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管理人 シャロン Ⅰ

「代行権限、心肺停止」


 直後、俺の心肺機能が完全に停止する。心臓の鼓動は鎮まり、血流は止められ、酸素供給が不可能と化した。顔を俯け、胸元に手をやってその事実を認識した俺は──


(……成る程、ソルフィアの時と違い幻術の類ではないか。本当に、心臓が止まっている)


 周囲に悟られぬよう、状況把握に努めていた。そしてこの現象が現実であることを確信し、自然と目が細まっていく。


(危機的といえば危機的だが……しかし、そうか。ここで俺を心肺停止に追い込んで詰問しようとしている以上、月の連中の大半は心臓と肺が止まれば苦痛を覚え、活動に支障が出るということか。月の住人といっても、宇宙空間でも平然と活動できるという訳ではないかもしれんということか。──なんだ。【人類最強】や【熾天】よりも楽勝そうじゃないか)


 落ち着け、と自分に言い聞かせながら思考を巡らせる。即死攻撃の類ではないことが分かったからこそ、あえてシャロンの行動を止めずにアレを受けたんだろうが。威力偵察や管理人が有する特異性の把握、その他諸々を達成するために。


 覚悟を決めて受け入れたことに対して、今更ビビってどうする。


(【人類最強】は内臓を噴火で灼かれても耐え切った。ならば(ジル)も、この程度は余裕だろうが)


 この程度の事態を乗り越えられずして、邪神や神々による死亡フラグの踏破なんぞできるものか。絶対にパニックになんてなるな。あらゆる負の感情を抑え込み、冷静かつ迅速に対処しろ。

 

(言葉をトリガーにして心肺停止を引き起こすとは中々に凶悪な能力だ。言葉を現実に反映する類の能力……いや、違うな。"代行権限"と言っていた以上、何かしらの上限や制限、条件はあるはずだ。そもそも全てを思うがままに操れるのなら、俺の行動そのものを操れば良い)


 確かに、心肺停止状態なんてものを放置していれば、いずれ死ぬのは間違いない。非常に残念なことに、俺は心臓や脳を破壊された状態でも活動可能な【魔王の眷属】の連中ほど、根本的な部分から人間を辞めている訳ではないのだから。


 しかし心肺停止状態は、それが起きた瞬間に死ぬ類のものではないのも事実。ただ単純に、生命活動に制限時間が課せられるだけだ。ならば俺は、その制限時間内にこの問題を解決してしまえば()い。


(自力で心臓を動かす……のは無理か)


 心臓が動かずとも、そこ以外は別だ。

 例えば、アスリートは肉離れを起こした状態でも、そこ以外の筋肉を総動員させることである程度のパフォーマンスを可能とする。それと同様のことをすべく、肉体全てを用いて無理矢理にでも心臓を動かそうとしたのだが……それは叶わなかった。


(……奇妙な感覚だ。まるで、心臓を動かすという事象そのものが存在しない……許されていないかのような感覚に陥る。仮に【天の術式】──永久美御体を解禁したとて、心臓の状態を元に戻すのは不可能かもな)


 自力で心臓を動かすこと自体は、計算上可能だったはず。にも拘らずそれができなかったということは、なんらかの要因によって心臓を動かすという事象そのものを阻害されている可能性が高い。これ以上この方針で対処しようとしても、時間の無駄でしかないだろう。


(ならば心肺の役割を別のもので補うとするか。心臓を止められた結果として血流が止まったのであって、血流そのものを止められた訳ではないのだから。そこさえ解決すれば対症療法としては問題ない)


 そう結論づけた俺は血流の確保を実行しつつ──……そもそも、代行権限とは"誰の"代行権限だ? という至極当然な疑問への考察を始めた。


(だがこれに関しては、そこまで深掘りする必要はない。おそらく、マーニの代行権限だ)


 マーニが持つ権限を代行して扱える。成る程、一都市の管理人という立場を有する存在に相応しい能力であり──代行権限は、所詮は代行権限でしかないのだろうという推論を立てることもできる。マーニの許可なくして、不条理を敷けるような能力ではないはずだ。ならば。


