お爺様との稽古は死ぬかと思いました
お爺様の稽古は厳しかった。
朝は5時に起床し、朝食の前に素振りを千本。
朝食を摂った後、腹ごなしに庭を50周。(約20㎞)
走り込みをしたら、お爺様との対人訓練。
昼食となる。
昼食を摂ったら、一様、伯爵家の令嬢のため、淑女教育の時間となる。
そんな地獄の稽古を始めて一年がたったころ、私はいつものように庭を走っていた。
すると木の上に何か白いものが見えた気がして立ち止まり、目を凝らした。
よく見るとリスだった。
(白いリス?アルビノかな?)
珍しく思いその白いリスを見ていると、リスがスルスルと木を降りてこちらに近づいてくる。
そのリスは白毛並みに、青い瞳が美しかった。
この色はどこかで見たような・・・
「思い出した。この色は女神さまと同じ色だね。もしかして女神さま本人だったりして」
「えぇ。女神よ」
「うんうん。女神さまもそんな感じのしゃべり方だったな。」
「だから、女神だって言っているでしょ!?」
「そうね、女神さまと同じ色のリスね・・・ん?リス?」
周りを見渡すが誰もいない。いるのは目の前のリスのみ。
「久しぶりね。」
「・・・リスがしゃべったーーー!!」
「驚くのはそこじゃないわ!女神なの!私!」
と言って目の前のリスがその小さな胸を張る。
「女神?女神さまリスになったの?」
「だから、さっきからそういってるじゃない」
「何でリスなんですか!?」




