表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サイバーパンク2023-そのTSモブ兼女ザコは反射とエネルギー操作を操る-  作者: 東山ルイ
チャプター2 プルス・ウルトラ、さらなる高みへ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/53

EP12 女ザコ、仮想現実の中へ

「クソッ……あたしにこの街から出ていけ、と?」

「ああ、そういうことだ。裏社会から足洗って、カタギとして暮らせ。さもないと……」


 僕は照準を彼女の頭に向ける。


「ここで人生が終わる、なんてそんな都合良く訪れない、と思っていただろう? だけど、今まさにそれが接近しているんだ」


 どのみち、殺して奪うか受け渡されるかだ。結果は変わらない。


「……、分かったよ。ただ、覚えておけよ。あたしは身体改造もしてあるんだぞ」

「ああ、よく覚えておくよ」


 僕は彼女よりギアを受け取った。SDカードほどの大きさで、これを改造した身体に埋め込むことで能力が発現する。


「よし、行こうか。と、その前に」


 当然、隠れ家を見られたら厄介だ。僕はハンドガンのストックで彼女の頭を殴り、気絶させる。


「さあ、憂いも断った。行こう」

「ね、ねぇ。ラーキ。どうやって私らに能力を開発するの?」ニーナが怪訝そうな顔で尋ねてきた。「だいたい、身体改造しないとギアも埋め込めないんでしょ? そりゃ片手改造するくらいなら正気度も下がらないだろうけど、ギアでサイコ・キラーになったら元も子もないよね?」


 僕はタワーマンションを指差す。


「まず、ヤサへ行こう。きょうはもうお休みの時間だ。だいぶ疲れた」

「え、あ、うん」


 *


 僕とニーナはタワーマンションの3階へたどり着き、部屋へ入った。

 4人で暮らすにしては広すぎる、という感想が浮かんでくるような部屋だった。どうも、レイ・ウォーカーからすると、あのフロンティアの幹部はよほど邪魔だったらしい。


「はーっ」


 無駄に大きいテレビの前にあるソファーにもたれ、僕は一息つく。


「やぁ、アーキーにリミ」


 あたふたと落ち着かず、そこらを歩き回っている女ザコたちに話しかけてみる。


「というか、アーキーいつの間にかここへ来ていたんだ」

「そりゃ、あんな鉄火場みてぇなところいたら死んじまうからな……」

「傷、治った?」


 僕はアーキーに発砲している。一応気を使ってみた。


「あ、ああ。この包帯巻いたら一瞬で治った」

「そりゃ良かった。んじゃ、皆さんにギアを伝授する方法を教えましょうか」

「あ?」これがアーキー。

「は?」これはリミ。

「え、え?」こちらはニーナ。

「AI、知っているよね? ウィング・シティはAIによる〝仮想現実〟の構築を売りに、市の財政を建て直そうとしている。VR器具があれば、スマホひとつでその世界へ入り込めるのさ」


 僕は氷の入ったコップにウィスキーを入れ、それをカラカラ揺らす。

 VR世界。夢のような話だが、実際僕も夢の中にいると少し思っているので関係ない。

 それはそうと、このウィング・シティには器具さえあれば拡張世界へと入ることができる。そこで模擬的な戦闘だったり銃撃戦だったりをして、特訓できるというわけである。

 では、この〝仮想現実〟を更に有効活用する方法はないか、という問いだ。


「そ、そりゃ知ってるけど、それがなんになるのさ」

「ニーナ、考えたことはない? 〝仮想現実〟の世界で正気度を上げてしまえば良いって」

「……!!」驚きの表情をあらわにする。

「そう。どうせ仮想の世界で、時間軸も自由に制御できる。こちらでは1時間でも、あっちじゃ30時間って設定もできるでしょ。正気度が上がれば、身体改造もギアも使いやすくなる。どう? 私の言ったこと、間違っているかい?」


 闇装置を埋め込ませるのも考えたが、現状それが手に入る街はブラッドハウンズのシマだ。なら、おもちゃのようにしまわれているVR装置を使って、拡張世界で精神力を鍛えてもらえば良い。


「というわけで、そこにあるVR装置使って正気度を上げて。上げ方は……そうだな。あっちの世界じゃ好きなギアを装着できるから、スライムを100匹でも1000匹でも潰して、身体をなれさせることだね。それで正気度を上げれば良い」


行けるかな? 1000PV

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