(ゾーイの【贈物(ギフト)】を見たおかげで、マーニの力の性質の一端は掴めている。アレを参考に、俺の体内を巡る【神の力】からマーニの力だけを抽出すれば──代行権限の誤作動を引き起こせるかもしれん)


 チラリ、と俺は視線だけ前方へと移した。髪で隠れているおかげで、向こう側から俺の視線の動きは見えていないだろう。

 視線の先ではゾーイがシャロンの胸ぐらを掴んでおり、一方のシャロンはそれを意にも介さず、氷のような視線で俺を射抜き続けていた。次いで、底冷えするかのような声が、俺の耳朶を打つ。


「今すぐ真実を吐けえ。そしたら心臓を動かすことを許したるわ」


 ふん。真実を語れば許してやる、か。


(シャロン……お前の行動は正しい。俺個人としては、お前に文句を挟むつもりがないくらいにはな。だが──)


 シャロンから心肺停止させられた行為そのものに対して、俺個人としては実のところ、あまり憤りの類を抱いていない。管理人という立場からしてみれば、不審人物に対して何かしらの制限や罰則を設けるのは当然のことだという認識と理解があるからだ。


(まあ、遺跡の女と同じ組織と考えればイラっとするがな。勝手に拉致って勝手に不審者扱いして勝手に心肺停止とか理不尽すぎる)


 加えて、シャロンが俺を本気で排除するつもりがないことも分かった。本気で排除するつもりならば、有無を言わさず即死させれば良かったのだから。また、マーニに報告していない──もしくは、マーニに全てを一任されているとしか思えないような立ち回りをしている辺り、本気で俺の正体を探る気がシャロン自身にあるのかどうかすら怪しい。


(代行権限を使用した際に抱いた感覚……おそらく、代行権限は【贈物(ギフト)】とは別の能力。つまり、シャロンは二つの能力を備えている可能性が高い。文句を挟む余地もなく、強いな)


 ……とはいえ、だ。

 

 貴様如きがジルを見下す許可を与えた覚えはないぞ──下郎。


 §


「──悪くない。それなりの精度で、【神の力】の操作を可能としているようで何よりだ。神々の力が完全に混ざっている状態のものを取り込む都合上、元々は別個の力の集合体であることを認識できないと不可能に近い芸当な訳だから……いや、【天の術式】を習得していると報告にあったね。ならば難易度は下がるか。とはいえ、結果だけ見れば誤差のようなものだ。代行権限の仕組みにも、気づいたようだしね。優れた洞察力も有しているのかな、後輩くんは」


 §


 轟音が響き、衝撃波が舞う。それが、シャロンの体が後方へと吹き飛ばされて壁を突き破ったことによるものだと、誰もが暫く理解できなかった。その例外は、シャロンを吹き飛ばした当人だけだろう。しかしその当人の姿こそが、最も周囲からの理解を阻んでいるのかもしれない。


「……笑止」


 やがて衝撃が収まり、室内を静寂が包み込む。そんな中でも、変わらずに平然とするは、不遜なる銀の青年。


「心肺停止はその響きこそ凄絶だが、即死とは程遠い状態だ。その状態を放置し続けたところで無害……とまでは言わんが、やりようはある」


 ソファに腰を下ろした状態のまま、シャロンを前蹴りで吹き飛ばしたのだろう。足を伸ばした姿勢で着席していた青年──ジルはそう言ってゆっくり足を下ろすと同時、カップの紅茶を口に含んだ。室内は荒れ果てていたが、ジルの周囲だけは不自然なくらいに小綺麗なのが、却って彼の異常性を際立たせている。


 そして。その段階でようやく、急速な事態の変化に思考が追いつけず、フリーズしていたゾーイがはっとなった。


「ちょ、あんた……その、平気なの?」

「無論。私を誰と心得る?」

「いや、そんな自信満々に言われても、私はあんたを知らないのよ」

「くくっ、当然だ。何せ、私自身でさえ己を知らぬのだからな。貴様が知るはずもなし。ジョークというやつよ。笑って流すが良い」

「短い時間とはいえ、心肺停止してた奴を前に笑える訳ないでしょ。どれだけ頑張ってもどっかしら引き攣った笑みになるわよ」


 まあそれはそれとして、とゾーイは素早く腕を伸ばした。パシン、と何かを弾く音が響いた直後、いつの間にか近くにいた女──ジルを襲おうとしたシャロンの部下をゾーイが絞めあげる。


