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何でこうなるか…尋問すべきか…

あははははははは!


笑うしかないよね。


(なんで居るんだよコイツらぁああっ!)


とりあえず平静を保って私?


じゃないと拳が飛んでいっちゃうから。


「きゃ~!格好いい~!!彼女いますかぁ~!!」


きいぃぃぃっ!!


三枝~~!!


とりあえずお前は黙れ!!


…ボソッ、

「…遥人君?」


ニコッと笑うが黒い笑顔。

ついでに玉…三枝に向かってビッ!と親指を向けて、顎で示す。

指示は(連行しろ)の意。


「はい!」

ダッ!!

「玉藻?なんか飲み物奢ってやるから一緒に来てくれないか?」

ぎこちない顔で私を見たのち、ダッシュで玉藻を連れ出そうとする。

「あ、ありがとうございますねぇ!じゃあカフェオレをお願いしまぁす。メーカーとか味はあまり気にしないので気を使わないでいいですよぉ?」

くっそう、あっさりクリアしよった。そこは、『はぁい、わかりましたぁ~、遥人さんは何を買うんですかぁ?』的なこと言ってホイホイ着いていきなさいよ!!


「だ…とりあえず、来てくれないか」

「?わかりましたぁ?」

一旦どもるんじゃないよ。

おかげで三枝さん首かしげてんじゃない!

だがまあよし、引き剥がしたならそのままデスクに縛り付けとけ。


「犬持君に鬼田君でしたね。私は二人の教育係なんでよろしくお願いしますね!何か解らないことがあったら私だけじゃなくて他の皆に聞いてくださいね?」

とりあえず知らない振り知らない振り。

自分でもどうかと思うくらい実に薄っぺらい笑顔で対応する。本来なら落第点もの対応だが今、顔を素に戻すと恐らく怖い顔になるので無理です。


「えー!ご主人よそよそしいで」ガッ!


ネクタイを掴んで黙らす。

「まあ、犬持君。ネクタイが歪んでるわ!直してあげる」

(あっぶねー!やべー心臓バクバクしてんよ!冷や汗出たよ!何さらっと危ないこといってんの?ねぇ?初日にクビになりたいの?)


「容赦ねぇな、あす」グイッ!


こちらもスーツをひっ掴んで黙らす。


「鬼田君もスーツに糸くずが付いてるわ」

(お前は完全にわざとだな?わざとだろ?今ここで顎はずしたいけど我慢しないと私の社会的地位が崩壊するのよ!?分かるかな?)


耳元で二人だけに聞こえる声で「お前ら後で面貸せや…」


ドスの効いた声で脅す。


「は…はい…」

雅鬼は冷や汗をかいて、

「うぅ……」

緋牙は怯える。


妖怪を声一つで黙らす女、明日香。


「とりあえず、お昼休み何だけど昼ご飯食べたかしら?」


「いえ、まだですが…」

緋牙がおずおずと言う。


雅鬼が小声で、

「馬鹿っ!!旦那!これは罠です!!」


「じゃあ一緒に食べに行かない?勿論奢るわよ?」


ニッコリ、

笑ってはいるが、


ゴゴゴゴゴゴッ…、

纏うオーラは怒り。


さて、他の女性社員やお局様のブーイングはというと…、


(((ヒィィィ!!勿論奢り発言したぁ!!)))


明日香の奢りは3通りあり、


まず一つ目は機嫌が良い時


2つ目は普通に出す。

そして最後の3つ目が機嫌が悪くお説教をやる時、


先程の遣り取りから何らかの関係はあると判断し、機嫌が悪くなっているの感じとっていた。


ただ一人を残して…、


(なに、あの女…、馴れ馴れしく誘いやがって、うぜえ。奪い取ってやる)


「じゃあぁ私と行きませんかぁ?先輩なんかよりも私の方が良いお店知ってますよぉ~」


(((何やってんだ~!!玉藻!)))


玉藻は明日香の武勇伝を知りません。


イラァッ!


(はあ、少しばかり痛い目会わないとこの子は後の人生で絶対泣く羽目になるな…。というか狙うにしてももうちょっと場所選んで?後で資料室の整理を任して二人っきりにしてあげるからそんときにでも野獣になりなさいよ!)


女だし新人だから多少大目で見てたけど怒っとくか…。

(おかしいなぁ、玉…三枝さんは前の職場であんな散々な目に逢ったはずなのに…、もしかして懲りてないとか?入った当初はかなり真面目で、勉強熱心だったのに。育て方を間違えたのかな?)


