異世界で最強街道を突っ走る〜魔王倒してくれって言われたけど嫌だったので幼なじみと冒険者になりました〜
変な言葉遣いや文脈のおかしい文章があるかも知れません。
もしありましたら、ご報告お願いします。
「召喚された勇者様達よ!我々ユースティア王国をお救い下さい!」
想像していたとはいえ、やはり現実味がなかった。なんでこんなことになっているのか、一回今日を振り返って見よう。
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俺は神崎星哉。都内の高校に通っている。いわゆるオタクで、ラノベやアニメ等の全般が好きな高校2年生。(5組に在籍している)ちなみに、最近は『ユグドラシル・ヒーローズ』というソシャゲにハマっている。(プレイヤーの間ではYUHIと呼ばれている)そんなだから、最近はずっとモブとして生活していた。
今日もいつもと変わらず、起きてから朝食を食べ、家を出て学校へ向かっていた。その道中で幼なじみの陽菜と出くわして一緒に登校するというアクシデントはあったものの、これと言って特別な事は起こっていないはずだ。
ちなみに、陽菜は宮崎陽菜という名前でクラスの中心人物であり、俺とは正反対の人物だ。俺が幼なじみでなかったら見向きもされないだろう。
とまぁそんな事は置いといて、ほとんどいつも通りの日常を歩んでいたのだが、教室に着いて少しした時、急に教室が光りだしたのだ。
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そして気づいたら、まるで中世ヨーロッパの様な雰囲気の部屋にいた。
「一体何が起こったんだ・・・」
しかし、言葉ではこう言いつつも、俺の頭の中では一つの答えが浮かんでいた。
「・・う、うぅ・・・ん」
隣でうめく声が聞こえたのでそちらを見ると、陽菜が目を覚まそうとしていた。
「うぅ・・んぁ、ここは? あ、セイくん」
「おはよう。と言っても、今が何時頃かは分かってないんだけど」
ちゃんと返事を返しておいた。もし俺の想像通りならば、クラスの中心人物である陽菜は重要な役割があると思ったからだ。
「オイ!!どこだここは!!!」
やっぱりだ。彼はすぐに騒ぎ出すと思ったんだ。
彼は荒木隼人。彼もクラスの中心人物で、陽菜に好意を抱いていた。そして、とても気が小さい。だから簡単に予想ができた。
「陽菜、すぐにアイツを止めてくれ」
「え?」
「早く。じゃないと暴れ出すぞ」
「わ、分かった」
「クソッ!!誰かここから出せよ!!!」
「ちょっと荒木君。やめなよ」
「ア”ァ”ッ!あぁ、宮崎か、、」
狙い通り。あとは・・・
ガチャッ
来たか、、、
「召喚された勇者様達よ。こちらへ」
昔の貴族みたいな服装の人がきた。いや、むしろそのものなのだろう。俺の想像通りならば。
俺達2年5組は、言われた通りに動いた。
すると、目の前にきらびやかな光景が映り込んできた。
「召喚された勇者様達よ!我々ユースティア王国をお救い下さい!」
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とまぁここまで今日を振り返って来たが、やっぱり冷静じゃん。
それより、やっぱりクラス転移だったか。想像が当たって嬉しいやら悲しいやら、なんとも言えない気分だ。このままの流れなら、次はステータス確認か状況説明だと思うんだが,,,
なぜだろう、見た事の無いはずのこの部屋に既視感がある。それにユースティア王国?なぜか聞いたことがある気がする。
まあそれは今は置いといていいだろう。
それより、、、
「ねぇどういう事なのよ!」
「ユースティア王国ってどこの国だ?」
「なぁ、あの人達は何の話をしてんだ?」
この混乱を鎮める方が先だろう。
という事で、また陽菜を頼ることになる。
「陽菜」
「・・あ、セイくん。ねぇ、どうしたらみんな止まってくれるかな、、、」
「そうだな・・多分、荒木がすぐに騒ぎ出すと思うから、語りかけるように、全体じゃなくて荒木に対して説得してみてくれ」
「、、分かった。やってみるね」
よし。これでいい。あとは、、、
「どういう事だ!!訳分かんねぇぞ!!!」
「そうだ!何言ってやがんだ!」
「そうよ!ワケ分かんないわよ!」
やっぱり、荒木が騒ぎ出したらみんなが爆発したな。だが、、
予想できてたから問題ない。ここで陽菜が、、
「ねぇ荒木君!一回この人達の話を聞いてみようよ!」
「宮崎!?なんでそんな事言ってられんだよ!」
「そうよ!こんな得体の知れない人たちの事を信じるの!?」
「そうだそうだ!」
クラスメイト達は次々に反論した。
「この人達にだって事情があるかもしれないでしょ!?話を一回聞いてみて、その後考えればいいじゃない」
「、、、分かったよ。一回聞いてやる。みんなもそれで良いよな!」
「まあ、荒木がそう言うならいいんじゃねえか?」
荒木が収まったことで、周りも鎮まった。
「決まりだね。・・では、話を聞かせてもらえますか?」
陽菜が続きを促した。
「話を聞く気になってくれてありがたい。まず、余の名前はヘロス13世、此処ユースティア王国の王である」
ヘロス13世、、また聞いたことがある気がする名前だ。なんなんだこの違和感は?
