表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

70/90

聖女ティニー

『女神の雫』が手に入った事で、早速世界樹へと向かう。


正室フィアスの魔王化についてはセバスに探って貰う事にした。

昔の伝手を頼ると言ってたから、ある程度の情報は入るだろう。


その間に色々と準備を進める。

まずはティニーを聖女にする事だ。


「あら〜。来たわね〜。こっちの準備も出来てるわよ〜。」


リュミドラの案内に従って移動すると、世界樹の中にある泉に着いた。

世界樹の葉から採れる朝露を集めた泉で、勇者や聖女の修行の場だ。


(ゲームでもあったな…。精神統一して自分と向き合う場所だとか…。確か、薄い羽衣はごろもをまとって……。)


そう考えた所で停止する。

少し先にティニーの姿が見えたからだ。


「……。」


声をかけられずに止まってしまう。

薄い羽衣をつけて水の中に居るから、全て見えてしまっている。

小さい頃は一緒に風呂に入った事もあったが、大きくなってから見るのは初めてだ。


(……成長したな。)


ふとそんな事を思ってしまった。

男なら仕方無い事だろう。


「…楽しんでくれたみたいね〜。二人とも、ディノスが来たわよ〜。」


リュミドラの言葉を聞いて、ティニーと母上が目を開ける。

母上も一緒に居たが、流石にそちらは見ないようにしておいた。


「ディノ…。……きゃあ!!……ディノス!?目を瞑りなさい!」

「ディー!。っきゃ。ティニーちゃん!?」


ティニーが母上に抱きついた所で目を閉じた。

…後姿も危険だったと言っておこう。



「もう!ちゃんと言ってくれれば見せてあげるのに!マイハ様の裸まで見て!」


「大丈夫よー。ちゃんとティニーちゃんに釘付けだったから。」


目を閉じてる間に二人は泉から上がったようだ。

魔法で服も乾燥させている。


「ディノス、良いわよ。…この格好は修行中の正装なの。だから絶対マイハ様を見ちゃダメよ!?」


「そんなー。ティニーちゃんばっかりズルいわよー。」


ティニーを見ると、確かに中々扇情的な格好だ。

大人しく従っておこう。


「リュミドラ。『女神の雫』を持ってきたぞ。」


「確かに、『女神の雫』ね。これだけあれば十分足りるわよ〜。二人の準備も終わっているから、後は雫を使うだけね。」


リュミドラに雫を渡す。

どうやらすぐに使えるようだ。


「二人は泉の中央まで歩いてきて〜。水面歩行ウォークをかけたから水の上を歩けるわよ〜。」


「「はい。」」


二人が手を繋いで中央に歩いて行く。


(あれは…。中央に、水の祭壇?)


いつの間にか祈りを捧げる祭壇が出来上がっている。

周囲の水よりも濃い青色をしてあり、細部まではっきり見える。


二人が連なって膝立ちになり、祈りを捧げる。


(これは…いつか見た光だな。今度は神の存在も感じられる。)


公都の教会で、母上が祈りを捧げた時に見た光景だ。

今もこの空間の天井から光が降り注いでいる。


(力を測るのは…流石に不敬過ぎるか。ティニーや母上が祈りを捧げる神だ。私も素直に祈ろう。)


強大な力を持ちながらも暖かい存在だ。

大人しくしておこう。


ティニーが『女神の雫』を飲むと、光がティニーに収束していく。

やがて全ての光がティニー中に吸い込まれ、儀式は終了した。


「お疲れ様〜。これでティニーちゃんは正式な聖女よ〜。」


リュミドラの言う通り、ティニーからは暖かい光が感じられる。

これが聖女の力なんだろう。


「本当!?…ですか!?」


「うんうん。おめでとう〜。」


「…やっっっっっっっったああああーーー!!!!」


ティニーが飛び上がって喜ぶ。


(あ…。そんな高く飛んだら…。)


