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2ndLife  作者: 亜暮 霊璽
4/5

何でやねん‼︎※某芸人風Part2

「さて、剡?」


目の前には悪魔を恐れぬ悪魔のような男が…


「は、はい…」

「何でこうなってるか…判るかのぅ?」


その男がうつ伏せの私に馬乗りになる。そして顎に回される手。


「自転車を無断使用したからです…」

「その通ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉり‼︎」


声と共にキャメルクラッチが極まる。海老反りになる私の背骨。


「ぎにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎」


はっ!…あぁ、夢か…よかった。そうだぞ、私みたいな魔王レベルの悪魔がJKとか悪い夢に違いない。うん。


カラカラと横の障子(・・)が開く。そして見たくなかった悪夢の権化が顔を出した。


「起きたか?ほれ!何か着んさいな。若いからって全裸で寝るのは感心せんぞ?」

「うっひいいいぃぃぃ⁉︎」


夢じゃなかったぁぁぁぁぁぁ‼︎


「早く着替えんと縛るぞ」

「脅しが卑猥すぎだろ爺さん‼︎」


顔を赤くしながら反論するが爺さんは飄々としながら出て行く。若くしても中身は中身か…


私は近くに置いていた着流しを取るとすぐに着て、髪を纏めた。一応髪の色は白のままの方がバレにくいという事で白のままである。


「で?爺さん…主に私は何をやれば?」

「店番」

「は?」

「店番じゃよ。儂、この後奥で駄菓子の整理しながら寝るし」


寝るなよ‼︎耄碌してんのか?


「何か…不吉なことをかんがえなかったかの?」

「いえ考えておりませんので手を頭から離し…グバァァァァァァァァァァァァァ⁉︎」

「そうかそうか?そんなにアイアンクローが欲しかったか?」

「ギブギブ‼︎ダメ!何か出ちゃいけない物が出るぅぅぅ!…アハン…」


そこで俺の意識はブラックアウトした。


*****


「ん…む?」


頭がガンガンする…あ、そうだあの爺さんにアイアンクローされて失神してたんだ!


ガバッと起きるとレジ前に人集りが。主に小学生が。


「ガイジンのおねーちゃん!このお菓子いくら?」


そう言って出してきたのは紐引き飴。


「一本十円だよ」

「じゃあこれちょうだい!」

「はい毎度」


十円を受け取るとその小さな少女は紐引き飴を引いて苺味を引いた。


「じゃーねー!ガイジンのおねーちゃん!」

「ハイハイ」


手をパタパタと振るので同じく手を振るとニコニコと飴を咥えながら走って行った。


「おねーちゃん!これは?」


そう言って丸刈りの少年が出してきたのはきなこ棒。


「それも十円だよ」

「はい!」

「良い子だ…ほい、きなこ棒」


差し出すとそのままパクリと咥える。何と言うか微笑ましいな。…あれ?私は悪魔であって人間を恐怖させるんだよな?本来は。


え?何でこんな光景でほっこりしてんだ。


………考えても意味ないや。


私は諦めてまた続きを始めた。


「こ、このアイスキャンデーは…い、幾らですか?」

「ん?百二十円だよ」

「…」

「聞いてる?」


真っ赤な顔をした中学生がアイスキャンデーを差し出してきたので値段を言うが何故か俺を凝視して固まっている。


顔を近づけて話しかけるも反応が無い。


熱でもあるのかな?


「………わぁ⁉︎」

「お?気が付いた」

「何してるんですか⁉︎」


何って、そりゃ…


「熱測るためにデコをくっつけてるんだが?」

「はわわわ‼︎」


何故か更に慌て出す。


「取り敢えず百二十円」

「え?あ、はい」

「ほい、アイスキャンデー…味はなにがいいの?」


そう聞くとモジモジしながら聞いてきた。


「お、お姉さんは何が好きなんですか?」


私?そりゃ悪魔だから血みたいな…


「苺味かな?」

「それを‼︎」

「え?でも他にも色んな味が…」

「是非それで‼︎」

「はぁ…?」


意味も分からず苺味のアイスキャンデーを渡すとニコニコしながら帰っていった。


…もしかして私と同じ好みだったのかな?


昼過ぎになると高校…勿論私のと言うか鞍馬剡の高校の学生が寄ってきた…何だ?アレか?うーわこいつこんなに落ち潰れたよ的なアレか?


「うわー!君可愛いね!」

「どこの国の人?綺麗な髪だね?」

「僕と一緒にお茶しないか?」

「こんなトコじゃなくて内の女中として雇おうか?」


…何なんだよお前らは‼︎邪魔だ!


「あの?ご用件は?お菓子を買いに来たのではなくて?」

「君を買いに来たよ」

「冷やかしなら帰って下さい」


ゾワっとしたぞ⁉︎何だ今の…何と言うか生理的に無理。


「仕方ないね…また今度来るよ」


来んな!


よりによって生徒会に目を付けられました…


ああ…魔界の頃が懐かしい………


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