「はじめまして。私はユースティア王国の宰相、ラッド・ソロモンと申します」
この人の名前も違和感がある。本当になんなんだ?
「さっそく本題に入らせてもらいます。今この地は、魔王の侵略に怯えています!魔王に対抗して疲弊した我々には、勇者召喚という方法しか残っていなかったのです!そして、それによって召喚されたのがあなた方なのです!一度ステータスをご確認下さい!この中に、真の勇者様がいらっしゃるはずです!」
「ステータス?」
「頭の中でステータスと念じてみて下さい」
俺も言われた通りにしてみた
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『 カンザキ セイヤ 』Lv77 HP 3850/3850
クラス《超克者》 MP 1540/1540
筋力 770 精神 770 器用 770 敏捷 770
【スキル】
世界創造・・魔術創造、能力創造、物質創造の3つの能力がある。イメージと必要な物質さえあれば、何でも創り出すことができる。
神々の書庫・・神界に存在するあらゆる知識が保管されている場所、『神々の書庫』と接続されており、自由にその知識を閲覧することができる。
万能魔力・・魔力に対する親和性がとても高くなり、魔力から魔術への変換効率も高くなるため、MPがステータス以上に使えるようになる。
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嘘だろ、、、?このステータスは、、“俺のYUHIのキャラのステータスと同じ”じゃないか、、、
そして、この事実を前にして今まで感じてきた違和感の正体が分かった。
この世界は、、、❛ YUHIの世界と同じだ ❜
そしてユースティア王国は、YUHIの最初の舞台だった、、、
「おおっ!ホントに出てきたぞ!」
「すげえ!俺《剣士》だってよ!」
「マジか!俺《魔術師》だった!」
クラスメイト達が声をあげた。
「ご確認いただけたでしょうか。では、《勇者》のクラスを持った方はどなたでしょう?」
「クラス?」
クラスメイトの一人が質問した。
「皆様がお話されていた《剣士》や《魔術師》などの表記のことです」
「お、俺だ!」
「おぉ、あなたですか。お名前をお聞きしても?」
「俺は荒木隼人だ!」
「アラキ様ですか。失礼ですがレベルはおいくつで?」
「あぁ〜っと、22って書いてあるぞ」
、、、え? 低っ!
