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れっつふぁいてぃんぐー…うーん、ぬるい…

ぬるい…。


なんせバトルなんて書いた事がないから、ただただぬるいんです…。

さて、ゲーセンの店内にある程度広く周りにゲーム機が置いてない所に場所を移した。

「さて、許してあげるのは今の内よ」


二人に向かって最後通告を告げる。


「俺はご主人を心配してやったんです!!…なのにこんな仕打ちは無いですよ!」


悲痛に顔を歪め裏切られたかのように苦しげに叫ぶ。



「あんたが助けてくれたのは感謝してる。だけど、加減してないしやり過ぎなのよ!」



普通に目には目を歯には歯を位にしとけよ!



あれは3倍返し位だったと思うぞ!?





「俺は謝らねーぞ。折角気遣っておめえの為にやったのになんで怒られなきゃならないんだよ」


ブーブーと不機嫌そうに文句を垂れる雅鬼。



「お前は反省しろ!!ボコボコにしすぎじゃあ!」



チャラ男達を靴磨き以下と言ったこの口が何を言うかぁ~~!!



「はあ、もういい…。わかった!いいか!!よく聞け!!今から私がするのは愛のムチだ!受けるのが嫌なら本気で抵抗しなさい…」


生憎、私は堪え性が無い人間でね。まだるっこしいのは嫌いなんだ。



「…ご主人。一つだけお願いがあります」



「何?聞くわよ」


「…俺がご主人に勝ったら、俺の女になって下さい!」


「「は?」」


あまりに唐突過ぎてついてけない2名(明日香・雅鬼)。



「ま…、まあいいわ!イイじゃない…。受けてたつわ!」


若干戸惑いましたが。




「やった!それじゃ、ご主人には悪いですが…、勝ちにいかせてもらいます」


一瞬にして変わった。


子供のように喜んだと思ったら真剣な態度と顔つきになった。


なる程、雅鬼が尊敬するわけだ。


「せいぜい楽しませてくれよ?」


こっちもこっちでやる気ね…。


「あんたは一回痛い目に…は、もう会ってるか…。だったらもっぺん痛い目見ろ!!」




さあ、始めようじゃない。


作・はーい!ここからは作者がレフェリー担当と厨二病を全開にしてお送りしまーす!



葛之葉 明日香


クラス・狂戦士バーサーカー


サブクラス・暗殺者アサシン



VS



緋牙


固定クラス・妖怪、犬神


サブクラス・???



雅鬼


固定クラス・妖怪・鬼


サブクラス・???


レディ…、ファイッ!!


カーン!

ダッ!


「悪いですが、一気に決めますよ」


緋牙が距離を一気に詰めて来る。


速い…。が、



「忘れたの?私のスカートのこと…」


忘れている人に簡単説明。


私のスカートの中は日用品が大量に入っているのだ。


ゆえに、


「この距離…、あんたにとって、死地だよ!」


緋牙がしまった!と言う顔で避けようとした時には、私はスカートから万年筆を取り出した。


「さあ、踊りましょうか…」


万年筆を逆手に持ち相手の身体を切るように、一閃。



「くっ!」


すれすれでかわしたようだがそれでいい。

外した、というよりは距離を取らせた、のほうがしっくりくる。


まあ、これでいい。


避けて隙が生まれたのだから。



ビュン!


逆手持ちの万年筆を緋牙目掛けて投げる。


ザスッ!


「いっ!!?」


肩に刺さったが加減はしている。



痣は残らない。



痛みに一瞬気を取られていたようだが、それでは遅い。




「痛みに気を取られるなんて甘いのよ!」


今度は私が距離を詰める。


しかもいくら緋牙が避けたとはいえ私との距離は近い。


「さて、寝てなさい!」


軽い足払いを掛けて重心をずらす。


「なっ!?えっ?」


そこから肩を抑えている腕を取り、一本背負い。


「せえのっと!!」


背負い投げている途中、柔道では一番やってはいけないことをやる。


「うらあ!!」



それは技の途中で投げられる相手の腕を離すという危険極まりない行為だ。


「うわわ!」


パッと手を離すと緋牙の身体が運動エネルギーに従って飛んで行くが油断が出来ない。



くるん。



そんな擬音が付きそうな程、器用に空中で身体をねじり着地する。


「よっと」


丁度猫が高いところから落ちた時に、身体を捻って着地するような感じだ。


スタン。


「あっぶないなぁ!できればお手柔らかにお願いしますよっ!」


ダン!


