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『使い魔』について

妹が唐突に会議を始める。それは世界の真実を知る会議。

これは妹と僕の他愛もない日常の一コマである。

わが家に来訪した珍客……彼女は新しい我が家の一員……なのか?

 

 夕暮れ、寒い日、こいつはいつも家にやってきては、 暖かい場所を占拠する。

 こいつとはなにか?


 答えは『猫』。


 わが愛すべき妹が、庭に入り込んできたこいつを、保護という名の捕獲をしてからの付き合いとなる。

 正直いえば、野良であったので、家にあげる際には大地母神と、そりゃもう、ひと悶着はあったのだが。


 なかなかに難航した交渉ではあったが、結果としてはシャンプーをすること、蚤とりバンドをつけること、鈴をつけること、等などの条件の末、決着をつけた。 

 あ、もちろん僕は妹擁護派に決まってるが、今回はそこに魔王も加わって、なんとか大地母神より許可を得た。


「にゃにゃにゃ?」


 とてもキュートな声が聞こえた。もうその声だけでゴハン三合は固い。

 え?誰の声だって?

 そりゃあ間違いなく僕の妹に決まってるじゃないか。


「妹よ、ご機嫌じゃないか」

「あ、兄……うん……」


 ふと今の自分を視られていたことに気づき、妹の顔が少し赤くなる。


「あ、兄!」

「お、おう!」


 妹は今日はストレートなままにしている、清楚な感じが実に魔性である。

 そして髪を少しかきあげながら言う。


「兄、か…...かいぎをはじめます」


 今日も妹の会議が始まるようだ。

 妹曰く、世界の真実を知る会議が……。


「あ…兄、猫は使い魔……」

「おお、王道だな」


 妹のまだ少し赤い頬についてはつっこまないし、あえて触れない。妹よ大変キュートだ!兄は今この場を与えたもうたであろう、誰かは存じ上げない神様に感謝をしているよ。本当誰ですか?


「ん……」

「おあつらえ向きに、この猫は黒猫だしな」

「ん……まだ名前はない」


 使い魔……ファミリア、等ともいい、猫だけに限らず大抵の小動物は使い魔たりうる。自らの魔力の一部を与え、感覚の共有なども行える。


 僕自身、昔に飼っていた亀に名前を付け、使い魔として認定していた。ただあいつはちょっとおっとり屋だったので、実質的な任務は一切こなしもていないし、基本は食って寝てあくびをする使い魔だった……。


「かめ……、懐かしいな……」

「兄?」

「あぁ、古傷が少し痛んだだけだ、気にするな妹よ」


 使い魔は召喚後に使役するパターンや、その辺にいる小動物を使い魔へとするパターンもある。今回の妹の場合は後者になるのだろうな。


「この子はお利口……トイレもきちんとしている。私が脱いだ靴下も片づけてくれる……」

 な……なんだと!? 妹の靴下をくわえて片付けるだと?! 確かに優秀ではある。


 妹の靴下の貴重さをよく理解しているという点では、全くこの猫侮れない……恐るべしだな。

 猫と目が合う、猫は少し自慢げに鼻を鳴らしてこちらを見てくる。


 うむ……多少自慢げな部分が気に入らないが、お前が使い魔というのであれば、この兄も認めざるを得まい。妹の靴下の貴重さ……(二回目)。 俺は視線で猫と分かり合い、見えない握手を交わす。


「妹よ、確かにこの猫は使い魔だな」

「ん……兄に、認められた良かった……」

 妹は嬉しそうに猫の頭を撫で、抱きかかえて僕のほうに向けてくる。


「いい?猫……貴方は使い魔。でも兄には絶対逆らってはダメ……わかった?」


『ニャー』


 猫は了解した!とばかりに強くひと鳴きする。


 猫のひと鳴きの後、大地母神がちょうど帰ってきたようで、玄関が少し騒がしくなりはじめる。


「兄~荷物多いからこっちきて~」

「へーい」


 僕が立ち上がって、その場を離れた時。妹は猫を抱き上げて自分に向かせて何かを言っていたようだった。


 ようは世界は平和で今日も妹は可愛い、それでいい。それでは、本日の妹と僕の会議を終えます。



「いい?あの人が私の大事な人.....わかった?」

『ニャー』


 妹がが何か小声で言っていたようだが、大地母神の再度の催促に掻き消え、それは聞こえなかった……。


 このお話は、どこにでもいる家族、どこにでもいる兄妹のお話し。

 ただ、少しだけ違うのは、この妹は、小学一年生にして既に厨二病だということ……だったのです。

 そうこれは、どこにでもありそうでない、妹と僕の世界の真実の会議のお話し……なのです。


『ニャー!(この娘、本気ニャ!)』


はいどうも!十四年生です。

お久しぶりでございます。

第八話いかがでしたか?

最近体調がすぐれないため、不定期とはいえ、

だいぶ期間が開いてしまい申し訳ありません、


本当他愛もない一コマなので、ほっこりしたり笑えたり、ふーんて思えたり、色々だと思います。

今後もふと思いついたとき更新しますので、お気に入りよろしくお願いします。


妹可愛い、猫お前の名前は? え?メスなん? 兄……自重せよ……などありましたら、

是非諸々、お願いします。

不定期にもほどがありますが何卒、応援いただければ幸いです。


猫:妹の使い魔、まだ名前はないが、メスだったようだ。怪しいところが多いが知能は高い。基本自由な淑女というスタイルでいるが、半分飼い猫のようなもの。


かめ:兄の使い魔。現在行方不明。食って寝てあくびをするのが主な仕事。今から数年前忽然と兄の前から、姿を消したらしい……。

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