表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/48

目覚める恋心…散る定め(妖怪)だとついぞ知らずに…

はい、宣言より2日遅れの投稿です。許してちょんまげ?いや、ほんとにごめんなさい!まあ、大体リズム掴めて来たので次回はもうちょっと早めに投稿したいですね。それではお楽しみ下さいね!!

時は戻って明日香が給湯室で止血している頃。一階フロア、


黒也side



(やれやれ…。このところやたら狐憑きの男が多いと思ったら『そういう事』か…。…黒兎の考える事はあくどい上に物騒と来た…。…全く、ロクでもない『種』を撒いたようだな…)


※作者のいらん豆知識『狐憑き』、まあ説明めんどくさいから簡単に言うと動物霊に憑かれた人の事。代表的な例、『こっくりさん』とか。症例は、意味不明な言葉を口走る、獣の匂いがする、動物を飼っていないのに憑かれた人は動物の毛がやたらと付いているとか色々な諸説あり。現代では精神病扱い(まあ、妥当だわな)にされている。はい、説明終わり~♪


「…あ、がっあ…あ、ケェェェ…」


「ハァハァ、アッハハハハハ…ケヘヘ!」

正常ではない声を上げる玉藻ハーレム軍団。完全狂気に染まった瞳で捉えているのはただ一人この場に相応しくない、まるで彼だけがこの空間に漂う空気を物ともしないように涼しげな顔をしながら佇む黒也。


彼、黒也を囲む玉藻ハーレム軍団の人数、その数約40人。「…ふう、低級な野狐を祓うのも…、この量になると楽じゃない。…鬱陶しいくらい湧いてくるな…」


嫌そうに溜め息を吐き、顔を竦めてみせる。


「ケッヘヘヘヘ♪ヤッチマオウゼ。コノカズデイッキニカカリャシヌダロウシナァ…?」


「ア、イチバンハジメハオレナ!オレ!」


「ドウデモイイカラハヤクハヤク!」


「ジャア…ナブッテカラツレテクカ…ケヘヘヘヘ!!」


物騒な事を言い合って喜んでいる。

するといきなりハーレム軍団の一人が黒也に飛びかかってくる。


「モウマテネェヨ!!イチバンモライ!!」


黒也の首を狙って爪を立てようとする。


「はあ…、露払いにもならんな…。取らぬ狸…いや、取らぬ狐の皮算用と言ったところだな。…随分と見くびられたものだ」


飛びかかってくるというのに黒也は微動だにしない。


「ギャハハハハハ!」


狂ったように笑いながら手が黒也の首を捕らえようとした時、


「風塵よ、舞え」


ブオッ!!


「ギッ!!?」


屋内密室というのに突如として突風が吹き、黒也を襲おうとしたハーレム軍団の一人の体が風に煽られて宙を舞い上がる。


ダンッ!


「ゲハッ!!」


急に強風に浚われたと思えば壁に叩きつけられる。


「グ…ウ…」


苦しげに声を漏らした後、捨てられて動かない人形のように気を失って倒れる。


「まあ、出来るならお手柔らかに頼みたいものだ。…なんて格好良さげに言ってみたはいいが、無理なんだろうな…これは…」


「グルルルル…」

「ガアアアアア!」

「ウウウウウウ…」


明らかに黒也を取り巻く彼らが警戒態勢を示し始める。


「数で押し切るつもりなら諦めろ。…生憎、こちらはそれなりに年季や場数が違うぞ?若僧共よ?」


ガラス窓から差し込む夕日を背に黒い翼をバサリと大きく広げる。


一時間後、完全に日が落ちきって月明かりが照明代わりになっている。


「よっこらせ」


倒れている玉藻ハーレム軍団を一階の会議室に運んでいる黒也の姿があった。


「よし、これで全員か」


ぱんぱんと手を叩きながら一息吐いている。


あの後の勝負はあっさりと終わった。

憑いている狐を祓えば後は勝手に操られていた意識が途切れて失神するので簡単な除霊で済ませた。


「一匹たりとも逃さず誘い込むのに随分手間が掛かってしまったな…」


一息吐いているとエントランス辺りで物音が聞こえる。


(おかしいな…取り残しは無いと思ったのだが…)


気付かれないように近づくと見覚えのある女性社員が入り口に積まれているバリケードをどかしていた。


(明日香…?そんな、どうやって此処に…)