「っ、」

「さてと……どう落とし前をつけようかしら」


 恐ろしく冷たい空気を纏いながら、ゾーイが静かに言葉を紡ぐ。もはや自重しない──そう言わんとしている彼女を止めたのは、意外にも渦中の人物たるジルであった。


「良い。管理人の娘は、自らの職務を全うしたにすぎん。故に貴様が義憤から動く必要はない。何より先の礼は、既に直接返した。捨ておけ」

「……それで良いの?」

「有象無象の行動など、私からすれば雑音にもならん。とはいえ、本来であればあの女の行為は万死に値するが……まあ、此度(こたび)は私の無作法もある。場所も場所だ。お前の顔を立ててやるとしよう。加えて……」


 どことなくむず痒そうなゾーイを無視して、ジルはゆっくりと立ち上がる。そのまま首元に右手を添えると、軽く捻って骨を鳴らした。


「貴様も同様の感想だろう? 管理人」

「──いや、普通に痛かったから半ギレやで」


 直後のことだった。


 崩落した壁。その向こう側から、シャロンは悠然と降り立った。体に傷は何一つなく、服にも埃すら付いていない。その様子に軽く目を細めたジルは、しかし動じた様子もなくシャロンと向かい合う。


「アレで痛みを抱くとは。存外、脆いらしい」

「痛みがあんのとダメージがあんのはまた別の話やけどな。にしても、その子ら相手には何もせんねんな」

「私を測ろうなど不遜に過ぎるぞ管理人。これは私と貴様の問題よ。とはいえ、あまりにもしつこければその限りではないがな」

「そっか。……二人は下がっとき。危ないから」

「で、ですがシャロン様」

「かまへんかまへん。【絶月(ナハト)】相手に真正面から立ち向かえるだけ上出来やで」


 さて、とシャロンは笑う。尤も、その目は全く笑っていないのだが。


「まさかただの前蹴り……それも体重をロクに乗せられへん座った状態の前蹴りで、あんだけぶっ飛ばされるとは思わんかったわ。流石に馬鹿力すぎるやろ。ここが最上階やなかったら、どんだけの建物が崩壊してたか分からんな」

「ふん。私は加減したつもりだがな。よもやあれ如きで吹き飛ぶとは思わなかったぞ。随分と軽いな、貴様は」

「そらそうや。女の子やねんから羽毛のように軽いで」


 軽口を叩き合う両者だが、その空気は一向に冷え切っていた。つい先刻の、どこか穏やかな空気の中で進んだ雑談とはまるで違う。隙を見せた瞬間に獲る──その内心が透けて見える次元に両者の空気は重く、冷たい。


「心肺停止に対して苦痛を抱かんのはええ。それならまあ、普通に前例はある。うちの見立てやと、自分は【絶月(ナハト)】の三位と同じくらいの実力があるしな。せやから、そこはええねん。けどな──なんで普通に、心臓が動いとるねん。うちはそれを、まだ許可してへんぞ」

「ふん。貴様の許可など不要……ただ、それだけのこと。この心臓の鼓動を鳴らすも鎮めるも、全ては私が決めるものだ。貴様が決し掌握しようなど……不遜に過ぎるぞ、女。拾える命を、この場で捨てるか?」

「……そうか」


 やれやれとシャロンは肩を竦める。そして、「やっぱまともに答える気はないみたいやなあ」と呟き。


 ──瞬間、二つの拳が激突した。


「……」


 シャロンの踏み込みで机が砕け散り、ゾーイの割り込みで(・・・・・・・・・)床が陥没する。ミシミシ、と両者の拳が音を立てて軋んだ。


「……あんなあ」


 呆れたような表情を浮かべるシャロンと、平時と変わらぬ表情に戻ったゾーイ。しかし、二人が周囲に放つ重圧は、収まる様子が微塵もない。


「割り込んでくんなやゾーイ。お前も仲良く潰されたいんか?」

「代行権限を使っておきながらジルを潰せていないくせに? そもそもジルを拾ったのは私なんだから、まずは私から潰しなさいよ。それが道理ってもんでしょ。ジルのことは、私が責任を取るわ」

