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必殺の兵器


 MAMYの新兵器は通常の武器が通用しない。

 対抗できる武器を探すため石刀名中尉は戦艦に赴く。



 

 「中将!」


 「ほう……、君か、石刀名中尉」


 「覚えてくれたんですね~嬉しい限りです!」


 「用は何だね? 弾薬の補給か?」


 「実はですね、MAMYが新型兵器を使ってきたんですよぉ。それが、堅いしデカイしステルス付いてるからレーダーに映らないわで大弱りなんですわ」


 インチキ商人のような語り口にジェスチャーを交えて石刀名せきとうな中尉はチュウジョウ中将に事情を説明する。中将は、ただ黙って彼女の話に耳を傾けた。


 「なるほど、君達を持ってしても。進行を止められないと言うわけだな」


 「そういうことです。すいませんねー武器が通用しないんじゃ無理ですわアハハハハ」


 「そりゃ御尤もだな! ハハハ」


 緊迫した状況でありながら2人は笑った。地位も年の差も関係なく。

 

 「それで、この戦艦って何か良い武器は付いてないんですか? 新造艦だから良いものが付いてるんでしょ?」


 「まあな、エンジンこそ使えないが他は大丈夫だ。すべての武器は使用可能だ。勿論艦首についている主兵装もな」


 「なんです? そのしんへいそーって」


 「プラズマ維持収束砲、だ」


 「プラズマですか! 何かソレ凄そうですね!」


 「実際に凄い威力だよ。従来のプラズマ砲の弱点である大気中の拡散を防止することで尋常じゃない高威力を現実のものとしたのだ。山くらいは軽く穴が開くぞ」


 「ほー。それじゃあ、そのプラズマなんとか砲を使ってくださいよ」


 「ああ、だが問題は、動けないから照準を定めるのが容易では無いところだな。チャージにも時間がかかる為、命中させるのは容易ではない」


 「そこはまけせてくださいな!」 


 「どうするつもりだ?」


 「まず、私達が上手く敵をプラズマうんとか砲の射程内に誘導します! そして、射程に入ったら、中将は遠慮なく砲撃しちゃってください」


 「ほう……しかし、それでは君達の命が危険にさらされる事になるのではないか? プラズマ砲の直撃を喰らったら助かる事はあり得ないぞ」


 「大丈夫ですよ! ホルスウィンドを甘く見ないでください。それに今、不要な武装を取り除いて軽量化してもらってるんで、相当スピードが出るようにはずです。安心して任せてくださいよ」


 「ほう、すごい自信だな」


 「自信が無ければ、エースパイロットなんて務まりませんよ」


 「フフ……よかろう、今の話確かに乗った。直ちに現場へ戻りこの事を伝えてくれよ!」


 「はいっ!」



 石刀名中尉は、気さくにクルーに手を振り、ブリッジを後にした。

 チュウジョウ中将は、そんな彼女の背中を頼もしく思った。

 亡き娘の姿を再び見た時ののように。






 




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