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月夜譚 【No.201~No.300】

最後の試練 【月夜譚No.235】

作者: 夏月七葉

 パソコンの画面をいくら見つめても、何も変わらない。けれど思考が働かず、ただ見つめることだけに徹して瞬きを忘れ、目の乾きを自覚して初めて我に返った。

 彼は頭を抱え、パソコンの前に突っ伏す。このままでは無為に時間が過ぎるだけで、何の解決にもならない。

 少しだけ顔を上げてカレンダーを見ると、〝〆切〟の二文字は変わらずそこにある。

 全く終わっていない、というわけでは決してないということだけは、彼の為に言っておこう。少なくとも、数ページはできている。……が、先はまだ長い。

 まだ時間はあるとのんびり構えていた彼の自業自得ではあるが、これが提出できなければ、卒業は絶望的である。コツコツと積み上げてきた単位も水の泡、入学費及び授業料を払ってくれた親にも顔向けできない。

 彼は重い腕を持ち上げ、どうにかこうにか脳の働きを上げることに集中する。

 卒業論文の〆切まで、残り数週間。この試練を乗り越えられるかどうかは、彼の集中力にかかっていた。

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