「……ほーん。そっちに付くんやな?」

「そうね。なんなら私があんたをぶっ飛ばして管理人になるのも悪くないんじゃない? あんたをぶっ飛ばせば、お上が認めるかもよ?」

「アホか。学校に通ったことがあらへん奴に任せられるかい。【絶月(ナハト)】と管理人だけやなくて、大学までの教育機関の理事長も兼務しとるんやぞ、こっちは」

「……え、マジ? あんたまだやってたの?」

「マジや。うちの生徒がジルの兄ちゃんに勉強を教わったって話を把握してるくらいには、こちとら勤勉にやっとるつもりやわ。うちが子供達のことを投げ出す訳ないやろ──……ったく、慣れへんことすんのは疲れんなあ」


 シャロンからの重圧が、止んだ。次いで「散らかったやないかい」とどこか遠い目になると、疲れたようにソファへと腰を下ろす。もはや戦意は微塵も感じられず、二人を害する気は皆無なのだろう。


「……」


 それを認識したゾーイも、遅れて拳を解いた。


「ゾーイがそっちに付くとはなあ。なんやかんやでのらりくらりパターンやと思っとったけど……。そっかあ。青春やなあ。その友情大切にし」

「あんた急に萎えすぎでしょ」

「萎えてはないねん。ただ、やる必要もない業務に資源を投入すんのはアホらしいから切り上げたってだけや。うちの方針はほぼ定まったしなあ。ほならまあ、後はもうティータイムでええやん。ヴァイオレンスなんは終わりにしよや。心肺停止させてごめんなあ」

「サイコパスか何か?」


 完全に重たい空気が霧散したことを理解したのだろう。ゾーイとジルは互いに顔を見合わせ、どちらからともなく再びソファに再び腰を下ろした。それを確認したシャロンは、軽く右手を遊ばせながら口を開く。


「うちに通達がこーへんのも納得の結果というかなんというか。まあこんな感じの結末になることは薄々分かってたんや。ただ一応、自分の目で確かめといた訳やけど」

「何が言いたいのよ」

管理人側(こっち)の話や。気にせんでええ」

「被害者なんだけど」

「図々しすぎるやろ。てかな。【絶月(ナハト)】クラスを二人同時に相手すんのは割に合わんねん。いや割に合わんどころやない。うちだけやなくて、都市全体で見ても大損や大損。勝とうが負けようが、敵対する時点でな。そもそも【絶月(ナハト)】の処理はマーニ様の許可(・・・・・・・)が必要やし、野生の【絶月(ナハト)】候補かてうちの一存でどうにもできへん」

「ほう。では身元不詳の不審人物を、拘束もせず自由にさせると?」

「安心せえ。この世界に、ほんまの意味で身元不詳の人物なんざ発生しようがあらへん。仮に発生した場合は、あることが起きる。それが起きてへんってことはつまり自分もうちも、そういう天命っちゅうことや」

「あーやだやだ。ほんとやだ。何が天命よバカバカしい。決められた役割に殉じるとしても、限度があるわよ。特にあんたの場合は、そう思い込みたいだけに見えるけど?」

「んな訳あるかい。同じ【絶月(ナハト)】やとしても、うちとお前が同じってことはないねん。同類を求めんな」

「あんたのそういうとこが──」

「あーもう。ほんまお前は……」


 「お茶とお菓子持ってきてー」と二人の部下に頼んだシャロンは、彼らが部屋から去ったことを見送るとそのままため息をついて。


「時期も時期や。【災厄】かて近頃は強なってきとる。無能ならともかく、有能なら話は別や。人柄も大体は把握できたしな。うちが(・・・)ジルを雇用する。災厄処理班としてやけど、実質【絶月(ナハト)】みたいな立ち位置としてな。もちろん、バイトは辞めんでええ。辞めてもええけど」

「……ふーん。意外と融通がきくのね。意外だわ」

「管理人はな、【災厄】と相対できる人員を重宝すんねん。資格がない奴は最悪の場合【災厄】を目にしただけで死ぬからな。対抗できる人員はいくらおってもええ。マーニ様からその辺の権限はいただいてるしな。消すのはあかんけど、取り込むのは自由や」

