表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虫なんて食べません!〜異世界メシマズ昆虫食村顛末記〜  作者: 地野千塩


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/42

番外編短編・祝福

 萩野涼子は、大学卒業後、紆余曲折があり、オムライス専門店をオープンさせ、ようやく起動に乗ったところだった。


 原材料費の高騰など大変な事も多いが、店の看板メニュー・高級トリュフオムライスは、本当に舌が溶けるほどの美味しさだ。


 そんなある日、仕事が終わり、一人暮らしのアパートに帰ると、昆虫食メーカーが破産したというニュースがやっていた。


「ま、まじで?」


 昆虫食というと、涼子にとっては良い思い出はないのが……。


 とはいえ、口元が緩む。日本人の味覚は正常だった事も分かり、ますますオムライスに心血を注ぎたいと思った瞬間。


 恋人の稲村から電話がかかってきた。稲村は天才ゲームってクリエイターだったが、色々あって病気にもなり、スランプだった。


 今は健康になり、ゲームは第一線を退き、今は「ムキムキ⭐︎筋トレコーチ!」としう肩書で大活躍中だ。最近は「筋肉は全てを解決する」という本も出版し、お互い忙しく、なかなか会えなかったが。


「そういえば昆虫食の会社が潰れたんだね」


 なぜか稲村も嬉しそう。


「だねぇ。やっぱり虫なんか流行んないよ」

「うん、虫なんて絶対食べたくないわ。あ、明日、涼子の店行っていい?」

「いいけど? 予約しなくても大丈夫だよ」

「いいから、いいから」


 この時の涼子はまだ知らない。明日、稲村が花束と婚約指輪を持ってくる事は。


「そっか。楽しみにしてるよ」


 明日が祝福の日になる事は、涼子は何一つ気づいていなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