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突撃(チャージ)


 石刀名中尉は単機で敵を引きつける!


 

 「じゃあ、まずは降下!」


 

 石刀名中尉のオーラングゼーブ改は、勢いよく敵に突撃する。

 夜の蒼黒い海が照らされて眼前に迫る。



 「まずはメーザーカノンで!」



 敵の目をこちらに向けさせられるかどうかは、やってみなければわからなかった。石刀名中尉は、ひとまず中威力で最初の一発を撃ちこんでみたが、見事その一撃で敵の興味を引く事に成功した。包帯から覗く赤い瞳が彼女の青みがかった灰色の機体を捉える。



 「よーし、上手く行った。あとは何とかして向こうに誘導する!」



 敵の触手による攻撃が迫るが、スレスレでそれらをかわす石刀名中尉。

 あまり離れると、敵の興味がそがれる事を嫌ったためだが、エースである彼女だからこそ出来る芸当だった。初めての敵の見慣れぬ攻撃にも即座に適応できるセンスが石刀名中尉には備わっているのだ。勿論、ヒルダ中佐やカダル大佐も出来る事ではあるが。


 

 時折、メーザーカノンの射撃を加えつつ、敵を誘導する。

 未確認兵器の知能はいつものMAMY同様に高くないようで、見え見えの動きでも十分に有効であった。少しずつ戦艦の射程に迫って行く。



 「よしよし、良い子だね!」


 

 石刀名中尉は、余裕を見せるも内心は次の行動の事を考えていた。

 「プラズマ維持収束砲」が発射される時の事である。なにせ、その発射された状況を一度も見た事が無いため、回避は慎重に行わねばならなかった。しかし、あまり早く回避してしまうと、命中しない恐れもある。タイミングが重要であった。



 夜の海に戦艦の光の点が見えてきた頃、石刀名中尉はその戦艦に向けて通信を入れる。



 「中将! 近くまで来ました! 確認してください!」


 「……ああ、確かに捉えた! ただし艦首よりもやや右だ。もう少し左に誘導してくれ!」


 「りょーかい!」



 石刀名中尉は、右に機体を傾けた。



 5


 4

 

 3


 攻撃を回避しつつ、心の中で特にアテも無いカウントをする。


 2


 1



 「……よし、入ったぞ! 石刀名中尉!」



 「はい!」



 「プラズマ維持収束砲発射準備!」


 









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