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『その者、緑の大地にそびえし赤き山脈より~』について

妹が唐突に会議を始める。それは世界の真実を知る会議。

これは妹と僕の他愛もない日常の一コマである。


夏がくるぅキット……ナッツガ(おっとどっこい)

 夏が過ぎ~♪

 学校帰りの道すがら、なんとなく口ずさむのはあの曲。

 なんでだろう……。不思議だね?

 汗を流して働くのは大人ばかりじゃなく、僕ら子供の分類にあるものも、こうやって汗を流しながら通学をして勉学に勤しむ。


 汗の分だけ男は強くなる。のか?

 ようやくお家に到着。さぁこい、俺の冷房ルーム。


 縁側ではポニテにした妹がキュロットにTシャツという涼しげな姿で、

 タラに水を張り足を突っ込んでバシャバシャと水を蹴っている。


「おっとどっこいマーメイド?」


 うん、波うちぎわのマーメイドなのかな? お兄ちゃん見えないはずの人魚姿の妹が、見えちゃうよ。


「あ、兄……おかえりなさい」

「おう、兄は帰ったぞ妹よ」


 僕は玄関からお家に帰りますよ。冷蔵庫を開けると皿に乗った、緑の淵にそびえる三角の赤い奴。こいつは隊長機、きっと三倍甘いに違いない。(西瓜は基本赤だった気もするが……)


「妹よ!西瓜があるぞ!」

「ある」


 さぁおいでと、縁側でたらい(主に中の水)と死闘? を繰り広げていた妹にタオルを投げ込む。これで試合は完了だな。俺のタオル投入により、残念ながら妹のT.K.O負けになるのだろうか? なお足を入れていた残りのお水はスタッフが美味しく……やらせねぇよ?


「兄……」

「ん?」


 おっとイケナイ、どこか遠くの別次元で神の最終戦争が起きそうだった。僕は意識をこちらに戻す。

 そののち、手洗いうがいをしっかりとして、西瓜を頬張り、種を器用に口内で分別の後に連続でマシンガンの如く吐き出す僕に妹が声をかけてくる。その眼にはいつもの怪しげな光が漂う。


 そうか……。

 今日はこのタイミングか……。


「兄……かいぎをはじめます(五芒星シャキーン)」


 どうやら今日も妹の会議が始まるようだ。

 妹曰く、世界の真実を知る会議が……。


「その者、緑の大地にそびえし赤き山脈より取り出しし、黒き種にて標的を穿たん」

「たん……今日はセリフ長いな」

「……頑張った」

「うん、頑張ってるえらいぞ」


 何気に妹をしっかりとほめ、兄特権にて頭を撫でる。実に触り心地の良いキューティクルは天使の輪の頭上に良い形の♪マークが浮かびあがる。妹の機嫌は絶好調のようで何よりだ。そして兄は手のひらに幸せを感じた。



 さて今日の議題はどうやらこの西瓜のようだ。


 原種は西アフリカ原産のエグシメロン、アフリカ北東部原産のシトルルス・ラナタスとか言われいて、リビアでは五千年前、エジプトでは四千年以上前には食されていたと思われる痕跡が見つかっているそうだ。なお最初の方は種を食べていたようだ。このタネだが今でも普通に食われていたりもする。


「西瓜……かなり古い?」

「あぁ、かなりの古さだ、エルフもびっくりだな」


 因みに、エルフと言えば長寿で有名だが、指輪なんちゃらの世界では、不老不死である。昨今では二百年~千年だのなんだのと言われている。長寿の仕組みはいろいろ言われているが、某、中の国に居るという天秤座の老師は心臓を……いややめておこう。


 話を戻す。


 色々あって日本に入ってきたのは室町時代辺りじゃないかって言われている。

 ポルトガルからとか中国からとか、さてどっちからだろうね。


「海を渡る西瓜……よく浮かぶから……」

「どんぶらこ~どんぶらこってなw」


 野生の西瓜は甘味はほとんどなく水分は結構あるという感じで、ナトリウムやたんぱく質なんかも含まれている。なお、日本の品種改良後の西瓜にはほとんどない。砂漠でなんかと貴重なミネラル源になるのだろうな。


「水大事……なくなったらミイラ?」

「あぁ、マミーだな……包帯巻いとくか……」


 日本での品種は多すぎるのでよく聞く奴だけ。

 でんすけ:真っ黒な表皮に対して中の果肉は真っ赤でシャリシャリした歯ごたえが素晴らしいとか。北海道


 らいでん:知っているのか、らい〇ん!ではなく、西瓜。大きくて甘いらしい。でんすけとならむ西瓜。北海道


 黒小玉:カラカラカラ……と某アニメで首を傾けるあいつではない。皮が薄く、シャリシャリしている歯ごたえで糖度も結構高い。北海道


 なんか北海道とか多い感じだが、茨城県、石川県、愛知県、秋田県、神奈川県、青森県、長崎県などでも作られてる(他には沖縄県でもね)。西瓜の糖度は平均十一前後だったが最近では、十二とか十五とかもあるらしい。十二でもかなり西瓜としては甘いようなので、十五とかいったらどうなるんだろうな。


