表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/48

お約束なんて…。嫌な事ほど実現する…

黒也side


「カア坊……?」


この発言を聞いて思わずヒヤリとした。


ここに入社するにあたって、変化の術は完璧にしたし、戸籍もちゃんと作った。


怪しまれないよう関係者の記憶もいじっている。(ひとりだけ規格外がいて仕方無く諦めたがまさかここの部長とは)


全ては明日香との恋仲のためだ。



後はゆっくり恋を育んでいこうと思っていた矢先バレそうになっている。


(何故!……いや、明日香が桁外れなのは同居していて充分知っていたはずだったが…ここまでだったか!?)





「えっ?」


とりあえず知らないを振りする。


「あ、ごめんなさい。似てるの人がいて」

流石に鴉とは言わず人にしたようだ。


「いえ、いいんです。新人ですがこれから手取り足取り教えて貰いたいです!」


そしてゆくゆくは恋仲に……な?

私を本気にさせたのだから逃げれると思うなよ?


黒也side終わり



明日香side


何だろう…。



背筋が寒い。


鴉木君のオーラが黒いような?




さっきの手取り足取り発言がねっとりと絡みつくような感じがするし…。



間違いだよね?



「あはは、そんなかしこまらなくていいわよ。先輩程度でいいのよ」


「それじゃあ明日香先輩でいいですか?」


「うん、それでいいよ」


前の後輩の玉藻は【先輩】と呼ぶだけで決して名前を呼ぶ事はなかったが。




それから指導を始め、会社の内部案内、オフィス用品の場所と扱い方、資料室と資料の分類と取り出す時に必要な年代記入ラベルの見方、個人のデスクとパソコンの使い方、予定行事の一覧などetc.。





とりあえず一通り教えて、分からない事があるなら聞いてこいと言っておいた。


そして今、業務しながらではあるが観察をしている。

まあ、私は昨日の内に終わらせたが三枝と係長がポカやらかしてそれの後始末に追われている。


三枝はまだ納期に余裕があるがいいが、問題は係長だ。



資料が見当たらなくて今度のプレゼンの資料作るの遅れただあぁ?


そのプレゼンあんの明後日の昼だろうが!


だからあれほど確認したのによお!


ちなみにお局様に頼んで係長をネチネチとお説教を受けさせています。




さて、業務態度、書類の出来、対人関係、etc.、総合的に見て『優』という所か…。


それよりも問題なのは……、


「ねぇ、黒也君ってぇ、凄いよねぇ!私なんて初日でてんやわんやだったのにぃ」


「そうですか?それよりも三枝さんも仕事に戻られた方が…」


「えー!大丈夫だよぉ~。それよりも黒也君って彼女いるの~」


ポカやらかしといて職務怠慢ですか?三枝さん?


部長の気が変わらない内に仕事に戻らないと夜11時まで残業させますよ?


そして部長が課したノルマ出来ないようなら即刻部署異動が待ってますよ?




「遥人!!!あんたが進んで面倒見るんだったらさっさと叱れ!!!!!」


うがああああっ!


心遣いに関してはコイツ本当に役立たず!

「ああ、わかった!」


はあ、ストレス溜まるわ…。


でも会社だからあいつらいないし、私にとっては数少ないオアシスなんだからまだましよね。


そろそろ昼休みになるから残りの二人も来るけど……。

こんな時、マンガのお約束であいつらが来るっていうのがあるんだけど流石に無いわよね。


アハハ…、ナイナイ。


「朝にも話したが新入社員が二人が来てるから紹介するね。入って来て」


ガチャ、

「はい」

「失礼します」


んん?


「自己紹介をしてね」


「この度入社した犬持けんもち 緋牙と言います。新参者ですがよろしくお願いします!」


「同じく入社しました。鬼田きだ 雅鬼です。どうかよろしく頼みます」


シオシオ~……。


メンタル面が急激にやせ細る音。


私…今…ジョーみたいに白くなっています……。


このまま砂となって消えてしまいたい…。



はははは……、心の中だけだったら叫んでいいよね。


(ゲットアウトーー!!!!!訳『出ていけーー!!!!!』)



一時の優しい幻よ、私の前から消えないで…。せめて私は優しい夢から醒めたくないの…。(精神的にきついため現実から目を背けたいと言いたいようです)




???side


部長の呼び出しで集められた。


(はあ、かったるいな~。新入社員なんて興味ないから。てゆうか早く遥人さんとイチャイチャしたいんだけど)



髪の毛の枝毛探しをしていると誰か入って来る。



「鴉木 黒也です!よろしくお願いします!」

(あ、すっごくいい声だな…。一応顔見とくか…)


(うわぁ!!ものすごく格好いい!欲しいな~…)


それから私は黒也君にアタックを仕掛けた。


だけど、「彼女はいないけど今はいらないよ」


「えー、もったいないな~。私でよかったらどう?」


「遠慮しとくよ(まあ、明日香からあの男を引き剥がしたのは有り難いが生憎、偽物の人格の仮面を被っている女は大抵厄介でな)」






そこまで話していたら遥人さんが来た。


「こら、新入社員にいきなり質問しちゃ駄目だろ」

普通怒られていると思うだろうが私は(私にヤキモチ焼いてくれるのね。嬉しい♪)と思った。それから注意を受けてお昼休み、また新しく二人の男の人が来た。


(この人達も格好いいな…)


私を自己中な女だと思う?


いいじゃない、女の子は我が儘でないと、欲しいものはこの容姿で落とせばいいのだ。



欲しいものは全部私の物なんだから。







彼女、三枝 玉藻はこの数時間後、欲望の闇に身を任せ人外の力を手に入れ、さらにその一週間後、

彼女の先輩であり彼女が奪った恋人の元彼女の明日香と戦うことになるのはまだ誰も知らない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