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壊れゆく精神…何がしたいの?

ついに玉藻編シリアスパート始動!


むりやり繋げた感ありありだけどね…。


理由は作中にて。


次話は別視点、緋牙によるオフィスの様子をお送りします。


こんな作者だけどお許し下さい!お気に入り登録して下さった人に報いたくて…!!


あ・ユーザーを免罪符にすんな!自分のやりたい放題して!!


ゴンッ!!


作・ごめんなさーい!

翌日、朝。


「ご…しゅじ…。お願いで…から、す、簀巻きをと…いて下さい…頭に、血が…のぼっ…」


「右…にお…同じだ…あ、謝るからマジで…死ぬ…」


昨夜、情状酌量の余地有りと言われにわかに期待していた二人だが一晩、ロープ(ビニール製)で簀巻きにされてベランダの物干し竿に吊し干され逆蓑虫状態で夜を明かした。


「はあ、人が秘密にしたいことを勝手に見といてなに言ってんのよ。不満があるならもっときつめのお仕置き用意してもいいんだけど…ねぇ?」


仕事の準備をしながら冷たい目で簀巻きにされてる妖怪共を見る。

二人はというと、『あー』とか『うー』とかのうめき声でしか返事が出来なくなっている。


「…もう、…分かったわよ。解いてあげるからじっとしてなさいよ」


カラカラとベランダの引き戸を開け、早朝独特の澄んだ空気を吸いながら眩しい朝日を浴びる。

私なりの優雅な一時、とはいかず二人の簀巻きを解く。


ドサッ!


「ギャン!!!」


ドサッ!


「がっ!!!」


逆蓑虫状態で解いたから顔面から地面に行き強打する。

今回最後のお仕置きですよ。

「うう~…、頭がじんじんしますよ~…」


「あ、鼻血出た…」

「さて、追求はしないから仕事の準備しなさい」

「ご主人非道い…」

「俺より…鬼畜じゃねぇ…か」

「あっははは!乙女の秘密を覗いた代償だと思いなさい!」

二人の恨み言を笑い飛ばす。


「お前なんか乙女じゃねーよ!この嫁きおく」


ビュオオオオ!!ガシッ!!


顔を片手で掴まれる。


「ああ…、馬鹿雅鬼…。ご主人になんて事を…」


「…誰が、い・き・お・く・なんとかなのかな?まーさーきー君?なーあーに?おー・しぃ!!えぇ!!でぇ!!欲しいなぁぁ!!アアン!?」

ギチギチギヂヂヂィィィッ!!

チンピラみたいなドスの効いた声と顔で一気に締め 上げる。

「ヒッ!!」


「ガッ…ア…アア…グエエエエ!!だ…旦那…だずげ…」


顔を掴んでいる手を剥がそうとするが無駄に終わり、それどころか段々足が浮き始め、遂に顔を掴まれている手以外は宙ぶらりんの状態になる。

後に、『端から見て夢に出てくる程怖すぎる光景だった』と緋牙は語る。


「…俺、…先に出勤しますっ!!行ってきます!!」そそくさと逃げる間男のようにさっさと出勤した緋牙。


「ひっで…ギッ…マジで謝るからゆるじ…グアアアアッ!!」


顔を掴む力が増す。


心なしかギリギリと音が鳴っている気がする。


「乙女(私)の禁句に触れた罪に似合った罰だと思うけど?」

「やっ…め…、し、仕事に遅れ…るぞ!」

仕事をちらつかせて助かろうと画策している。

「…そうね…、…さっさと仕事を終わらせないとね?」


「へっ?」


「さて、次会うときは仕事場に間に合うと良いわね」


その時、雅鬼は氷の微笑を浮かべながら自身の顔を掴む女を見て心底恐怖したという。


グシャッ!!