「「きゃあ!!」」


ティニーの着地と同時に、祭壇が傾いて二人が水の中に落ちる。

水面歩行ウォークでも耐えられない衝撃だったんだろう。


「アハハハ!!マイハ様、ごめんなさい!」

「アハハ!ティニーちゃん!おめでとう!」


二人仲良くはしゃいでいるし、問題無いだろう。



「ティニー、おめでとう。」


「ディノス!ありがとう!!」


ティニーが戻って来た時に声をかけると、思いっきり抱きつかれた。

私も水に濡れてしまったが、同時に喜びも伝わってきた。


リサ達も自分の事のように祝ってくれている。


「ディ。ティニーちゃんを故郷に連れていってあげたらどう?折角だし、大司教様とも会ってくると良いわ。」


母上が私とティニーを見て言ってくる。

…微妙にティニーに意味ありげな目線を送っているが、何かあるんだろうか。


「そうですね。私もずっと挨拶出来ていませんし、行ってきますね。」


「そ、そうね!お爺様や国に報告しないとね!ね!?」


リサ達も深く頷いているし、大丈夫そうだな。

私は白都に転移出来ないが、ティニーが転移石を使って移動する。

一度行けば今後は私の魔法で簡単に行けるようになる。


皆に見送られて、白都へと移動した。



「おおーー。凄いな。城じゃ無くて大聖堂が街の中心部か。真っ白な壁に色とりどりのステンドガラスが光って、見てるだけで飽きないな。」


「そうでしょ!?ここがワタシの故郷よ!王都よりは小さいけど、美しさなら負けないわ!」


聖堂だけじゃ無く、周囲の建物の壁も白い。

流石は白都と呼ばれる都だ。


(ゲームでは廃墟だったからな…。骸骨の軍勢が居たから白くはあったが…。)


この美しさとは比べものにならない。


「入って入って!人に見つからないで入れる道知ってるから!」


ティニーに案内されて大聖堂に入るが、何故黙って入るんだろうか…。

大司教の手紙にあった通り、聖国ではかなりお転婆なようだ。


「お爺様!帰ったわ!今日はディノスも一緒よ!!」


「ティニー!?いつも言ってるだろう!ノックをしなさい!……失礼。その方が、婿ディノス殿か。」


「そうなの!それでマイハ様も完全復帰して、聖女の力を頂いたわ!今日からワタシが聖女なの!!」


「……今、なんと?」


「ワタシは聖女よ!それも、ちゃんと神様に認められたわ!!『ディノスを支えなさい。』ってちゃんと頼まれたんだから!!」


「なんと!!それはめでたい!!すぐに聖国中に広げなければ!!!異界門の話が知らされてからと言うもの、国中が沈んでいたのじゃ!!」


大司教が興奮して席を立つ。

もはや私の事は忘れていそうだ。


「大司教様、もし宜しければ城壁の作成も致します。王国や皇国での実績も有ります。少々地力(ちりょく)を使いますが、それ以上の効果は期待出来るかと。」


「ディノスは王国で噂になってる『神の使い』なのよ!!皇国でも噂が広がってるらしいわ!!」


私の言葉をティニーが補足してくれる。


「王国の情報は知っておったが、まさか皇国のもそうじゃったとは…。本当に有り難い!是非お願いする!!」


異界門の情報を知った後、『神の使い』がいつ現れて良いように防衛計画を練っていたらしい。

後で資料を渡すと言われた。


「あの調子だとパレードね!!皆が居ないのは残念だけど、婚約パレードは二人っきりでやりましょう!?」


「…ああ。そうだな。」


パレードなんてがらじゃ無いが、ティニーがこんなに喜んでいるんだ。

今までずっと故郷から離れていたんだし、大司教様に協力して盛大なものにして見せよう。

誤字脱字報告ありがとうございます。


もし面白ければブックマークや、

↓にある☆☆☆☆☆から、作品の評価をお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