目が覚めると
あぁ、また死ぬのか・・・。これでいったい何回目だろう。そう思いながら私は白い光に飲み込まれていった。
・・・ざめ・・い。 ・・ざめ・な・・い。めざめなさい。
声が聞こえる。もう何回も聞いた声だ。この後のやり取りも何回もやったから知っている。
嫌だな。目開けたくないな。
うん。まだ寝たふりをしよう。私は何も聞いていません。聞こえていません。
そう心の中で呟きながらじっとしていると、声の主が近づいてくる気配がした。
「ここまで完璧な寝たふりをするなんて・・・。はぁ。仕方ありませんね。」
「・・・チョコレート」
ピクッ。
「チョコレートパフェデラックス一つ。」
ピクッピクッ
「ん~~。しょうがないですね。チョコレートパフェデラックス一つにあなたが今まで巡ってきた世界で一番高級なチョコレートの詰め合わせでどうでしょう。」
―ガバッー
「おはようございます!前世いらいですね!」
ぱっと起きると、あたり一面は真っ白な何もない空間で、目の前には白くゆるいウェーブを描いた髪に青い瞳が美しく、白いレースの肌がすけた長いドレスを着たジト目の女神さまが立っていた。
「・・・おはようございます。」
不機嫌そうに約束のパフェとチョコレートの詰め合わせを差し出しながら挨拶を返してきてくれた。
「どうして毎回素直に起きてくれないのですかね。」
私は女神さまから頂いたパフェを食べながら明後日の方向に視線をそらせた。
すると女神さまが私の顔を両手で挟み自分の方に向けさせた。