地に着いたばかりの足で地面を蹴り出す。


「!!!」


これには正直にこいつの身体能力を褒めるべきだし、私の予想を上回る動きなので驚きは隠せない。着地からの瞬発力が凄い。


距離を取る為に投げ飛ばしたのだが、それが仇になってしまった。


今の私は投げの型を解いたばかりで次の攻撃の型に繋いでいない。


つまり、がら空きなのだ。





「やばいな…」

呟いたのは心からの本音だ…。



とはいえ、まだ切り札と奥の手は有るには有る…が、切り札は女を捨てに行くし、スカートの中にある奥の手は私自身に架したルールに反する。


何より、奥の手は銃刀法違反になる。



さて、皆さん。


切り札と奥の手の違い判ります?


私にとって切り札はルールの範囲内で使える技で奥の手はルールを無視していると思っている。




なので、



「しょうがないな…、女を捨てに行きますか!!」


『女』明日香、真っ向勝負に出ます。


「うえっ!?正気ですか!!」


流石に驚いたようだが怯まないところは賞賛に値する。


「ええ!女を捨てるけど!」

まず、出てきた拳を捕らえてから背負い投げる。


ただし、今度は私の真上に上げる。


「何度も同じ手はくらいませんよ!」


空中で体勢を立て直そうとするが遅い。


「さあ、どうかしらっ!」


私が繰り出したのは空中アッパー、即ち、しょーり●ーけんだ。


「ドリャアアア!!」


メリィッ!!!



ボキッ。



何か折れた音がしたが気にしない!



「ア!?ガハッ!」


もう一度、宙を舞う緋牙の身体。


現実的に考えて拳一発で成人男性を打ち上げるのはあり得ないが…、私は言ったはずだ。


『女』を、捨てに行くと。



そして虎爪の型を作る。

「せえのっと!!」


ザクッ!ザシュ!ザクザシュ!ザシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ!


奥義、乱れ引っ掻きなり。


案外普通のネーミングセンスだがやってる風景はエグい事この上ない。爪なのに引っ掻いただけでスーツがバラバラに破けて(ちょっとしたコツでできるのよ、これ。爪剥がれそうになるから日常では使わないけどね)そのまま皮膚を引っ掻き続けたため爪はマニキュアをしたように真っ赤になり、血で滑るおかげでかなり引っ掻くスピードが上がる。




ドサリ…。


緋牙は力無く地面に叩きつけられた。


「な、にが…?」


緋牙が狐につままれたような顔をする。

まあ、状況を理解できない筈だ。


女の私が大の大人…、しかも男をアッパーで空に浮かせたのだから。


(それよりも…、ちょっと帰ったら一人で反省会しようか?私。頭に血が上ると手加減なしで手が出る癖をあれほどなくすって決めてたのになにまがいなりにも助けてくれた相手にしてんの!?雅鬼少年全力殴打事件を忘れたの!!!?)




ふと、昔、おばあちゃんに聞いたことを思い出す。

『ねぇ、おばあちゃん。なんで私たちの苗字が葛之葉なの?変なのー』

『ああ、それはね…』


過去の一幕を思い出すも、今はそんなことしてる場合じゃないのだ。


いや、よそう。


まあ、簡単に言えばあれだ。


純正こいつらとは違うが私も真っ当な『人間』とは言い難いのです…。


それに…、私は負けましたので。

倒れている緋牙に近づき、しゃがんで頭を撫でる。


「ご、ご主人!?いきなりなに、してるんです!?」

端から見ると血で濡れた手で髪の毛を汚しているように見えるのに緋牙は顔を赤らめて狼狽えている。


「ごめんね…」


つぶやいて身体を起こしてやる。

こいつは最初から手加減をしていた。

私を傷付けないように、攻撃するフリをしてわざと私の技を受けていてくれた。


「手加減してくれたのに、こんなひどいことしてごめんね…。うん、私の負けでいいよ。なんでもしてあげるよ?」


「あはは~…。やっぱりバレちゃいましたか?」


少しばつが悪そうに言う。


「それで、あんたの女になろうか?それとも肉体関係でもいいよ?お気の召すままに扱ってくれてもいいんだよ?」

「………へっ?今、何て言いました?」

弱々しげに痛みを我慢しながらいつものにこにことした笑顔が消えて代わりに痛みなんて忘れたみたいにはとが豆鉄砲食らったみたいな顔に変わった。


「はぁ、…なに間抜けたこと言ってんの。だーかーらー、あんたに私の処女なり何なり好きにしても構わないって言ったの。傷も酷いし本来なら嫌悪されるだろうし、最悪殺されても仕方ないって思ってたのにそんなへらへらした顔で許されたら私の立つ瀬がないの。だから私の財布でも体でもお好きにどうぞ」

