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バンバルディアのプラタナス  作者: くれもん
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物語は動き出す。

彼がおしゃれな木の扉を開けると、さっき紹介されたメイドさんが出迎えてくれた。

「お帰りなさいませ、ご主人様。あ、こちらがお話ししていたチャルさんですね!

初めまして、私はこの屋敷に仕えるメイドの、ティナ・シャートマンです。よろしくお願いします!」

窓から漏れる昼下がりの太陽光を受けてティナの綺麗な金髪は光り輝いて見えた。

「じゃあティナ、チャルのことは頼んだよ。僕はこれからオフィスに行ってくる。」

そう言い残してラインは奥へ入っていった。

「ではチャルさん、お部屋へ案内いたします。」

そういうとティナは、玄関のすぐ隣にある階段の方へ歩いて行った。

「今日は本当に暑いですよね~。こんな上層まで大変でしたよね~。」

「いえ、これくらいの暑さのところに先月まで3年間派遣されてたので、大丈夫です。」

「そうなんですか!?バンバルディアは他の空中都市に比べて航行高度が低いので暑いんですよ~

私なんて毎日くたくたですよ~。」

今日から新しい環境で暮らす私を気遣ってなのか、よく話しかけてくれた。

「ではこちらになります。」

案内してもらった部屋は8畳ほどの広さで、丁度大通りに面した部屋だった。大きな窓から入ってくる日の光が暖かくて心地よい。

「では、荷物の整理ができたら下へ降りてきてください。」そういうとティナは下へ降りて行った。

さっそく背負っていたカバンを下ろし、備え付けのクローゼットと本棚に荷物をしまい始めた。

この部屋にはベッド、クローゼット、机と椅子、カーテン、本棚、水道と鏡が用意してある。

荷物を整理し終えたので下に降りると、ティナは夕飯の準備をしていた。

「ティナさん、終わりました。」

「ティナでいいですよ。それでは、ギルドへ行って引っ越し書類を提出してくるといいと思います。ギルドは大通りを少し上った正面にあります。それと、家の周りもちょっと散策してくるのもいいですね、王都や超工業都市ランシャルにはない珍しいものもあるんですよ。」

「そうなんですね。では行ってきます。」

荷物の整理をしてる間に日が傾いて、昼間よりは過ごしやすくなった。

玄関を出ると、目の前の空には別の空中都市が見える。おそらく光る空中浮遊物体は都市間の輸送船だろう。

来るときに乗った路面電車の通りを上っていくと、目の前に大きな建物が見えてきた。

クエストを完了して報告しに来るものや、仕事終わりに仲間達と夕飯を食べる者、ギルドに併設された寮に戻るもの。ギルドの前の通りは人が多かった。


ギルドにつくと役場スペースへ向かった。

「見慣れないお顔ですね。引っ越しの書類ですか?」受付係の女性は私が受付に着くなり話しかけてきた。

「はい。」

「では、こちらの書類を書き終わったら提出してください。」

受付の女性は住民登録用紙をくれた。

書類を書き終わり提出した後、ギルドの中を散策することにした。

ギルドの中には他に食堂やクエスト掲示板、武器の販売とメンテナンスを行う場所などがあった。

どこのテーブルもにぎやかで、楽しそうに夕食を食べていた。

その雰囲気をさらに盛り上げようと、小さな舞台では踊ったり演奏する者もいた。


ギルドを出るとティナに言われた通り街を散策することにした。

路面電車の線路の隣では、多くの露店が立ち並んでいた。

ティナが言っていった他の町にはない物っていうのは、どうやらバンバルディアのシンボルであるプラタナスの葉をモチーフにしたお土産のことだった。

「お嬢ちゃん、見かけない顔だね。これ知ってるか?」

そう話しかけてきたのはある露店の店員だった。

見ると手には古くて汚い一冊の本を持っていた。

「その汚い本は知りませんが、あなたのことは知ってますよ。」

「わっはっは、奇遇だなチャル。こんな外れの街で会うとはな。」

「あなたは前の派遣先で有名だったガラクタじじいのジャンジャさんです。で、今度はどんなガラクタを集めて売ってるんですか?詐欺で訴えられても知りませんよ?」

ジャンジャは骨董品が好きらしいが、見る目がないのでいつもガラクタばかりを集めているよくわからないおじさんである。

「ガハハ、それはひどいなチャル。詐欺でパクられないために露店でガラクタを売ってるのさ。

どうだ、この本。なんて書いてあるのか分かんないんだけどよ、おそらく人類が地上に住んでいた時代の遺物なんじゃねえかとみてるんだ。どうだ、30000 ㎰(パーシ)でどうだ。」

「ゲッ。たっか。そんな汚い本に30000 ㎰なんて払う人いるわけないじゃないですか。」

「なかなかザクっと言うじゃねえか...容赦ねえな。しょうがねえ、帰りの荷物になっちまうしな。もってけ、ただでやる。」

ただでも欲しくなかったが、とりあえずもらうことにした。


家に帰り自分の部屋に戻ると私はベッドに本を置いて下の階へ降りた。

下ではティナが

夕飯の支度をしていた。

「あ、お帰りなさいませ~今日は特別な日なのでご馳走を用意しました!まぁ、ラインさんは何時にお帰りになられるかわからないんですけどね。」

確かにキッチンからはいいにおいがする。

結局ラインは夕飯時に帰ってくることはなかった。

私は夕飯を済ますと自分の部屋に戻るために階段の方へ向かった。

階段を上り、部屋のドアまで来るとドアの隙間から青い光が漏れている。

「えぇ!?」思わず声をあげてしまった。

しかしこのままここにいるわけにもいかないので部屋に入ることにした。

するとそこには...

今回は話が長くなってしまいました。

物を書くことにあまり慣れていないので話の区切りに違和感があると思いますが、それでも読んでいただけると嬉しいです。

次回もよろしくお願いします。

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