「本当ですか!それは王国騎士団の一般兵よりも高いレベルですよ!」
あぁ、確かに、ゲームでもNPCはむちゃくちゃ弱かった。NPCとクエストに行くと、だいたいNPCを守る方が難しかった。
でもさすがに勇者がそれはないだろう。
「それでは、改めて我々の要望を言わせていただきます」
多分ここは、、、
「我々の為、魔王討伐を引き受けていただきたい!」
そりゃそうくるよな。でも、実はこれには裏がある。だから、こいつらの言いなりにはなりたくない。
さて、どうやって断ろうかな。
「ですが、皆さんが全員戦闘職とは決まっておりませんので、もし戦えない方は、王宮で受け入れさせていただきます」
なるほど。そうやって外に出さないようにするのか。だが、それも俺の本意ではない。
「一度、皆さんで話し合ってみて下さい」
よし。ここでみんなと反発した様に見せて出ていこう。
「だそうだが、戦いたくないやつとかは手挙げてくれ」
「俺のクラス《料理人》だから無理」
「わ、私は戦ったりするのとか苦手だからやめたいかな、、」
「お、俺も、、、」
「私もちょっと、、、」
「じゃあこの残った奴らが、““ちょっといいか””
「あぁ?」
俺は荒木の言葉に割り込む様に話し始めた。
「俺はこの国が信用ならない。なのに、簡単にアイツらを信じてるのはなんでなんだ?」
「は?ここまで親切にしてもらってるのに、今更そんな事言ってんのか?バカじゃねえか」
「その言葉、そっくりそのままお返しするよ。見ず知らずの人に殺しをやってくれなんて言われて、喜んでなんて言えるわけねえだろ」
ちょっと上から目線で話してみた。
「殺しって、誰もそんな事行ってなかっただろ!」
「同じ意味だよ。俺たちは、いきなり日本政府に、あの国から攻められているので大統領を殺してきてくださいって言われてるようなもんだ。だから、この国には居たくない。人殺しなんてしたくないしな」
「テメェ、、さっきからウダウダ言ってんじゃねえぞ!つまり、テメェはただ戦いたくないだけなんだろ。だったらおとなしく王宮にいればいいじゃねえか!」
荒木がいい具合にキレてきたな。
「だから、この国が信用ならないって言ってるだろ」
「だあ~もう、うっせえな!人が困ってんだよ!助けるのが普通だろ!」
「人助けだからって、人殺しまでするのかよ」
「テメェ!」
荒木が今にも殴りかかってきそうな雰囲気になったとき、俺と荒木の間に誰かが立った。
「2人とも!ここでけんかなんてしないでよ!」
「陽菜!?」「宮崎!?」
俺たちの間に立った陽菜は、俺たちに向かって声をあげた。
「荒木君!人に殴りかかろうとしないでよ!」
「お、おう、、」
陽菜の言葉に、荒木は気後れしていた。
「セイくんも!上から目線で話さないの!」
「そんな事ないと思うけど」
とりあえずとぼけてみた。
「そんな事あるの!・・それで?結局何が言いたいの?」
さすが幼なじみだ。俺の考えがちゃんと分かっている。
「そうだな・・ざっくり言うなら、この国から出たいんだ」
俺の言葉に周りがざわついた。
「そう・・なら、私も連れてって」
「・・は?」「な!?どうしてだよ!?」
さっきの俺の言葉以上に周りがざわついた。
「え、本気で言ってる?」
「本気」
陽菜の目は決意を宿していた。
「宮崎!なんでそんな奴と!?」
荒木が困惑気味に聞いた。
「だって、私もこの国が信じられないもの。それだったら、セイくんについていった方が安全よ」
「そんな、、、」
荒木は陽菜を説得出来ない事に気づいたらしい。
「まぁ、止める理由もないし、連れてってもいいよ」
「ホント!?」
俺の返事に陽菜は目を輝かせた。
「あぁ」
「な!?テメェ!」
「さ、とっとと出ていこう」
荒木がなんか騒いでいた気がするが、気にせずに歩きだした。
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少し歩くと、王城の外に出る事が出来た。
そこで俺は、陽菜に聞いてみる事にした。
「なんで俺についてきたんだ?」
「うん?それならさっき言ったと思うけど?」
「そうじゃなくて、本当の理由が聞きたいんだ」
「・・あはは、バレちゃってたか。さすがセイくんだ」
そう、俺は、陽菜が嘘をついているか、本当の理由を隠している様に感じた。
「無理にとは言わないが、聞かせてもらえるか」
「それは、、、うーん、内緒!」
はぐらかされてしまった。
「そうか。まぁ、いつか教えてくれよ」
「うん。それで、これからどうするの?」
「そうだな、まずは町まで行こう。」
「はーい!」
とりあえずは町だ。そこから話は始まるんだ。
陽菜の本当の理由も、まだいいだろう。
時間はたっぷりありそうだからな。
俺たちは町に向かって歩きだした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
自分は初めて小説を書いたので、至らぬ点があると思いますが、
今後ともお付き合い頂けたら嬉しいです。
前書きにも書いたように、おかしいと思った文章や単語などのご報告お願いします。