糸が切れたように手がだらんとぶらさがっている。

ドチャ…とフローリングの床に倒れ込む。


仕事人・明日香。仕事を終え、会社に出勤す。


「じゃあ行くか…。鍵閉めといてね?それじゃ、行って来まーす!」


ドアを閉める音が虚しく部屋に響く。


「くそ…、冗談位…流せよ…。いってぇーな…」


ボロボロな体を起こし、ふらふらと歩きながら準備をして最後に家を出た。


「ちくしょー…。あ~…、朝日が目に染みんなー…」

目にしょっぱい水を溜めながら…。

それから割とデンジャラスな日常を送り、一週間後。

うん?何故省いたかって?まあ簡単に言えば、本編をとんとんと進めたいからさ。たとえ、女子社員の何人かの会話を盗聴、犯行現場を押さえるための盗撮やら、玉藻の数十股で亀裂が起きた会社内の派閥の暴動収拾やら、何故か緋牙(ワンコロ)がやたらと私の動向を聞いてきたと思ったら、私が関わった男性社員を全員闇討ちしようとしていたり (この件に関しては雅鬼がチクってくれたので未遂で終わらせた。部長だったらお前が始末されてるからな?)、女子社員が次々不幸な目にあったりしたので、最小限に留めたり、玉藻にぞっこんでろくに仕事しない男共のしわ寄せを食らって、一週間えぶりでい残業orお仕事お持ち帰り。そんな濃い一週間を過ごしたくらいです。うん、疲れた。


会社~。


相も変わらず逆ハーレムを築いてるハーレクインは左うちわな態度で仕事している。(正確には男共に自分の仕事分を分担させ、やらせている)


さて、玉藻につけたあだ名だが『ハーレクイン』。実にいいあだ名だと自分でも思うのだ。


ハーレクインのジャンルは非日常での恋物語、で合ってるかな?まあ王道ですよね?王道。

つまり、王道=ベタ。

『ベタ』という意味と後もう一つ意味がある 。

ハーレクインはフランス語で『道化者』だったりする。計算高い道化者。なんだろう、単にちやほやされたいって訳じゃなさそうだけど…いまいち真意が分かりかねるというか。後一枚くらい誰かこの件に噛んでるのかな?まあ、考えるだけ無駄か。どれほど心配したところで私は余人でしかないんだし当人たちで好き勝手…になんて絶対皺寄せ来るから嫌だけどそれなりに過ごしてもらうとしよう。


あだ名候補にフールでもいいと思ったがその場合意味が『愚者』になる為やめた。 むしろ愚者はハーレクインの尻を追いかけ回す男共だろうし。少なくとも男共に媚びるその言動は仮面を被っておどける道化者そのものだしね。いいんじゃない?楽しそうに生きてるみたいだしさ。もう飽きた。怒って叱り飛ばしても手応えなしだしさ…。


馬鹿に付ける薬はないって言うけど…、


「玉藻さん!この書類、出来ました!」


「玉藻、良かったらこの茶菓子…貰ってくれないか?」


「玉藻、ちょっとこっちに来てくれないか?」


「はぁい、今いきまぁす♪」



ほんまにようやるわ…。(関西弁になる程である。エセっぽいかな?)


(社長も玉藻にメロメロだからな~…。

ちっ、せっかく社長に仕立て上げたんだからもうちょっと自制心をもって公私混同しないようにしてもらいたいね~。…いっそ蹴落とすか? まあ部長が最後通告するだろうから任せるか。部長はいつも通りの狸親父っぷりでのらりくらりと過ごしてるけど…)


軽くファシズム入ってる黒い考えを巡らす明日香さん。


「ん?」


今気付いたが一人顔色が悪い奴がいた。


(えーと…確か、玉藻ハーレム軍団に居る…神庭かんばだったっけ?)

いかにも気分悪いって顔でよく見れば震えているし、息も若干荒い。

とりあえず今は玉藻ハーレム軍団から離れてるいたので知り合いが開業している医院に連れて行く事にした。


「中途半端に仕事の邪魔になるからさっさと病院に診察に行ってこい。なんなら知り合いの町医者が働いてる医院紹介してやろうか?近いし安いし口コミいいぞ?」

「え?なんなんですか?僕は元気ですよ!ほら、このとお…」


ガッ。

スーツの胸ぐら掴み上げる。


「やせ我慢されて迷惑すんのは私達もだし何よりお前だぞ?」


「だから、だいじょ…」


ゴスッ!