「………のおおおっ!!!?ちょっ!?ごっ、ご主人!!!?本気で言ってるんですか!!?」

僅かの間沈黙して、急に顔が真っ赤っかに変わったと思えば今度は奇声を発しながら私の両肩を掴んで揺さぶり、声を荒げる。


「だから本気で言ってるんだって。なんなら片腕の一つでもあげましょうか?小指の方だけで済むなら安いもんだと思ってるけど」

「それは待った。そういう意味での体の提供は無しの方向で。え~…。でもどうしようか?俺としては棚からぼたもちなんだけどいきなり過ぎて思考と感情がついてけてないなー…。この際式神として契約しようかな?んー、どうせならご主人の魂とか寿命を何割か貰おうかな?いやいや、折角俺にも肉体があるんだからご主人を堪能しようか?全身に歯形付けたり、血が滲むまで首筋とかうなじとか噛んでみようかな?穴が開くまで耳たぶを噛んだり、髪を噛み千切ったり…はっ!ご主人は一つだけなんて言ってないからもしかしたら全部出来るんじゃ…」


随分と懐が深くてお優しいと思っていたらそれ以上に緋牙様の異常嗜好が見えてきた。

(………軽はずみでなんでもするって言うもんじゃないね。悪魔相手に魂売った気分だな。というか今、魂とか寿命とか不穏な言葉が聞こえた気がしたけど…。やっぱり無理…、とか言えない…。というか言いたくない…。言い出しっぺで加害者だから…)

「あ~…ははは~…、い、いいよ~。今言った事全部オッケーするわよ~…」

(ああ~…、自分でとどめ刺しちゃったぁぁぁ…。馬鹿っ!!馬鹿馬鹿ぁぁぁ!!)

いけない、目に涙が!それと怖がってる顔になってないかな?謝罪する人間が嫌がってるとは悟られてはいけない。


「…んー、今言ったのはお預けでいいです。それにご主人には俺自身に惚れて欲しいんです」


「それに俺は怪我なんてへっちゃらなんですよ?ほら!もう傷なんて無いでしょう?」

そう言うとくるりと回ってスーツが裂けて痛々しい生傷があるはずの背中を見せてくる。確かに傷なんて無くて綺麗な素肌に戻っていた。それを確認してこちらに向き直るとへらりと苦笑して穏やかな顔を見せた。

(でも白シャツに血が着いてたよ…。ごめんなさい)


…なんでだろう?あんな残虐な事言ってた筈なのにこいつが綺麗に見える不思議。


「敵わないなぁ…」

格好いいや…。というか許して貰ってばっかりだけど自重しないとDV女になりかねないな。私。


だが、明日香は聞いていなかった。緋牙が『惚れてほしい』の次に呟いた言葉を。

ボソッ「それにその恐怖に怯えた笑顔を見たらゾクゾクして満足したし…」




「さて、無理させちゃったし、ゆっくりしてていいよ。…雅鬼、なにしてんの?」


ふと横をを見ると必死な形相で地面を転がりながら何かから逃げている。



「いや!!これはっ!!」

バンバンッ!


乾いた音と共に雅鬼の転がっていた地面に次々と銃痕が出来る。


(あー…、じっちゃん、着いたんだ…。)


「ほれほれ、逃げ仰せて見せろい!」


カラカラと笑いながら片手に持つ拳銃を撃つじっちゃん。


もう片方にはドスを持っている。


バンッ!!


「じ、じじい止めろ!!」


雅鬼はなんとか身体を起こして銃口から逃げている。


「ほほ…、じじい呼ばわりはやめい。老いた気分になるわ」




ドスを雅鬼目掛けてブン投げる。


ガキッ!


雅鬼の服が刃物で壁に縫われた。


「ちょ!?服がっ!」


「ほれ。言うことはないのかのぉ?」


チャッ!


雅鬼に銃を向ける。



「ギャアアアアア!!」


雅鬼の絶叫が響く。


「ほれほれ」


バンッ!バンッ!


ビス!!ビス!!


雅鬼に当たらないようにコンクリの壁を撃つ。


「ウギャアアアアアア!!!」



「じっちゃん!来てくれたんだ!」


「え、ご主人知ってるんですか!?」


「知ってるも何もさっき呼んだ人だもの」



「なんであの人銃持ってるんですか…?」


「じっちゃんはね、ここら辺取り締まってる極道の頭領ドンだよ」





次話に続くよ!

作・今日のゲストは緋牙君だよ~。


ひ・どうも、緋牙です。


作・いやあ、なかなかフェアな男じゃないか


ひ・そうでしょうか?



作・だって無理矢理じゃなくてキチンと向き合うんでしょ。


ひ・当然です。あまり強引にしたらご主人に嫌われるかもしれないので強引になるのはちゃんと雰囲気を見極めてからですよ。


作・明日香ちゃんがね、あの変態行為をチャラにしてあげるって言ってたよ。


ひ・幾つも思い当たるのですが…、どれでしょうか?


作・ストッキング舐めたやつ。


ひ・あ、良かった。

作・まあ、明日香ちゃん来るまでゆっくりしてきなよ。


ひ・ありがとうございます。

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