というかコイツらに恋愛感情なんて持って無いから。


「ねぇ~、一緒に行きましょ?」



(うおう、緋牙の腕に腕を絡ますなんて大胆な事やらかすな~。正直、あのナチュラルにあんなこと出来るなんて、見習いたいね。後学のためにも)


「ちょっとたまちゃ…「離れろ、鬱陶しい」


言い終わる前に緋牙に遮られた。


「「え?」」


一人は玉藻、一人は私なんだけど…、というか今、コイツからやたら冷えた声で鬱陶しいとか言ったの?あんたそういうキャラでしたっけ?

今まで見てきてアホな部分がやたら目立ってましたが本性こっちっていうオチなの?


というか、(私の元後輩を捕まえといて、鬱陶しいですって?ムカつく)

いやね?私が怒る分には良いんですよ?だけど他人が怒るとこ見るのはちょっと、ムカついちゃうなーって思うんですよ。「何私の可愛い後輩いじめてんだよ」ってミーティング室に呼び出して問い詰めたくなるんです。いや、レズじゃないのよ?なんというかな?親心?みたい…、なのかな?


雅鬼を見ると唖然としてる。


「上司に向かってなんか呼ばわりする女は嫌いだ(ご主人を馬鹿にする奴は許さない)」


ちらりと緋牙の顔をうかがうと、ぶすくれてそっぽ向いていた。

あ、今本音見えてホッとした。


「そ、そんなこと言わず雅鬼さんも!」

ターゲットの変更速いな!


「いや~、パスで」

だが雅鬼選手、華麗にスルー!


「じゃあ黒也君!一緒に行こ?」

自動ロックオン機能でもついてるんですか?いくらなんでも速すぎるよ。


「遠慮しときます(哀れだな)」

そりゃそうなるよね~。二兎追うものは一兎も得ずってやつだよ。追うなら一匹ずつ確実に仕留めるんだよ?男を二股(キープ)する女は手始めにまず一人を落とすんですよ。そしてたまーにアメを与えつつ…じゃなくて、話が脱線しちゃった。


「あ…えっと遥人さん?」


「ふう、ごめんね、書類がもう少しで出来るから一緒に食事出来ないんだ」


心遣いが乏しい男、遥人。


なんだろう…。あれほどムカついてたのに今はただただ哀れで悲しくて、見てるのが辛い。


早々に立ち去るか…。


「さて、お昼どうする?」


「あ、行きます!」 緋牙は元気良く返事を。




「んー…」


チラッ



雅鬼が玉藻を見る。

「なんで…この…ぶつぶつ…」


下向いてぶつぶつ言ってて怖い。


「あー、有り難くご馳走になります」


チッ、逃げる為に使われたか。


「それじゃ、行きましょうか」


「あっ、私もいいでしょうか?」


「えーと…、正直言うとお説教しに行くからあんまり来て欲しくないんだけど」


「そうなんですか?」



「こいつら知り合いでさ、ちょーっと前に姿眩まして消えてたからそれを問い詰めようとね」


苦しい言い訳だな私。


「そうですか…」


「んー、今日一日の営業態度良かったし夜空いてたら奢るわ」


ごめんね、と言いながら頭を撫でる。


(気持ちいいが年下扱いが納得いかんな…)


(ご主人に撫でられて…、羨ましいな)


「ありがとうございます。空いてますのでお供させてもらいます」


「さて、たっぷり聞かせて貰おうか」


「あ、ごしゅ…、葛之葉先輩、俺は少し用があるので入口で待っててもらえますか?」


「それくらいならいいけど」



「ありがとうございます!」


「俺を一人にするんですか!」


「行くわよ。鬼田君?」


「はい…」


普通に見たら恋人みたいで羨ましがられるだろうが、連れ歩く姿がまるで罪人と執行官のようで誰も近付かない。


「もうちょっときりきり歩いてもらえるかな?」

「はい…」




所変わって緋牙はというと、

「鴉がご主人に何のようだ」



「ふん、さすがは犬と言ったところか…鼻が効くな。なに、あの子には世話になってな、あわよくば恋仲になろうとな」


「恋仲か…、俺がご主人を逃がすと思うか?」




「あの子が選べばお前も手出しは出来ないだろう?」


「そこはご主人に任せるさ」



「まあ、今の所お前の方が彼女の気を引いてるがな」


「俺はもう行くよ。ああそれと、…ご主人は俺のだよ」


ニヤリと明日香には見せたことが無い笑顔を浮かべる。


まるで貪欲に獲物を追う狼のように笑う。

背中を見せ、




彼がご主人と呼ぶ愛しい人の元へ行く。




「明日香も難儀な奴に好かれた物だな…」


まあ、私もその一人だがな、と呟いた黒也を残して。

人物紹介そのさん


緋牙


年齢・681歳ですね。


誕生日・妖怪化した日なら4月13日です。


好物・好きなのはご主人!食べ物なら中華です。


趣味・ご主人と一緒にいること


最後に一言


「ご主人、大好きです!」

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