頭を殴って黙らせる。


「ごちゃごちゃ言ってないでいいから行こうか?」


ニッコリと笑いながら脅している。


「じゃ…ジャイ●ン…」


絞り出すように抗議の声を上げる。


「確かに私はジャイアニズムを肯定しているわ」


が、あっさりと認められる。



抵抗をやめ、なすがままに医院に引きずられる神庭は彼が恋する女、玉藻を見る。

だが玉藻は自分に気付かず、他の男性達を見ていた。

それを見て彼は自分から彼女を見るのをやめ、俯く。


「…どうせ僕じゃ届かない、高嶺の花、ですよね…」


そう寂しげに呟く。


ズッキュウウウウン!!!!☆


注・誰かさんのハートを撃ち抜いた瞬間のイメージ音です。


(や、やだ!ちょっと私ったら心身ともに弱ってる相手になんでときめいてるのよ!?これが噂に聞く不憫萌えなの?)


顔には出さないようにしているが内心、恋する乙女のようにドッキドキ☆状態です。



所変わって医院『ひらふみファミリークリニック』です。



「う~ん…、やっぱり熱がありますねー…。駄目ですよ?いい大人がやせ我慢するなんて?」


私の知り合いにして腕前、容姿性格、人当たりの良さ等、老若男女問わずに人気のある女医、猩々(しょうじょう)(でら) 美由梨( みゆり)です。



髪は雅鬼みたいに真っ赤ではなく地毛だと分かる赤茶けて肩までのショートカットの童顔で、見た目はふわふわしてそうな感じ(つかまんまロリ巨乳)だが、普段と通常診察の時は面倒見の良いお姉さん。しかし緊急時の時はテキパキと的確な指示を出せる人物である為、ここに勤めてる看護士さん達から自慢だと言われた。


その時は風邪を引いて、知り合いという特権を使って安くしてもらおうと思って来たら知り合いということで待ってる間延々と自慢話を聞かされた。まあ、知り合いだから知ってる事もあるけどね。


こいつは酒癖が超絶悪い。

例えば、焼鳥屋でビール一杯ジョッキ)を顔が真っ赤になる程飲みまくり、案の定酔っ払ってゲラゲラ笑いながら窓ガラスに特攻してブチ割って、店の外のコンクリートの地面にダイブしてコンクリートの地面に叩きつけられたと思ったら血だらけになってゲラゲラ笑いながら戻って来た事など。もちろん救急車呼びました。


(ちなみにその時の飲み会メンバーは、私・ペティ・龍剣のじっちゃんとじっちゃんの奥さん・この間電話した漫画家兼巫女業の鈴奈・賀東夫妻・後もう一人居るが紹介すると長くなるので省略・美由梨のメンバーだ。ペティが救急処置していた)


店のガラス代金と私らに払わせたよね? 通院代は勿論本人に払わせた。



また別の日、酒を飲んだ帰り道、携帯から電話が掛かってきて迎えに来てと言い、どこかと聞けばETC前と言い、理由を聞けば、


『自転車に乗って高速道路を通ろうとしてETCで引っかかった』とか…。

で、私もお酒飲んでたから車はやめて自転車を飛ばして行けばETCのバーの前でぐーすか寝ていたわけですよ。深夜だから通る車が無かったから良かったものを…、高速道路の駅員さん?みたいな初老の方が困った顔して介抱していたり…。あん時はむかついて眠気覚まし(いろんな意味で)の一発ビンタした。マジビンタってやつです。


そして何しでかすか分からないから前回の飲み会の後ペティと鈴奈がマンションに送りに行ったが、どこをどうしたのか近くの川に落ちて安らかな寝顔のままラッコみたいな体制で下流に流されてあわや土左衛門どざえもんになりかけたり…。(ペティと鈴奈が服濡れるなんてそんな心配かなぐり捨てて泳いで助けに行ったのにも関わらず助けられた当人は安らかに寝こけていた)


「んー…、今日はお休みした方がいいですよ?このまま仕事したら本格的に体調を崩しますよ?それこそ仕事に支障が出るくらいに」


額に手を当てながら微笑む。


「あ、はい…」


神庭の顔が多分別の意味で真っ赤になる。


(あははー…、これで天然無自覚だから憎めないのよね…。グッバイ、私のときめき…)


