2020-08-24
月曜日というのは社会人にとってブルーマンデーと呼ばれるように、憂鬱なものなのだろうけど、それは学生も例外じゃない。そして、もちろん僕にも例外ではなかった。
空を見上げればすがすがしいくらいに青い。早朝だから、少しばかり気温が低いけど、それでも額には汗がにじむ。
このまま学校になんか行かないで、どこかに行きたいなんてことを柄にもなく思う。日常から離れて、自分のことを誰も知らないところに行って、自由気ままに昨日買った本を読む、そんな自分の姿を思う浮かべる。
でも実際には、刻一刻と学校に近づいているわけで、本当にそうするわけじゃない。
「おっはー、桜木ィ」
いきなり背中を思い切り叩かれて、前につんのめる。振り返ると、当然のごとく、真紅がにやにやと笑っていた。
はあ、とため息をつくだけついて、無視して歩き出すと、まあまあ、そう不機嫌になりなさんなと、缶コーヒーを真紅が投げて来て、危うく落としそうになった。
結局、横並びに歩きながら、喉にコーヒーを流し込む。眠気とともにかかっていた憂鬱な気分が少しだけ晴れたような気がした。
「それにしても、真紅は月曜なのに、元気だね」
「そりゃあ、曜日なんて関係ない。毎日が新しく素敵なものだと信じてるからな」
空になった自分の缶を上に放り投げて、落ちてきたのを取りそこなう真紅を見て、僕も控えめに笑った。
読んでくださりありがとうございました。