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12.新しい日常

本日一話目の投稿です。

よろしくお願いします。

 翌日からソアセラナは働き出した。

 この赤い三角屋根の家に住んでいるのは、ドゥレイルとソアセラナの二人。二人分の掃除洗濯、食事の準備と言った家事全般がソアセラナの仕事になる。


 ロードレーヌ家にいた間、ソアセラナの身の回りのことをしていたのは侍女でもメイドでもない。ソアセラナ自身だ。

 気が小さく常に怯えてビクビクしているソアセラナを、侍女もメイドも馬鹿にしていた。彼女達は見張り以外の仕事は全て放棄していたのだ。それは、料理長や他の使用人も同じだ。ソアセラは部屋の掃除も洋服の洗濯も、料理も全て自分で行っていた。

 だから手順は分かるのだ。手順は分かるのだが……。


「どうしたら良いのか分からない……」

 洗濯をしようとやって来た水場で、たらいを前に固まるソアセラナ。

 何度も言うが、手順は分かる。たらいに水を入れて、石鹸で洗って、ゆすいで、絞って、干す。今まで自分でやってきたのだから、バッチリ分かるのだ。ただ、今までは、魔法でやってきた……。たらいに水を張るところから、いや、たらいを持ってくるところから魔法だったのだ。

 なんとかたらいは持ってこれたが、たらいに水を入れる方法が分からない。たらいと睨めっこすること、三十分……。


「あんた、ドゥさんとこの子かい?」

 三十代前半くらいの女性が、物珍しそうにソアセラナを見ている。

「……ドゥ、さん?」

「薬草屋のドゥさん所の下働きの子かって聞いてるんだよ!」

 女性は短気らしく、眉を上げて語気も荒い。


 ソアセラナの今までの対人関係は、人から無視されていることが基本だ。馬鹿にされたり文句を言われる以外で、人から話しかけられることはない。そして、両親は怒ると、ソアセラナに手を上げていた。

 そんな普通ではない対人関係からソアセラナが導き出した答えは、「女性の怒りを買ってしまった」だ。怒った両親から折檻を受ける時と同じように、地面にうずくまったのは反射的だった。

「すみません。怒らせて、すみません。次からは気をつけます」


 地面に頭を隠してうずくまってガタガタと震える少女を前にした女性は、呆然としてソアセラナを見下ろしている。

 女性はたらいを前に困った様子のソアセラが気になって声をかけただけだった。怒ろうなんて気はないし、自分が怒っている自覚もない。でも、目の前の少女は自分に怒られたと思い、殴られると思い、震えている……。


 地面に膝をついてソアセラナを抱き起した女性は、あまりの軽さにビックリしてしまう。そして、どこの誰か知らない馬鹿に腹が立った。

 まだ子供であるこの子に暴力をふるった奴がいる。ただ振るっただけじゃない。こんなにも怯えるほど、恐怖で支配できるほど暴力をふるい続けたのだ。


「あたしはミケイルだよ。緑の森のストラス村に住んでる。ドゥさんの店からすぐ近くだ。あたしは、あんたを傷つけたりしない。ドゥさんだって、真っ黒でカラスみたいに不気味で、目はいつも睨んでるみたいだけど、優しい人だ。ろくに金も払えないあたし達にだって、薬を分けてくれるんだからね。だから、あんたを怒る奴も、殴る奴も、ここにはいない。安心して良いんだよ」

 ミケイルの言葉にソアセラは涙が止まらなかった。初めて会った人なのに、優しい言葉をかけてもらえたのが単純に嬉しかった。人に優しくされたのは、ドゥレイルに続き二人目だ。

 赤ん坊の時以来、物心着いてからは初めて、声を上げて泣いた。泣きながら見上げた空は、涙でぼやけていたけど、目に染みるほど青かった。




「ラナの洗濯も、やっと板についてきたわね」

 偉そうに上から目線で言うのは、ミケイルの娘ローラだ。歳はソアセラナと同じだから、偉そうにするのはおかしいのだが、ソアセラナは気にしていない。偉そうな態度を取ってしまうのは、恥ずかしがり屋のローラの癖だと知っているから。


