Noct-000
好きって言えたら、どんなに楽だろう。
素直になれない気の強い桃花とたらしの蓮。
恋人と別れた時、蓮は言うんだ。
「付き合うか?」って。
本当は付き合いたい。
喉から手が出るほど蓮が欲しい。
でもね、気の強い桃花は、こんな付き合い方は嫌って思っちゃう。
実はロマンチストでもあるんだよね。
だから、「何言ってるの〜」と親友を演じちゃう。
ある時、桃花は蓮に3冊の大学ノートを手渡すんだ。
「これ詩を書き溜めたの。読んで感想教えて」と言いながら、ほんの少しだけ声が震えたけど、きっと蓮は気づいていないだろう。
蓮がノートを返してくれた。
「どうだった?」
「詩って言うより、物語みたいに感じた」
「俺のこと好きなんだろう?」
どきりとしたけど、「またそう言うことを言って…」と独りごちながら、ノートを受け取った。
そうね。これは告白みたいなものだものね。
どうして器用にできないんだろう。こういう時って、なんて言えばいいんだろう……。
他のどんなことでも器用に上手くできるはずなんだ。
振り返ると、蓮はもう別の誰かと話してる。
そうして自分を責めてしまうんだ。
見せなきゃ良かったなぁ。
でも、こうも思う。
勇気を出して見せられたんだから、すごいじゃん。
相反する気持ちを持て余すんだ。
あいつ、絶対俺のこと好きだと思った。
また違うって、今回は言われていないけど、なかなかハードルが高いな。
詩は届いていた。ちゃんと、届いていたんだよ。




