって治すか」


 ふと思う。

 僕の能力はエネルギー操作。エネルギーと名のつくものなら、なんでも操作できるわけだ。命のエネルギーを操れば、骨折くらい治せるかもしれない。

 というわけで、僕は骨伝導イヤホンみたいなデバイスの電源をつける。

 さらに、右手で骨折しているであろう場所へ触れる。

 そして、その推論が正しいことを知る。


「リミ、どこか痛いところある?」

「ラーキのほうが痛いでしょ……?」

「もう治った」

「え?」

「エネルギー操作を侮っちゃいけないよ。この能力は、やりたいことなんでもできるんだから」

「そ、そう」リミは腕が骨折しているようだったので、僕はそこに触れる。「あ、治った。全然痛くない」

「でしょ?」


 そんな会話を聞いていたニーナとアーキーは、首を傾げる。僕も同じ立場なら同様の動作をしていただろうから、なにも言わない。

 そんな最中、

 僕のスマホに電話がかかってきた。非通知だ。


「誰?」

「知らないけど、目星はつく」

「というと?」

「リミ、開けてからのお楽しみだよ」


 僕は電話に出た。


『よう。名前は?』

「ヒトに名前を尋ねるなら、自分から名乗りなよ」

『おお、悪かったな。おれァカルエ・キャベンディッシュだ』


 なお、スピーカーフォンにしているので、この会話は他の3人にも聴こえている。

 3人は、雁首揃えるかのように、顔を強張らせた。

 ただ、僕はこの3人の女ザコの反応を気にするつもりもない。


「なら名乗る。ラーキだ」

『ラーキ、余計な社交辞令はなしだ。おれと手ェ組まねェか?』

「なんで?」

『ブラッドハウンズをぶっ潰してェからだよ』

「なるほど。なにか揉め事でも?」

『それをオマエへ話す必要、あるか?』

「ないね」

『なら話さん。いちいち話していられるほど、時間に余裕があるわけじゃないんでね』

「で? 具体的にどんな方法でブラッドハウンズを潰すの?」

『ああ。虱潰しにやっていくしかないかね。だが、オマエも大した実力者だろ? それに、人手は多いほうが良い。もちろん、こちらへもかなりの戦力がある』

「実力者」

『そして、オマエらはなぜか知らんが、ブラッドハウンズを裏切ったんだろ?』

「まぁね」


 僕らはブラッドハウンズを裏切った。そこから、この物語が始まっている。カルエがどこからその情報を得たか……多分レイ・ウォーカーだろう。彼は口上通り、『カネを払えば、乞食から大統領まで相手してやる』男なのだから。


『今のブラッドハウンズを潰せば、オマエらは安心して買い物に行ける。それに、奪う撮ったヤツらの縄張りを分けてやっても良い。おれたちって、同盟者には誠実的だからな』

「美味しい話だね。ところで、さっき闘っていたマイキーとかいうヤツは?」

『ああ、アイツか』


 カルエは通話をカメラモードに切り替えた。

 そこには、明らかに拷問にかけられているマイキーがいた。ドリルで腕はえぐられ、足には釘が刺されている。なかなかグロイ。


『悪いけど、今お仕置き中だ。なにか聞きたいことでもあるか?』

「いや、ないよ」

『で、おれとの同盟はどうするよ?』


 僕は不敵な笑みを浮かべ、3人の女ザコがうろたえる中、


「受けるよ。僕らは最底辺の無法者、ネズミも同然だ。でも、その気になれば猫も噛めるさ」


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