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いざ!好感度上げ!

 先日、アカツキさんから貰った好感度チェッカーによって乙成の好感度を知る事が出来た俺。その副産物で、まさかの滝口さんが俺の事を好きというのが分かってしまってちょっと接し方を考えないといけない所だが、とりあえずアカツキさんは嘘付きのクソジジイではない事が判明したのだった。


 さて……ここからはこの好感度チェッカーを駆使して、乙成の好感度を上げていかないといけないのだが……



 肝心の好感度上げをどうやってするのか分からない。一応参考になりそうな文献(と◯メモ)には目を通したりしてみたが、一緒に帰ったり休みの日に会ったりするくらいで特別な事はしていない様に思えた。しいて言えば、正解の選択肢を引いているか……くらいか。よし、それくらいなら俺にも出来そうだな。乙成の正解、引いてやるぜ!



「はぁ〜〜〜〜〜まろ様って本当に格好良いです!」


 いつもの追い出し部屋。今日の乙成は昨夜()()()()にあがった公式のイラストを見てニヤニヤしている乙成。この反応はもうお馴染みだ。

 ちなみに、えっくすのイラストは俺も昨夜確認済みだ。もうすっかり、俺の世界にも蟹麿が侵食している事を感じる今日この頃。さて、この次に続く言葉で、俺は正解を引かないといけない。


「今回のイラスト、珍しく蟹麿が髪の毛縛ってたな?」


「そうなんですよ!!!!! 普段はお目にかかる事のないまろ様のうなじ!!!!!! まろ様って、結構線が細くて髪も長いから、どちらかと言うと美しいって表現される事が多いんですけど、今回のアップスタイルでそれが払拭されましたね! 首元にかかる筋とか、色気の中に見える男性的な部分がなんともまた……!」


 悶えながら机を叩く乙成。よし、結構いい滑り出しなんじゃないか?


 最初の受け答えはまずまずと言った所で、問題は次だ。手元に忍ばせている好感度チェッカーに目をやると、先日は73%だった好感度が74%になっていた。よし! このまま行けば、滝口さんを超えるぞ!! 頑張れ俺!


「あ! 忘れてた!」


 そう言ってガサゴソと自身の鞄を開ける乙成。なんだ、次は何が来るんだ……?


「これ! 前田さんに!」


「これは……クッキー?」


「はい! 昨日、えっくすでまろ様を拝んだ後、有り余る気持ちを抑える為にクッキーを焼きました! 興奮しながら作ったのですが、結構美味しく出来たので前田さんにもおすそ分けですっ」


 おすそ分けという割に、可愛らしい包みに入った蟹の形のクッキー達。かなり手の込んだ物に見えるが、この一手間まで気を抜かないのが乙成だ。


 こんな可愛らしい事をしてくれる彼女に、俺はなんて返そう……?


「うん! 凄い美味しいよ!! 乙成はきっと、いい奥さんになるね!」


「お、奥さん……?」


 やばい。なんか乙成が困惑している……? これはどういう意味でだ? 俺は手元の好感度チェッカーを見る。あぁ……! ちょっと下がっちゃったよ?! え、ダメ?! 奥さん発言は不味かったか?


 うん、確かにそうだよな。昨今の世情的に、奥さんというワードそのものがアウトと言われてるもんな。遠回しな関白宣言と受け取られただろうか……? そんなんじゃないよ乙成! 俺は風呂入る時に下着を用意してもらわないといけない様な男じゃないから! 自分のパンツくらい自分で用意するから!!!


 しくじったな……参考にした文献の時代背景が古かったか……。まったく、やりづらい世の中になったものだぜ!


「喜んでいただけたのなら良かったです!」


 ほっ……良かった。一瞬固まった様に見えたけど、いつもの乙成だ。好感度って楽じゃないな……意識すると普段の感じで話す事が出来ない。人と話すのって、こんなに難しかったかな?


 さて……ここらでもう一押し欲しい所だな。女性側のドキドキするポイントを抑えた文献(と◯メモGS)では、格好良いセリフを言ってたっけ? 思えば乙成も、蟹麿の甘いセリフでブヒブヒ言ってるもんな。


「乙成、いつも頑張ってるけど、あんまり無理するなよ? 辛かったらいつでも俺を頼っていいんだからな?」


 決まった……! [格好良いセリフ]でネット検索したら出てきたやつ! 女の子って労れたがっているの? よく分からんが、このセリフがドキッとするって書いてあった! これでどうだ! 乙成!!


「???」


 ええ?! 困惑してる?! ネットの情報は嘘って事か?! もう俺は、ネットの情報なんか金輪際信用せんぞ! 思えば今まで碌な事がなかったからな! 気を引くタイトルで人の事もて遊びやがって!


「前田さんどうしたんです……は! 今分かりましたよ?! 前田さん、私がまろ様を推している事を()()()()()()と思っているのですか?! 推す事は頑張ってするものじゃないんですよ?! 常にそこにある、脳裏に焼き付いて離れないのが推しなんです! 日々の選択を、推しと絡めて考えてしまう……ふとした時に推しとのエピソードを思い出してほっこりした気持ちになってしまう、息をする様にそこにある物が推しなんです!」


「え?! ち、違うよ乙成! 俺はそういう意味で言ったんじゃ……」


 ヤバい! 好感度チェッカーの数字がどんどん下がっていく! 違う、違うんだ乙成!!!


「前田さん! 私は例えみんなに馬鹿にされたとしても、まろ様を推す事を辞めたりしませんよ!! 推しがいる事で人生が輝くんです!! この気持ちは誰にも負けない!!!」


 これはあれだな、と◯メモGS的に言うところの、


 あーもう、私のバカバカ! 印象最悪だよぉ〜〜!


 にあたる反応だな。


 乙成の正解を引くつもりが、正解どころか何かの地雷を引いてしまった俺だったのだ。


 


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