「ミケイルさんやローラが教えてくれたからだよ。ありがとう」

「……まぁ、そういうこと、ね。感謝しなさい!」

「何が『感謝しなさい』だ。偉そうに、お前は母さんの隣にいただけだろう?」

「いったぁい! 何で殴るのよ? 馬鹿兄貴!」

 ローラの後ろから現れた兄のルースが、偉そうな態度の妹にげんこつで制裁を加えた。

 初めてこの光景を見たソアセラナは、両親の折檻を思い出した。だからローラを守るために、泣いて震えながら両手を広げて庇った。そんなソアセラナを見た二人は驚いていたが、事情を知っているミケイルがいたせいですぐに仲良くなった。

 今は二人の喧嘩を見ても驚かない。暴力のように見えるが手加減しているし、コミュニケーションの一つだということが分かるようになった。


(同じ兄妹でも、私とは大違いよね……。手加減のない言葉の暴力でできた傷は、多分一生消えない)


 今日もローラとルースの兄妹は、何だかんだで仲が良い。二人にそう言うと「仲良くないし、みんなこんなものだ」と言うが、そうじゃない兄妹もいると身をもって知っているだけに素直にうなずけない。


「兄さんは何しに来たのよ?」

「父さんが帰ってきたぞ!」

「えっ? 早く言ってよ! すぐ行く! あっ、ラナも一緒に行こう!」

 ローラもルースも手を伸ばしてくれたが、ソアセラナは微笑を浮かべ首を横に振る。


「洗濯物を干したら、ドゥレイルさんの手伝いを頼まれているの」

「そうなの? 後にしてもらえないの?」

「急ぎの用って言われているから……」

「えっー、ラナもお父さんの話好きだから、一緒に聞きたかったのに。分かった、また今度ね! 約束よ!」

 そう言うと、ローラとルースは村に向かって走って行った。


 二人の父親であるゲイリーは冒険者で、一年の大半は各地を回っていて家に居ない。冒険の合間に家族に会いに帰ってきて少し身体を休めると、またすぐに冒険に出てしまう。

 ゲイリーの話は本当に面白くて、ワクワクして、ソアセラナだって魔法が使えたら一緒について行きたいくらいだ。

 本当ならソアセラナも家に行って話を聞きたい。だが、せっかくの家族水入らずに他人が入り込むのは気が引ける。だから、ドゥレイルに手伝い頼まれたと嘘をついた。

 ローラたち家族は仲が良い。ありがたいことに、その中にソアセラナを入れようとしてくれる。でも、ソアセラナにとって、ローラの家族は眩しすぎる。仲の良い四人の中に、自分がいることを申し訳なく感じてしまう。自分がいると、穏やかに輝く家族の光にポツンと闇を落としてしまいそうで怖い。




 ソアセラナが緑の森に来て、早いもので半年が過ぎた。

 魔法が使えずに戸惑った家事も、ミケイルやドゥレイルに教えてもらい、今では要領よくこなせるようになったはずだ。

 ローラやルースだけでなく、他にも村の友達ができた。自分が外に出て友達と遊ぶなんて、半年前は想像もできなかった。


 以前は魔法を学んでいる時と兄との時間以外は、全てが苦痛だった。だが、今は洗濯でさえ楽しいし、生きている実感が湧く。


 ロードレーヌ家での毎日は全てが色褪せていて、見える世界がセピア色ただ一色。でも今は、いくら色があっても足りない。毎日、綺麗で優しい色を新たに作らないと追い付かないくらい、ソアセラナの見ている世界は変わった。

 ただ、一つ心残りは、ドゥレイルさんに魔法を教わっていないことだ。日々の暮らしに慣れるのに精一杯で、手が回っていなかった。落ち着いてきた今だから、そろそろ始めたい。


