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大佐と中将


 石刀名中尉とヒルダ中佐はいつものように語り合いながら会議室に向った。



 会議室の扉は、指紋認証式だ。

 情報の漏えいを防ぐためのもので、軍の者しかその扉を開ける事は出来ない。ただし、一旦開いた時ならば誰でも入れるので、同行者等は入室を許可されている人間と一緒にならば入室が可能だ。


 石刀名(せきとうな)中尉も、ヒルダ中佐も当然の事ながら自分の指紋で入る事が出来るのだが、2人ともやる必要は無いので結果ヒルダ中佐が扉を開けた。この間口論が2分ほどあった。


 「まったく! 後ろの人がいたら邪魔になてたわよ!?」


 「いなかったからいいじゃん」


 「よくないっ! 大体、扉開けるくらいの事で何でこんなに時間かかるのよ!? あんたが素直に開けてくれればよかったのに……」


 「だって、面倒なんだもん。指紋認証って」


 「メンドいって、指当てるだけでしょ!?」


 「腕を上げるのが嫌なんです」


 「どんだけナマグサなのよ? このメガネは……あっ!?」



 ヒルダは、石刀名の事に気を取られていて、今いる状況の事を忘れていた。ここは、会議室。2人の近くには「ホルスウィンド」隊員はもとより、隊長のカダル大佐、司令官のナガワ中将もいるのだ。上司の前でのはしたない行動に、ヒルダは顔を赤くした。石刀名中尉の方は、気にする事も無く口をどこかのアニメの0点とりまくる小学生男子の様がよくする3の形の口をしながら口笛を吹いた。



 「元気だな、2人とも」


 「もっ、申し訳ありません! ナガワ中将!」


 椅子にどっしりと座った白髪で高い鼻の下に堂々たる髭を生やした老軍人は、部下の素直な態度を見てふぉふぉふぉと笑った。


 「いいんじゃよ。こちらも元気が貰えるからな! こういう緊迫した状況下ではそういう元気な姿を見せられると有難いものだよ」


 「は、はぁ」


 「まあ、ずっと立っているのも何だからここに座りたまえ。あと2人来たら始めるからな」


 「はい」


 2人は、プロジェクターの画像が良く見える位置であり、中将の横と言うとても緊張する席に座った。自らも中佐と言うそこそこの位ではあるがヒルダは何だか肩身が狭かった。横の石刀名中尉が遠慮なく幅を撮って座ったから両者の板挟みで尚更狭くなった。しかし、この状況では文句を言いづらい。やむおえず、ヒルダは我慢して座る事にした。


 プロジェクターの電源が入れられ、入力信号が表示されている時に、残りの隊員も入室し、いよいよメンバーがそろった。横に座る1人の隊員に小声で何かを伝えられるとカダル大佐は、ついに口を開く。



 「では、会議をはじめよう。」





















 

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