「絶対に逃げてやる…」


断片的に聞こえてきた声は震えていた。



幸い、バリケードをどかすのに意識が逸れているのかまだ気付かれていない様子だったので背後に近寄る。


すぐ後ろに居るのにまだ気付かないようだ。


(…こうして見ると…明日香も女なんだな…。一緒に暮らしてた時は…こう…なんというか、『女傑』というよりも『某青いネコ型ロボットに出てくる劇場版ではやたら男気のあるガキ大将』みたいなのが今は触っただけで散ってしまいそうな花のようなか弱さがあるな…)


本人には絶対言えないような事を頭の中で考えている。


(…お前の強い所も、…そんな泣きながらも必死に足掻く弱い姿も…全てひっくるめて好きになった私は大層な大馬鹿なんだろうな…)


…カツ。


考え事をしながら近づいた所為か、彼女の真後ろで結構大きな靴音が鳴る。



音に気付いた彼女が背後を振り返ろうとする。


とっさに両腕を抱え込み、口を塞ぐ。


何故なら、


(…振り返ろうとした瞬間、明日香から物凄い殺気を感じた…)


多分、あのまま振り向かせれば間違いなくぶっ飛ばされてたと思いながら冷や汗をかく黒也。


「んんっ!?ん~~!!」


口を塞がれながらも必死に暴れる明日香。


(っ!?暴れる力が予想以上に強い!!このままじゃ、拘束が解かれる!!)


「騒がないで。気付かれますよ」


優しく語りかければ危害を加えないと判断したのか暴れるのを止める。


「……フガ…」


口を塞がれている為か間抜けな返事が返ってくる。


(確かに私は妖怪では腕力は弱い方だが一応、人間の一般成人男性よりかは強い筈なんだが…。…気にしたら駄目だな…明日香にか弱さなんかは絶望的に無いからな…。あるとしても大体、ギリシャ神話に出てくるパンドラの箱に入ってる希望並だろうな)


「じゃあ離しますから。気付かれてはいけないので静かにして下さいね」


困惑しているであろう明日香に囁く。


抱き留めている為かあることに気付く。


(髪が…、血で固まっている?)


一瞬、動きが止まるが、いつまでも抱き締めているのはおかしいので(本当はまだ抱き締めて居たいが、私が本来望んでいたのは恋仲になった後、私の家に招いてロマンチックな雰囲気でやりたかった事だが…。決して、シリアスムード満点の状態で一歩間違えればパニック状態に陥った明日香にぶちのめされそうなこんな状況でやりたかった訳ではない)抱き締めている腕を離す。


「大丈夫ですか?葛之葉先輩?」


こちらを振り向いた彼女は目に涙を浮かべ、いつもの豪胆さから想像出来ないほど弱々しげな女になっていて新鮮で艶めかしい姿だった。…頭から血を流していなければ話だが…。


「黒也…君?」


おどおどしながら確かめるように聞いてくる姿も新鮮で初々しい生娘ようで中々、まあ、なんだ…その…欲情を、そそられる…というかなんというか…。いっそのこと飼い殺しにしたい程(勿論二人の愛の巣的な意味)だ。…頭から血を流していなければ話だがな!!


