表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あちら側とこちら側  作者: タコそぼろ
1/2

常に自分がプレイしてる側だと思わない方がいい

不定期更新になりそうです。

ゲーム社会におけるこんな世界があるかも?という感じで書いてますー

よろしければ読んで頂けると幸いです。

仮想空間なんて言葉が日常に溶け込んで久しい中、この言葉を広めるにあたって一翼を担ったゲームは躍進を遂げている。依存症だのと危険視する声や普及への反感の声がむしろ異端だと言われるほどに。

それはゲームというものがただの遊ぶ玩具と言うものから生活のサポートや仕事の効率化に大きく貢献した結果、組み込まざるを得なくなり認識レベルが上がったからと言える。言わば、

『あって当然の必需品』

である。

ひと昔前ではケータイは持ち歩くもの、常に身に付けるものであったと思われるがそれに近いだろう。

さて、そんな精神没入型もとい意識を仮想空間に飛ばして遊ぶようなゲームを誰もが利用するような時代となればゲームのシステムも発達するものだ。

今回はそのシステムの中で生み出された1つのモノの物語にスポットを当てようと思う。


ー ゲームが当然なものと言ってもやはり遊びを楽しむ為のゲームは大枠としてのジャンルをキープしている。そんな中でのとあるゲームにて。


「『自動育成プログラム実装!?』これでプレイヤーが操作していなくてもアバターが勝手にレベル上げをしてくれるぞぉ!!」

「地道にコツコツとやってくのもいいけど強い状態からサクサクやるのもストレス解消になっていいんだよなぁ!さすが運営良くわかってるよ!」

設定次第でどちらの遊び方もできるし、なんなら別データを用意すれば両方で楽しめる!

素晴らしいアップデートだ。

1人部屋の中で誰に向けた訳でもなく独り言を思わずこぼしてしまうほどの嬉しい事だった。

「ん?何々〜育成効率アップの付属品ガチャ…まーたガチャか相変わらず金をせしめてくれるなぁ」

ぶつくさ言いつつも効率惜しさに買う決意をする。

「早速回してきますかねー」

言いつつ頭と両手にすっかり馴染んだ器具を取り付けてボタンを押して目をつむる。


(5、4、3、2、1…)

心の中で数えて再び目を開けると。


「ふぅ。我が第2の人生に舞い戻りましたってか」

さっきまでいた自室とは違うログハウス風の建物の一室にて目を覚ます。

こんな言い方をしているが事実このアバターは俺の意識がない間は抜け殻のような状態でゲーム世界に残っているのだ。意識と一緒にアバターもゲームから消えた方がサーバーへの負荷云々が軽いだのでアバターをゲームに残す形態は珍しいらしい。

「まあ、そのおかげで自動育成プログラムができたんだろうなぁ」

アバターが勝手にレベル上げをしてくれるにはアバターがゲームにいなくちゃいけない。

別に他のゲームでも出来るだろうと言えば没入型のネックと言うべきか接続時のトラブル発生頻度から避けられているらしい。つまりは今回のアップデートはホントに画期的ってこと!

「とと…さっさとガチャ回して終わらさないと」

あまりのビッグニュースに忘れていたがこの後出かけなくてはならないのだった。

ちょちょんと人差し指で空間をタップするとメニューが表示される。そして “NEW” とついた自動育成プログラムの付属品ガチャを回す。

シュワーン!という効果音と共にイヤリングのようなものが目の前に出現する。

「これって…やっぱり」

タップしてみると着用効果

ノーマルリング

〈取得経験値1.01倍アップ〉

「ハズレだ」

もう一度回したいところだけど月末なので懐事情的に難しい。

「とりあえず装備だけして様子見だな」

設定からアイテム装備と自動育成プログラムをオンにして再びベットに横になりログアウトする。


「ほう。まさか生きて逃げ出すことに成功するんてこの体を作った人間に感謝しなくてはな」

ガチャのプログラムになんとか紛れ込んだもののまさか紛れ込んですぐに当てられるとは思わなかった。

おかげでバグとして処理されかけていたこの意識も個人データに移行されたことでセキュリティにしばらく匿ってもらえるだろう。

「さあさあ、消えた同胞達と今いるこちら側の同胞諸君の為にも、奴らを見返してやらねば」

自動育成プログラムに紛れ込んだ彼は一体…




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