「甘くて……おいしくて、じゅうしぃ?」

「おう、じゅうしぃ~だね妹よ」


 因みに西瓜の糖度をあげるには水を切るというやり方があるらしい。水を与えないようして、歓談などでストレスを与えるとか。いやぁブラックだねぇ……西瓜頑張れ。


「西瓜……がんば」

「頑張った結果、わが妹に食されるのだがな」

「むぅ……美味しくいただく、成仏……」


 なお、夏の風物詩でもあるリア充どもが、キャッキャウフフしながら阿鼻叫喚の目隠し地獄にて狂乱の宴を繰り広げるという西瓜割(あくまで兄の個人的な妄想です)には日本すいか割り協会(Japan Suika-Wari Association)の決めた公式ルールがある。


 西瓜と競技者の間の距離、九メートル十五センチ。棒は直径五センチ以内で長さは一メートル二十センチ以内。目隠し用手ぬぐいはJSWA公認のものを使用。(目隠し度合いの確認には1万円札を競技者の前に落としてみるとか)使用する西瓜は国産西瓜でよく熟れたもの。制限時間は三分。判定は審判員が行い。審判員はその年の西瓜を十個以上食べている必要がある。審判員たるもの西瓜をを知り己を知れば百選危うからずなのか?知らんけど。


「むぅ……厳しいルール。そして目隠しをしたものを遥かなる海へ……」

「うん、妹よ、誘ってはいかんぞ」


 あと西瓜は俳句だと夏を表すかな。

「瓜西瓜 ねんねんころり ころり哉」これは小林一茶の詠んだ俳句らしい。

 まぁこの辺は妹にはどうでもいいか。


「っというわけでだ妹よ」

「むぅ……わかった兄……西瓜は砂漠のミネラル源アイテム。ところで、兄こっちを向く」

「ん? おおっ!?」


 妹の可愛い小さな口から器用に分けられた黒い種が僕の顔に向けて飛んでくる。なんだこれはご褒美か?? い、いかん、ここは兄の威厳を保つためにも。


「ぐはぁ……まさかの不意打ちとはぁ……やられた~~」

「ふふ、兄の負け。(そして兄へ西瓜の種でマーキング……)」

「ん? なにか言ったか妹よ? 兄は今黒い種のダメージを計算していたためよく聞こえなかったぞ?」

「兄……なんでもない。あ、ねこが来た兄」


 兄妹のたわいのない戯れをしていると、黒猫のねこがやってきて、僕をちらっと見ると軽くため息をついたのち、縁側へ去ろうとする。


 ぬ?こ奴めあきれ顔だったぞ?待てねこよ。僕はあくまで兄としてだな……。

 妹は去り行こうとするねこを追いかけて縁側の向こう側へ移動していく。


 どうやら本日の会議はこれで終了らしい。この後、いつまでも妹の吹き付けた種まみれになっているのもどうかと思い、一部を残し、すべてを拭きとって自室に行き、クーラーをつける。あぁ素晴らしきから現代文明の利器よ。


 まぁあれだ、ようは世界は平和で今日も妹は可愛い。西瓜は思わぬご褒美になりうるということだ。うんそれでいい。それでは今日の妹と僕の会議を終えます。



 ※※


 縁側の妹



「兄とある意味濃厚接触?ふふっ……」

「ニャー(いやマジ勘弁ニャ、どうにかしろニャこの兄妹)」

「むぅ?何か文句でもあるの……?」

「ニャー(何でもニャイですニャー)」


 このお話は、どこにでもいる家族、どこにでもいる兄妹のお話し。

 ただ、少しだけ違うのは、この妹は、小学一年生にして既に厨二病だということ……だったのです。

 そうこれは、どこにでもありそうでない、妹と僕の世界の真実の会議のお話し……なのです。


「ニャー?!(濃厚……タネ??)」

ようやく書けました。

十四年生です。

いつの間にか世間は梅雨という名の雨もすごいけど温度もね?

イッツア亜熱帯? という感じになっていますが、皆様オゲンキデスカ?


今回のお話はいかがでしたでしょうか?

夏と言えば西瓜? なんて思いついたので思ったら即実行とばかりに書いてみました。


妹可愛いなオイ! 兄よそれは我々の業界ではご褒美です。幼馴染はどこにいった?

あと作者イキロマジで。 などありましたら、ぜひ感想とツイッターと高評価の星お願いします。


ではまたお会いしましょう。




ではまたお会いしましょう。

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