表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/14

2.婚約を決めた理由は



私、オフィーリア・ラルーは考えるより先に行動して“ちょっとした不運な出来事”を巻き起こしてしまう事が昔から多々あった。


国でも有数な資産家ラルー家の娘として生まれた。

両親と一つ年下の弟は皆頭が良くて思慮深い性質なのだが、何故か私だけ衝動的な性質をしている。

もちろん私は家族に愛されているし、家族は無鉄砲な私を危険から守ろうとしてくれた。私にはもったいないくらい素敵で大好きな家族だ。

家族を心から誇りに思っているが、身内びいきに見ても少々上昇志向が強い。


家の立場をより強固なものにする為に貴族との縁を強く欲する父は、昨年私が18歳で社交界デビューした時から口を酸っぱくして私に貴族の子息の夫を探すよう言い含めている。

私も家族の役に立とうと思っているのだけれど昨年は上手くいかなかった。

資産家の娘な上にまだ若いのでパーティーでは男性にダンスを誘われたし、屋敷に訪問しに来てくれた人も居た。

求婚もして貰えたけれど、私の衝動的な性質を目の当たりにした紳士達は皆、次の機会には私に声を掛けなくなった。





そして19歳になった今年の社交シーズンに舞踏会で出会った人こそ私より8歳年上のライサム伯爵、ローランド・レイトンだった。



ハンサムな彼は真面目で高潔な近寄り難い雰囲気を醸し出す男性だけれど、ユーモアがあって会話を交わしていると時を忘れてしまう程楽しかった。



放蕩者の両親のせいで財産が殆ど無く、領民と領地の為に多額の持参金のある女性と結婚しなければならないと話してくれた。

その誠実さがとても素敵だと思った。



何より彼の瞳の色は私が1番好きな淡い紫色だった。

美しいすみれの花のような彼の瞳を見つめていられる権利を得れるなら、彼と結婚しても良いかもしれないと思った。



だからローランドが出会って間もなく求婚してくれた時、悩む事なく彼の求婚に応じた。





その婚約が今まさに白紙に戻ろうとしているのだけれど。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