(でも、魔力のない私に、ドゥレイルさんは教えてくれるだろうか? 怒りを買って追い出されたら、どうしよう……)


 洗濯物を干し終えてトボトボと家に戻りドアノブに手を掛けようとすると、扉が自動で開いた。

「……」

 ドゥレイルではない。茶色い服で背丈はソアセラと変わらない。子供? ではなさそうだ……。耳が尖っていて、鼻が大きくて長い。

「ド、ドアを開けてくれて、ありがとう?」

 茶色い小さな生き物は、何も言わずに外に出ると森に消えていった。


 呆然と森を見ているソアセラの背後から「あれは、ブラウニーだ」と、野太い声が聞こえた。

「なんだい? そんなに飛び上がって驚くことでもないだろう?」

 ドゥレイルの顔は無表情だが、声は楽しそうだ。自分の声に驚いたソアセラが面白かったのだろう。

 糸目のせいかドゥレイルの表情は常に一定であまり変わらない。それでも一緒に暮らしていく中で、ソアセラは多少の喜怒哀楽が分かるようになった。


「ブラウニーって、妖精ですよね? わっ! 部屋がきれい……」

「今日から、家事はブラウニーに任せることにした。ラナが来る前はずっとブラウニーがやっていたからな」

 ドゥレイルの言葉に、ソアセラナの頭からは血の気が引くが、心臓は尋常ではない速さで打ち付ける。


(私は、ここでも役に立たなかった。また駄目だったんだ。もう、要らないってこと……だ。……いや、これではいけない! 諦めるのは止めたんだ。もう、絶対に、諦めない!)


 涙を堪えたソアセラナは、ドゥレイルの糸目を見つめて必死に自分の気持ちを訴える。

「わ、私、ここが好きです。ドゥレイルさんもミケイルさんもローラも、みんなが好きです。ここに、居たいです。家事ももっと頑張りますから、私をここに置いて下さい。お願いします!」

 頭を下げると、溜まっていた涙がこぼれ、きれいに磨かれた床に染みを作る。


 床に膝をついたドゥレイルが、涙と鼻水でぐちゃぐちゃのソアセラナの顔を下から見上げてくる。いつにない穏やかな表情で、ワンピースの袖口でごしごしとソアセラナの涙と鼻水を拭いてくれた。


「人の目を見て話せるようになった。自分の意見を言えるようになった。この半年でラナは成長した。だからこそ、もっと自分に自信を持つべきだ。ラナがみんなを好きなように、みんなもラナが好きだ。そう簡単に自分が捨てられるなんて思うんじゃない」


 この半年で艶やかになったプラチナブロンドを、ドゥレイルがぐしゃぐしゃに掻き回す。この温かい手で髪を掻きまわされるのが、ソアセラナはとても好きだ。

 ダボッとした薬草臭いワンピースに抱き着くと、ギュッと力を込める。人の体温を感じるだけでこんなにも落ち着けることを、ソアセラナはもう知っていた。


「家事をブラウニーに任せるのは、ラナに魔法を教えるためだ。魔法を使えるようになるんだろう? 諦めないんじゃなかったのかい?」

 魔力がないのだから、魔法は諦めろとドゥレイルは言った。そのドゥレイルが、魔法を教えてくれるという。こんなに嬉しいことはなく、今度は嬉し涙があふれた。


「全く、いつまでたっても泣き虫は治らないね? 泣き虫ラナ」

 ロードレーヌ家にいる時は、感情を押し殺していて涙だって出なかった。

 ドゥレイルもそれは分かっている。安心して生活しているから、涙も出るようになったと。だからなのか、しっかりと泣き虫になったラナが可愛くて、『泣き虫ラナ』という渾名をつけて揶揄っている。




 ドゥレイルに魔法を教わりながら、魔力が無くても魔法が使えないかソアセラナは探し続けた。そのために、多くの文献を漁った。古い書物に杖と魔石について書かれたものがあり、それを組み合わせることで、魔力が無くても魔法が使えることを自ら証明した。