「はい、先程あのような事をしてしまいすみません…」


「…なんで、こんなとこ…居るの?」


ぽかんとしながらもっともなことを聞いてくる。


「あ、いや…話すと長くなるんですが…(しまった…言い訳を考えていない!)」


焦りながら言い訳を考えていると、


「…先に謝っとくね?…ごめん…」


顔を伏せながら近づいて来る。


「あ、ちょっと…、そのですね?(殺される殺される殺される殺される。よくてもぶっ飛ばされるっ!!)」


怖くてじりじりと後ずさりすると、


「逃げないで」


強めに言われる。


「は、はい!!(…覚悟を決めろと言うことか…)」


動きを止めると勿論距離が縮まる。


「………っ。(嫌な汗が止まらん)」


肝心の明日香を見ても顔を伏せていて表情が分からない。


明日香の足が止まる頃にはぎりぎり隙間が有る程度で緊張で身が強張る。


「ほんとに…ごめんね…」


彼女が動いた同時に目をつぶって衝撃を待つが、


トサッ。


びっくりするほど弱々しくて攻撃なんて呼べない衝撃が胸に来て拍子抜けする。


「…ふっ…う、あっ…こわ…かった…。怖かったよぅ…。うわぁぁぁん…あぁぁぁん、うあ…ああ。うわぁぁ…」


黒也の胸に顔を押し付け泣いている。


「……………?(何が、起こったんだ?)」


当人である筈の黒也は予想外の出来事に動けないでいる。




そんな微妙に黒也にとって甘~い展開になりつつ、黒也side終わり。




???side


明日香の勤めている会社の屋上にて、



※只今確認した所、淫猥な行為が発見された為、音声のみ(勿論、公共コードに引っかかる言葉には秘技・●隠し、又はピー音隠しを使いますのである程度の安心がある)の会話文になります。淫猥な事ってなんだって?簡単に言えば屋上に居る奴、全員素っ裸、すっぽんぽん、裸一貫…とだけ言っておきましょう。


「んっ…!すごいみんなの●●●●が私の●●●●にいっぱいに●●●●●なってまるで●●●●●みたいですぅよぉ…もう一回戦●●●●しちゃいますかぁ?」


「あらぁ…まだ元気なんですねぇ?」


「ん…あ…!あん!!●●っ!!●●●~!?●●●●●●●●●●●●●●●●!!」


作・はいそこ!!手抜きとか言わない!!


「あはっ♪まだ●●●●出来るんですねぇ!!私もぉもっと●●●●したいと思ってたんですぅ~」


作・ピンク色に染まり過ぎて埒が明かない為、時間を早送りっと…。手抜きなんて言わないで!!健全な〔自主規制〕の為と思っての事でeroticエロティックを求めていない読者様も居るわけだし〔自主規制〕的な事を…ね?そんな事をやるなんて…とても出来ませんよ?(どの口が言っている)


そんなわけで自主規制と公共コードをクリアした一時間後。


「んふっ…。後もうちょっと八卦陣が完成しますねぇ…。そうなれば独身男性…いえ既婚者でも私にひざまづいて私への愛の忠誠しか言わない奴隷になるしぃ、早く完成しないかなぁ♪」


自分は優雅にお酒を飲みながら操っている自分のハーレムの男共を使って昔、悪狐が改竄した八卦陣を書いていく。


バチィ!!バチバチ!!


八卦陣を完成させる為にもしもの時を想定し、保険で張った九つの結界の一番外側に張ってある結界を破こうとする『何か』が居る。


「あらぁ…。まさか当たりが来ましたねぇ。さて、行ってみて相手がイケメンだったら私ったらぁマジ少女マンガの主人公みたいね!?」


キャッキャッとはしゃぐ姿は可愛らしいが言っていることはかなり痛々しい。


「ま…邪魔する奴は操っちゃえば良いだけだし…。何故かラッキーな事に残業してたウザイ『センパイ』も始末しちゃったし。…案外待つのもつまんないし、正直飽きてきたし…、遊んできましょおかぁ?」


白面金毛九尾の狐は笑う。


残虐で強欲な上に手のひらで人を転がすのが趣味の贅沢狐は新たな欲望を胸に抱え、暇潰しに行く。


「いい声で鳴いてくれるかなぁ?フフッ♪楽しみだなぁ~♪」


九つの尾を不気味に揺らめかせながら…。



人物紹介・そのよん


黒也


年齢・確か、732歳だっただろうか?


誕生日・1月25日だったかな?仕えている猿田彦様(現在、長期休暇と称し、人間界に旅行中。本当の理由は仕事が面倒だから部下(黒也とかほかの天狗達)に丸投げして逃亡)がその日に誕生日プレゼントを渡してくれるからな。


好物・精進料理とかだろうか?それくらいしか向こう(霊界?)で食べていなくてな…。今は、ケーキとか和菓子とか甘い物が好きだな。


趣味・読書だな。ジャンルは関係なし。ラ・ロシュフコーとか小林多喜二とか。


最後に一言


「まあ、なんだ。鶴の恩返しではないが鴉なりの恩返しで明日香の恋人になりたいと思う。私はお前が好きだから恩返しなんて言葉は体の良い理由なんだが…シンプルに言ってしまえば好きだ。いつか嫁にする。これは決定事項だ。長々と失礼したな」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