雨に唄う
透は雨の中、待ち合わせに来た、晃と出かけた。
透は違和感を感じるが
土砂降りの中、透は家に晃を連れて行った。
「ただいま」
母親にそう言うと、タオルを取り、晃に渡し、自分も雨で濡れた、水分を拭き取った。
透は晃からタオルを受け取る。そこで透は違和感を感じた。
透は2階の自室に晃を連れて、行く。
ギターを弾いて、自作の歌を歌う透、それを晃は大人しく聞いていた。
歌い終わった所で、晃は口を開く。
「もう一度、弾いてくれる?」
透はもう一度、弾き始めた。
少し、進むと晃は
「ここはこうした方がいいんじゃない?」
と言って、歌い出した。
仕上がりが良くなり、楽しくなった透は夢中2人で歌い、改良を繰り返した。空は先程の雨が嘘の様に晴れ渡っていた。
「楽しかった。そろそろ行かなきゃ」
晃は立ち上がると
「途中まで、乗せてきますよ」
そう言って、立ち上がる。
居間にある母親に
「ちょっと、送ってくる」
と言うと、母親はチラッと見て、
「誰を?」と問いかけた。
透は外に出ると、拓也から電話が掛かってきた。暫く、話をすると、電話を切り、晃を見つめて、晃も透の顔を見て、苦笑いを浮かべた。
透は無言でバイクに乗り、晃は後ろに跨る。
「拓也さん?」
透は頷く。そして、走り出した。
「拓也さんから聞きましたよ。昨日、晃さんが事故して、病院に居るって、結構、危ない状態だって、」
雨が急にザーザーと降り始めた。
普通なら、騒音とかで、届かない声だが、
「そうなんだよ、少し、考え事しててね。マンホールでツルッと滑ってね。その調子だと、気付いてたね」
「こんな土砂降りになのに、水が全く、付いてなかったので、」
「そうなんだ」
「何で、来たんですか?」
「悩んでる子が居るって聞いてね。拓也さんはいい歌手なんだって言ってたから、どうしても聴きたくて、どうせ、最後なら、俺のアドバイスが役に立てるならとね。最後にいい音楽を聴いた。あの世でも楽しめるなとね、あの世がおるか、分からないけど」
「ふざけんな!」
透は叫ぶ
「一緒にデュオやろうって言ったじゃないかよ」
「すまない」
「アンタのアドバイスなんか、なくても俺はやれたんだよ。」
透はため息を吐く。
「糞、アンタが気になって、いい曲が歌えなくなりそうだよ。これから、病院に送ってやるから、とっとと生き返ってこい。それまで、待っててやるから、一緒にデュオやるぞ。アンタが戻らないとデビューできないからな、有名な事務所に入るんじゃなくて、ショボい事務所で、1から世界目指すぞ」
「ああ」
晃がそう言うと、透の背中から重みが消えた。
透は歌い出した。将来の相棒を思って