「他の都市で活動していたのかもしれないわよ、こいつ。他の都市の管理人に連絡とかしなくて良い訳?」

「アホか。むしろそれならとっくに通達がきとんねん。その管理人無能すぎるやろ」

「まあ、それもそっか。とりあえず、ジルをどうこうするつもりはないってことで良いわね?」

「ええよ。うちはジルに手を出さん。この都市に弓引かん限りはな」

「──そ。なら良いわ。帰りましょう」

「言いたいことだけ言って帰りよるなこいつ……」

「諦めろ。この娘の生態は、そういうものとな」

「あんたも行くのよ」

「私の菓子がくる。暫し待て。これはこの場において、最も有意義かつ重要な儀」

「あー確かに。タダで食べれるもんは食べるのが得ね。私ももう少し残るわ。シャロン」

「いや、うちの茶とお菓子やけど。なんで自分らも貰える思ってるねん。最初に紅茶出してあげたやろ」

「……は?」

「……なに?」

「なんで無表情のまま割と本気で驚愕してんの?」


 自分の分の茶と菓子が出ないことに、信じられないといった空気を放ち始めるゾーイとジル。


「……真か?」

「ほんまやで」

「本気で言ってる?」

「本気やで」

「そうか……」

「茶菓子が出てこないなんて……」

「あんたら兄妹やったりするか? なんやお菓子か? そんなにお菓子が欲しいんか?」

「その場合、私が姉よ」

「口を閉じよゾーイ。ふん。このような俗な娘と血の繋がりがある訳なかろう。もしやボケたか?」

「もう帰れ」

「言われなくても帰るわよ。茶と菓子も出てこないなら、こんな場所にいる意味なんてないじゃない」

「そろそろキレるで?」


 ゾーイが扉の外へ出て行き、それを追うようにジルもソファから立ち上がった。そしてそのまま扉へと向かうジルの背中に、シャロンが思い出したかのように声を掛ける。


「……ああそうや。伝え忘れてたわ。記憶喪失の真偽は知らんけど、仮に記憶が戻ったとして──出生地やこれまで育ってきた場所のことは、忘れて生きていった方がええよ」


 その言葉に。


「……」


 その言葉に振り返ることなく、ジルは扉をくぐった。


ゾーイ「ジルのことは、私が責任を取るわ(他意一切なし)」

ソフィア「???」

ルシェ「は?」

ソフィア「貴女はご退場していてください」

騎士団長「あの娘に恋愛感情はないから無視していいぞ」

ソフィア「それが分かるのむしろ怖いんですが」

クロエ「ジルは私が育てた。つまり私が姉」

グレイシー「妹は私だから、あの女に割り込む余地はないわね。ソフィアはどう思う?」

ソフィア「すみません。黙っていてください」


矛盾あれば修正します。ご感想、お待ちしております。


さて。書籍の発売日が10月30日となりました拙作についてなのですが。画像を後書きに直接貼る方法を担当編集者さんからご教示いただいたので、直接貼ります。

狂zip先生からいただいた神イラストと神キャラデザを、是非ご覧ください。神です。本当に、神です。今後は彼らを脳裏に浮かべながら物語の場面をご想像いただければ。


第一巻カバーイラスト

挿絵(By みてみん)


ステラキャラデザ

挿絵(By みてみん)


ヘクターキャラデザ

挿絵(By みてみん)


今後も告知していきます。なお更新時に告知する都合上、Twitterと同じ速度で告知はできませんです。申し訳ございませんが、ご容赦ください…。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 茶菓子の下りの誤字報告です。 「茶菓子を出てこないなんて……」 恐らく『茶菓子が出てこないなんて……』 だと思います。 [一言] いつも楽しみにさせてもらっています。
[一言] ヘクターのキャラデザが脳内イメージと合致して違和感なくスッ受け入れられる
[良い点] 遅れましたが、書籍化おめでとうございます!! いやあ、めでたいめでたい 美麗なイラストがついたおかげで作品への解像度が高まり、捗りますねぇ ジル様は思ってたより俺様系っぽい感じで、キーラン…
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