「それじゃあ咳止めの薬と解熱剤、後抗生剤を出しときますのでどうぞ体をご自愛してください」


「あ…、えっ!は、はい!」


パキンッ。


恋が芽生えた瞬間を見たなと思ったらガラス細工が割れたような微かな音が耳に入った。


「う…ぐっ!?い…たい!!頭が…痛いっ…!!ウガアアアアッ!!」


突如、頭を抱え苦しみだした神庭が床に倒れ込む。


「えっ?」


突然過ぎて状況を飲み込めない私と違い、美由梨は一瞬驚いたが即座に判断して行動に移る。


「っ!!私の管轄外だけど一緒にベッドに運んで!運ぶ時も運んだ後もはなるべく不必要に動かさないように!」


「わ、解った!」


戸惑いつつ神庭に触った時、何かが頭の中に入ってきた。


『玉藻玉藻玉藻玉藻玉藻玉藻玉藻玉藻玉藻玉藻玉藻玉藻玉藻玉藻玉藻玉藻好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛って魅了シタハズナノにコノ女にコイシヤガッテ、このボンクラァァ…。ココロガワリハ絶対ユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサ・ナ…イ…イイイイ!ワタシノトリコデアリツヅケロォ!!!ズットワタシヲ愛で哀死テロヨ☆!オマエの存ザイ、カ値なんTeソレクライナンダヨ!♪モブヲは私、タマモにツクシャいいんダYO!!……ずっと私をぉ、『可愛いね、玉藻ちゃん』って言って下さいね♪きゃあぁ、言っちゃった♪…ウッフフフフ、…ふふふ、アッハハハハハハハハハハッ♪』



そこまで頭に入り込んで来て気持ち悪くなり触れた手を引っ込めた。


ほんの一瞬なのにサブリミナル効果という奴だろうか?思い出すとじっとりと嫌な汗が出る位に気持ち悪く、まとわりつくモノだった。


ドロドロしてるとか恨み妬み嫉妬とかそういう人間の醜い感情じゃなくてただ、『ばっちいものを触った』と思った。


純粋な人間の欲求でありながら自己中心的で悪質な事このうえない欲求がもし具現化したらこんな感じなのだろうか?


つまり嫌悪感がハンパない。理性じゃなくて本能が嫌がる。

「イギャアアアア!!!グギャアアアア!!」


狂気じみた悲鳴でハッと現実に引き戻される。


神庭が頭を抱え叫んでいた。痛みのせいだろうか?最早目が正気じゃない。


「アアア…ア…」


意識を失い倒れ込む。荒い息を吐きながら体が痙攣していて痛々しい。そして、それを見てギョッとした。


だって気を失っている神庭の目や鼻、よく見れば歯ぐきからも血が流れていたから。



「熱っ…なにこれ?さっきので体温が凄く上がってる…」


の美由梨が額に手を当てると驚いている。


「明日香…救急車呼ぶから会社に連絡して、この人の休みを取ってきてもらえる?」


異変に気付き、駆けつけた看護士さんに慌ただしく指示をしている。


「解ったけど…大丈夫なの?」


「…危ないかも知れない。でもやれることは必死になって最善まで漕ぎ着けて、それを尽くすのが私の仕事だから諦めないよ?だから会社に行って来て?」


「…うん」


そうして会社に戻ったが、その時気づけばよかった…。いつもはロクに掛けて来ない部長から連絡メールが来ていた事を…。


小ネタ劇場【川に落ちた美由梨その①】


暗い夜道を歩く三人がいる。


そのうち一人は橋から少し体を出し、川を俯いて見ている。


み・うええええ~…。

ゲロゲロゲロ~…。


正確には吐いている。


ぺ・あんたいつまで吐くつもりなのよ!!


す・早く帰って寝たいよ~…。締め切り間際まで徹夜したからだるい~…。


み・ウボオオオ…。


ゲロゲロ~…。


ぺ・だからいつまで吐いてんのよ!!五分前から待ってるんだけど!


す・せっかくあげたソルマッ●が効いてないみたいだし…。返せぇ!本来私が飲むはずのソ●マック返せぇ~!


み・うえ…。


ゲロ…。ゆらゆら。


吐くのをやめ、ピタリと止まると今度は不安定に体が揺れ始める。


ぺ・ちょっと!何よ!

す・なんか嫌な予感がビンビンしちゃうよ~!?


グラァ…。


橋の外側に向かって体が傾く。


す・ぺ・あっ…。


み・ぐう…。


す・ぺ・寝てるうぅぅ!?

グラァ…。バッチャーン!!


プッカア~。スイー…。


み・グカ~…。


す・安らかな寝顔で流されてる~!!?


作・続く!?

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