二人の夢
二人は商店街を歩いていると中で、アクセサリー屋を見つけた。透は中を見てみたいと思った。
「あそこ、入りません?」
「いいですよ」
二人は店の中を見回り、透はネックレスを見つけると立ち止まった。
「これいいと思いません?」
「俺はこっちの方がいいかな」
透は晃の選んだのを見るとそっちの方がいいと思え、晃のセンスは自分に合うなと思った。晃が選んだのを手に取り、
「僕はこれ買いますね、江川さんは何か買いますか?」
「俺はいいよ」
透は会計に行き、商品を出すと会計をする。透は店員が故意に透と目を合わせないようにしていると、感じたが、気にしない事にした。会計を終えた時、店員と目が合い、ジッと店員は透を見つめていた。
透は特に気にせず、店を出ると晃が待っていた。
早速、透は今買った、ネックレスを着用すると、写メの自撮りで確認する。そこには魅力が一つました透が映っていた。
晃を見るとピアスに目が留まった。
「江川さん、そのピアスいいですね」
「そうかな」
「何処で買ったんですか?」
「この店」
「本当ですか!?ちょっと見てきますね」
透はそう言って、再び中に入っていった。
少しすると、直ぐに見つかり、残り一個で急いで買わねばと思い、値段を見ると、透には買えない金額だった。
落胆して、その場を後にし、後ろ髪がひかれる思いで、ピアスを確認すると、誰かが手にするのが見えた。更に落ち込んだ透は晃に会うと、
「買えませんでした」
と言って、晃のピアスを羨まし気に見つめていた。
晃はピアスを片方はずし、透に渡す。」
「一個やるよ」
高額なものを貰うのに透は戸惑う。
「いいですよ。悪いんで、やっぱり、晃さんが付けてるのが似合うので」
晃は更に突き出し、アクセサリーを受け取らせようとする。
「友情の証」
透は目を見開いた。
晃の気持ちを無碍にしてはいけないと思い、受け取った。
「では、受け取ります」
そして、透はイヤリングを付けた。
店内の店員がこっちを見ている。気にせず、付けて、店を通り過ぎようとすると、店員がこちらを撮影していた。不快な思いはしたが、過ぎ去る事にした。
二人は大通りを歩いて、居ると人だかりができている。人々の注目の的になっているのは路上ライブだった。
ダンボールが立て掛けてあり、
「CDデビュー決定」
と書いてあった。
透はプロデビューするだけはあると思い、同時に嫉妬した。
その時、急に雨が降り出してきた。
客達は半分くらいは聞き入っていて、残りは退散した。歌手は聞いてくれる人達の熱意に応えるように熱唱している。
「行こうか」
我に帰った透は、呼ばれた方を見ると晃がジッと見つめていた。
晃が歩き出した方に向かって、透も歩いていった。
「俺、実は過去にバンド組んでて、デビュー目指してたけど、仲間は就活とかで結局、解散しちゃったんだ。で、結局、俺だけが未練がましく、続けてるのよ。」
急なカミングアウトに透は呆然と立ち尽くした。
「はぁ」
間の抜けた声を出した透
晃は笑って
「拓也さんから、俺の後輩が悩んでるから、相談に乗ってくれ、きっと気が合うからと言われて、ホントかって思ってたら、ビックリしちゃったよ、オーディションに居たでしょ?」
透は有名アーティストを多く、抱える大手プロダクションのオーディションを受けていた。
最終選考まで残ったが、落選してしまった。
実力はあると思っている透、実際に実力はあった。
結果に納得できない透
「何が駄目なんですか?」
審査員達は厳しい目で透を見る。
「確かに君の歌は上手いよ」
そう言ったのはヒット曲を多数、世に送り出している有名アーティスト
「じゃあ、何でですか?」
「君は誰に向けて、歌ってるんだ?」
言葉に詰まった透。
「それが、分からなきゃ今後も無理だ」
それで、透のオーディションは終わった。
「実は俺もあのオーディション受けてたんだよ。まぁ、3次で落ちたんだけどね。歌上手いなと思ってたから、よく覚えてる。」
透は俯いている。
「透君はバンドやらないの?」
透は更に顔を下げた。
大勢でワイワイやるのが、苦手なタイプだ、仲間内に居ると、遠慮して、皆の意見に流されてしまう。
なので、顔色を見て、察してくれる拓也が付き合いやすい。
普段は自分の意見を言う事が少ないが、オーディションの時は不満が溜まって、勢いに任せて、言ってしまい、その後を後悔していた。その事を拓也に相談した。
「じゃあさ、俺とデュオしない?」
突然の申し出に透は顔を上げた。
「え?」
「1度、2人でさ、目指してみようよ」
透は迷っていると、続けて
「駄目なら解散すればいいじゃん」
透はこの人となら、やっていけそうな気がすると感じた。
「はい」
晃は満面の笑みを浮かべ
「宜しく」




