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MAMY


 今回の任務は、太平洋上の戦艦の救援だ。

 「ホルスウィンド」の隊員達はいよいよ戦闘機に乗り込む。

 




 「まったく……MAMYって奴は一体何がしたいんだろうね?」


 「知らないわよ! アイツらの知能はどうなってるのか今のところ分かってないんだし。とにかく今は戦うしかないのよ」


 「まるで、ゲームとかアニメとかに良く出てくる奴だよね! こういう敵って、最終回なっても正体が解明できないってことも良くある話だけど、あれって作者が構想まとまらないから有耶無耶にしてるってるのかも」


 「これは、アニメでもゲームでもラノベじゃないでしょ!?」


 「いや、それは否定できない気がするんだけどな……特に最後のヤツは」


 格納庫に向う途中も石刀名(せきとうな)中尉とヒルダ大佐の口論(?)は続いていた。



 「MAMY」とは、Mysterious aggressive Monsters yeggs(怪奇侵略的殺戮生命体群)の略である。5年前にエジプトの南部、ナイル川中流に突如として謎の暗黒空間「デシェト」が現れ、ここから次々と「MAMY」達が現れるようになった。そして「MAMY」は、目的も語らずにただ、世界各国に攻撃を加え始める。この脅威に対して各国は、まず彼らの巣とも言える「デシェト」の破壊を考えた。しかし、如何なる攻撃もこの暗黒領域には効果が無く、核兵器ですら吸収されてしまった。これ以降、現在に至るまで、各国はただ「MAMY」の襲撃を待ちかまえてその場しのぎの対処することしかできていない。



 「MAMY」の見た目だが、形はいくつかある。

 戦闘機状のもの「M1」、水中特化型の「M2」、空母の様に大きな「M3」等があり、見た目は生物的だ。基本空から襲ってくる。が、稀に水陸両用のものもいるので油断はならない。装甲小型のものなら機関銃等でも倒せるが、大きいものになるとミサイルや戦艦の主砲くらいでないと沈まない事もある。何より、数が多いのが一番厄介だ。これらの内部には、核となる生き物がそれぞれに埋め込まれていることが解剖の結果分かった。おそらく、これがパイロットみたいなものなのだろう。包帯の様なものに巻かれていて、まるでミイラの様な奴だ。「MAMY(マミー)」と呼ばれるのにはそう言った理由もある。



 彼らの行動原理は、全くと言っていいほどわからないが、1つだけ分かっている事がある。彼らが日本に襲撃する時には、必ずと言っていい程「富士山」を狙ってくるのだ。日本でもっとも有名な山には、何か彼らの求めるものがあるのかもしれない。ただ、その理由が解明するまで、人間はただ、戦い続ける事を強いられていた。




 

 「だけど、アイツらが人間じゃない分戦うのは楽なんだよなぁ。良心を咎められないし」


 「まあ、それは言えるわね。相手が今のところ高知能生命体じゃないのは有難いところよ。ワンパターンな行動しかしてこないから最近は随分対処が楽になって来てる」


 「でも、油断は禁物ですぜサイトー中佐!」


 「アンタには言われたくないわよ」


 

 2人は軍に入ってからずっと、MAMYとの戦いを続けている。

 緊張と言うものは、既に大きく麻痺していた。







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