 そして、魔法が使えるようになったソアセラナは、村の人達の生活に魔道具を取り入れられないか考えるようになった。


 村ではお金を稼げないため男性は冒険者だったり、都市や王都に出稼ぎに行っている者が多い。だから女性は家事をして、農作業をして、機織りをしてと休む暇がない。それだけ働いても、暮らしは楽にならない。


 村の人に助けられ幸せをもらったソアセラナは、村に何か恩返しをしたいと常々考えていた。 

 だから、魔道具を使えば、家事だけでも少しは楽になり、村の女性達を助けになるのでは? と考えるのは当然の流れだった。


 魔石の魔力を通して杖で魔法が使えるのだから、魔道具に魔石を組み合わせれば原理上はできるはずだ。

 ドゥレイルやグレイソンに手伝ってもらったところ、これも成功した。魔力が無くても魔法も魔道具も使えるのだ!

 大喜びのソアセラナだが、一つ問題があった……。国から追い出されたとはいえ、ソアセラナはまだスペンサイド国の人間だ。スペンサイド国では、魔道具や魔法の持ち出しは、重罪。ソアセラナがしようとしていることは、法を犯すのだ。







 ソラセラナの話にナディエールは眉間に深い皺を寄せて、「色々あり過ぎて、どれからコメントすればいいか分からないわ……」と呻いている。

 六年前までの出来事はソアセラナにとっては終わったことだが、他人が聞けば胸に重しを感じる内容だ。


(私が気にしていないと言ったところで、「無理している」と思われるんだよね……。私からしたら、周りに助けてもらい、自分の意思で生きてきたこの六年間の方が重要で、ロードレーヌ家からの仕打ちなんてどうでもいい話なんだけどな)


 そんなソアセラナの気持ちをグレイソンが代弁してくれた。

「ロードレーヌ家のことは、ラナが気にしてないんだから、ナディも気にする必要はないよ。あの家は放っておいても勝手に潰れるしね」

「そうだね、グレイの言う通り。私の人生は六年前から始まったんだと思ってる。魔道具のことも、別に商売をしようと思っている訳じゃないの。お世話になった村に魔道具を普及させて、生活しやすくしたいと思っているだけ。卒業したら家とも縁を切って、この国に戻る気もないけど、法を犯すことには変わらないでしょう? それに、ドゥレイルさんに教えてもらった魔法を使ったせいで、私の身の回りが騒がしくなるかもしれない。だからナディにも事情を知ってもらった方がいいと思ったんだ」

 今日の聞き取りメンバーは、ソアセラナの言い分を信じたように見えた。だが、まだ安心はできない。少なくともオーベルはつきまとってくるはずだ。


「そのドゥレイルさんが、ラナの魔法の師匠ってこと?」

「うん。厳しいけど、とても優しい人だよ。かつては大国で魔術師をしていたんだけど、色々あって今の生活に落ち着いたって村の人達が言っていた。だから下手なことを言って、ドゥレイルさんの生活を乱したくないんだ」

 だからこそ「空間無効の魔法は誰から教わった?」と聞かれても、ドゥレイルの存在を隠した。


「安心して、絶対に人に話したりしない。人間関係や仕事がきつくて、世間のしがらみから逃れたくなる気持ちは、痛いほど分かるもの。それに、ラナがわたくしを信頼して話してくれたも分かっているわ。ありがとう」

 そう言ったナディエールは、本当に嬉しそうに微笑んだ。


 そんなより絆を深めていくソアセラナとナディエールを、グレイソンはニコニコしながら見守っている。

 グレイソンとナディエールは、入学初日ではお互いに牽制し合っていたとは思えないほど、今は気の置けない友人になった。

 ナディエールはむしろ、ソアセラナよりもグレイソン相手の方が遠慮がない。


「うーん、でも、何でグレイがドゥレイルさんに会ったことがあるの?」

「俺がドゥレイルさんの客だったからだよ。幼少期に俺の身体弱かった原因は、魔力が身体を循環できずに滞りやすい体質だったからなんだ。それを改善してくれたのが、ドゥレイルさんの薬だった」


