第二話②
俺と、同じことしてる…?
いや、待て。ありえん…。
特に関わったことねーし、話したのはこの前のアレだけだし、つーかあんだけハッキリ言われてまだにこやかに目で追うとか。
……ないな。
しかも俺男だし。はは。
「お前って本当コロコロ顔変わるよな。わかりやすいつーか、裏表なくていいけどさ。それより早く手を動かせ!まだこれからトイレ掃除もあんだから」
ポカッ、と一樹が俺の頭を殴った。
くっそーー。いってー!
「うるせーな!お前こそザマス婦人やってねーで早よ掃除しろや!」
「あ?んだとーーー?!」
試合開始のゴングが鳴り………終わらせたのは、担任の真島の一声だった。
「またお前らか!いい加減にしろーー!!」
こっぴどく叱られた俺たちは、そそくさとトイレに移動した。
シャカシャカー。
イライラした感情をブラシに込めて、思い切り床を磨く。
くっそー。どいつもこいつもすぐ怒鳴りやがって…。
真島は、校内でも人気のある女教師だ。クラス発表があった日には、周りの男女が「やったー!」と次々に黄色い歓声をあげていた。
美人だから俺も最初は喜んでたけど…前言撤回。
すぐ怒鳴るし牙を剥くし、女だからなんか言い返しづらいし…苦手だ。
その横で一樹は、ルンルンな表情で便器をこすっている。こんなニヤけた表情できったねー便器をこすってる奴初めて見た。
「真島チャンに怒られちゃった〜。いやあ、いい日だなあ…!」
そう、一樹は真島の虜らしい。
ここは俺と全く合わねーな。
ニヤニヤしてるバカの横で、俺は黙々と作業を続けていく。トイレ掃除って実はそんなに嫌いじゃない。
「綺麗になる」って感覚が一番目に見えてわかるというか、達成感を感じるというか。
ただ、男子トイレって思ったより汚れてる。いや本当に……。もうちょっと綺麗に使えよ男子諸君…。
「あ、そうだ。例の件、真島チャンに相談してみれば?」
「は?」
「ほら、ストーカーくんの話だよ。真島チャンだったら絶対親身になって聞いてー」
入り口から足音が聞こえて、不意にその音を目で追った。
げ…。
そこには、今話題のストーカー野郎が立っていた。




