18.前世の幸せからの急降下(ウルフ視点)
性描写と血なまぐさい描写が少しあります(自己判定でR15範囲内)。苦手な方は******と******の間だけ飛ばしてお読みください。
俺の目の前には、赤毛で緑色の瞳の女性が深緑色のドレスとルビーのネックレスとイヤリングで着飾って立っている。俺は愛しい女性の麗しい姿を見て感激する。
「ああ!アンネ!なんて綺麗なんだ!」
俺は彼女に抱き着いてキスの雨を降り注いだ。
「ルドルフ様…ありがとうございます。こんなに素敵なドレスとアクセサリーを身に着けられて身に余る光栄です。でも分不相応で…恐縮してしまいます」
(…俺は『ルドルフ』?!『アンネ』は…『愛しい女性』?!)
「何言ってるの!君は僕の恋人だよ。このぐらいのドレスとアクセサリーを身に着ける権利はあるよ!」
「そんなわけ…私は公爵家のただの侍女です。ルドルフ様の恋人だなんて恐れ多くて…ゾフィー様に申し訳ありません」
「ゾフィーは…今は婚約者だけど、僕には妹のようにしか思えない。愛しているのは君だけだ!」
「でもゾフィー様がルドルフ様のお子様を身ごもっている以上……」
「あれはっ…!騙されたんだ!媚薬を盛られたんだ!信じてくれ!」
(ええっ?!子供?!媚薬盛られた?!)
そこで目の前が暗転した。
******
僕は寝台の上でさっきの女性と裸で抱き合っている。
(ええっ?!は、裸っ?!)
「うれしいよ、君と一つになれて。アンネ、愛してるよ」
「私もです」
すごく気持ちいい!でもそれだけじゃない。媚薬で性欲を強制的に増幅させられて身体を繋げた性交と愛のある性交は全く違う…
(…ってなんで?!俺はまだど、どう…て…)
夢の中の俺は彼女の中で達した後、また身体を繋げたくなった。それを何度も繰り返すうちに2人とも寝入ってしまった。
しばらくして目が覚めると愛しい女性の寝顔が見える。こんな幸せはこれっきりだと思うと胸が張り裂けそうだった。永遠に2人一緒にいるためには……
俺は寝台からそっと降りて脱ぎ散らかしたトラウザーズのポケットから小瓶を取り出して水差しにその中身を入れる。
俺は、目を覚ましたアンネがその水を飲むのを止めない。アンネは血と胃の中身を吐き、絶望した表情で俺を見る。
「がはっ!・・・ぐほっ!・・・ど、どう・・・がはっ、ぐふっ・・・しっ・・・て・・・?」
「僕は君以外と結婚しない。だから一緒に逝こう。来世で一緒になれるよ」
俺もその水を飲んで血を吐いた。喉が焼け付くように痛い。
そこで俺の意識は途切れた――
******
(うわぁぁぁぁぁぁぁ!)
俺は叫ぼうとしたが、口が何かカップ状のものに覆われていて声を出せなかった。
(あれは何だったんだ?!『ルドルフ』と『アンネ』は俺とアニカに雰囲気が似ていたな…髪の色も瞳の色も同じだった…じゃあ俺が『ルドルフ』なら、『アンネ』はアニカなのか?!あの服装は今のじゃない…ということは前世?!)
一生懸命考えようとしたけど、それ以上何も思い出せなくて頭が痛くなった。考えるのを止めると現実が襲ってきた。
頭どころか、右腕と右足も痛いし、動かせない!!ギブスで固定されている!動かせそうな左腕には点滴の針が刺さっている。それに髪の毛が汗でべったり額についてパジャマも背中に貼り付いていて気持ち悪い。
それに…ここは孤児院の自分達の部屋じゃない。病院だ。
そうだった…車にはねられたんだった…
看護師がやって来たのが見えたのを最後にまた俺の意識は沈んだ。
最近行き当たりばったりで書いていたので、辻褄が合わなくなってしまいました。
15.捕まらないよ!(アニカ視点)はいったん引き上げさせていただきます。混乱させてすみません。小説家になろうでは非公開設定や話の順序変更もできないので該当話を削除するしかありません。せっかくいいねをいただいたのに申し訳ありません。(2023/6/28)
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ブックマーク、いいね、評価もありがとうございます。
完結まで後少しお付き合いください。




