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戦艦のその後(最終話)


 石刀名中尉の大活躍で、戦艦は見事守られた。

 それから数日後……



 「ねえ、聞いた?」


 ロビーの大きなソファーにどしんと腰を下ろし、週刊少年漫画を舐めるように読んでいる石刀名(せきとうな)中尉にヒルダ中佐は話しかけた。


 「……何? 脇山京子と先坂浩二が離婚したって話?」


 「違うわよ!」


 「じゃあ、御俵クニオが同居していた霊能力者の元から家族によって引きなされたていう……」


 「違うわっ! そんなワイドショーとか週刊誌的な内容じゃないの!」


 「じゃあ、何さ」


 「戦艦<常盤山>の修理が済んで、いよいよ東京湾に戻ってくるらしいよ」


 「ああ、そうなの、つまんね」


 

 ヒルダ中佐は、石刀名中尉の両耳を力いっぱいひっぱり引き伸ばした。

 そして十分に引き延ばすと最後はぱっと手を放した。ゴムのように伸びた石刀名中尉の両耳は一気に縮み、バチンと音を立てて元の位置に収まった



 「しかも、ただ戻ってくるわけじゃないの。空からやってくるらしいわ」


 「ふーん、あの戦艦空飛べるんだ。確かに翼みたいなのがついてたもんね」


 「そ、あの戦艦は空海の両方で使えるのよ。空を飛べるから陸戦の援護もできるわね」


 「へー、そんな便利なものができたんなら、次はロボットでも作らないかな~」


 「……」


 「戦闘機よりも、やっぱりロボット、機動兵器のほうがロマンだなぁ! 大きなハンマー振り回して敵を倒したり日輪の光を借りたり、遠隔操作ユニットで攻撃したり……あぁ、たまらん!」


 「あのさ……」


 「むひょ? ヒルダ、どうしたのそんな顔をして」


 「機動兵器のプランは、もうはじまってるよ。」


 「えっ!? マジで!?」


 「通称<9th計画>……私たちもいずれ、その操縦を任されるかもしれないわね」


 「ナインスプロジェクトかぁ、そら楽しみだわ!」


 「まだ暫くはかかるようだから、それまでに死なないようにね。石刀名中尉」


 「勿論でさぁ!」


 威勢よくうなづいた石刀名中尉であったが、すぐにまた少年漫画を舐め回すように読み始めた。二ヒヒとかゲヘヘとか奇声があたりにこだました。



 <END>








 戦闘機アクションというものは実質初めてですが、なかなか表現が難しかったです。語りきれない部分も多くありましたので、おそらくあるであろう続編でそこは補完していきたいと思っています。


 読んでくださった方々には、お礼申し上げます。

 ありがとうございました。



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