 ソアセラナとグレイソンが五年前に出会ったのも、薬の配達だ。

 その当時のグレイソンは身体の弱さと可愛い顔立ちを兄に馬鹿にされることに加え、自分を居ない者として扱う父親に心が折れかけていた。強面で武闘派なベルスマン家には自分は相応しくないと、自分がベルスマン家の誇りを汚してしまうと、魔法騎士を諦めようとしていたグレイソンにソアセラナが声をかけたのが始まりだ。


「あの頃の私は「諦める」という言葉が大嫌いだったから、結構きつく言ったよね。でもグレイはお兄さんどころか、魔法騎士団のほとんどを黙らせる実力者に成長したんだから大したものだよ」

「ラナの言葉は効いたよ。二年前にラナと決死の覚悟で取ってきた薬草のおかげで、魔力の循環も問題なくできるようになったし」

 二年前にダンジョンで採取した薬草のおかげで、グレイソンの厄介な体質は改善した。それによって、二年前から飛躍的に成長を遂げたのだ。




 三人が茜色に顔を染めて夕焼けを眺めていると、美しい風景に不釣り合いなキャッキャという声が階下から聞こえてきた。

 何となく予想はつきながらも見下ろした先には、デリシアの肩を抱く第二王子……。

 せっかくの青春っぽい空気も、これでは一瞬で覚めてしまう。


 デリシアと第二王子は、周りの誰もが眉を顰めるほど急接近している。

 ナディエールは傍観しているが、周囲はそれを許さない。自称ナディエールの取り巻き達が、デリシアに勝手に苦言を呈したり、嫌がらせをしているのだ。おかげでナディエールは何もしていないのに、首がスースーする日々を過ごす羽目に陥っている。


「グレイはデリシアさんに恋しないの? あの夕日に輝くオレンジ色の髪に触りたくならない?」


 自分がグレイソンと家族の葛藤やらを解決してしまったことで、逆ハーの一角を崩してしまった。そのせいでナディエールの身に危険が及ぶこととなり、ソアセラナは申し訳ない気持ちでいっぱいだ。何とかグレイソンの心を動かそうとしてみたが、剣が振り下ろされかねない嫌悪感丸出しの表情に二人は震え上がった。


 毎回こんな風になるので、ナディエールは「グレイは無理だ。諦めよう」と言っている。だが、それではナディエールの首が……。

「この際だから、私の時みたいに事情を説明して振りだけでも……」

 そう説得するも、ナディエールは毎回退ける。自分勝手な都合に、これ以上周りを巻き込みたくないのだ。


 ソアセラナのことは、本気で転生者だと思っていた。

 転生者だからこそあれだけシナリオを変えまくっているし、きっと自分のことも助けてくれると頼ったのだ。ナディエールの大きな勘違いだったのだが……。

「わたくしの勝手な勘違いでソアセラナに協力を求めて、こんなことに巻き込んでしまったことを、本当に申し訳なく思っているわ……」

 ナディエールにそう言われる度に、「私は魔力が欲しくてやっているのだから、お互い様よ!」とソアセラナは言い返している。

 今ではナディエールのことを信頼しているし、魔力を得るためにこうなる運命だったとさえ思っている。


(魔力は欲しい! 欲しいけど、無くても何とかできるし、何とかできる方法を探してみせる! でも、ナディの命は、どうしたら救える? もう逆ハーは、多分無理だ。別の方法を考えないといけない……)



読んでいただき、ありがとうございました。

まだ続きますので、よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] どういった経緯でグレイソン知り合い 何故ダンジョンに行ったのか謎だったww 回想のタイミングのセンスなんだろか?
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