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その男、根暗につき

作者: J村

俺またなんかやっちゃいました?

貝塚某所


薄暗く湿った部屋に栄養ドリンクの空き缶、そんな部屋の主の未来を暗示するような場所にただただパソコンに向かい文字打つ男が居た。


「それから恋に発展して…オホーッ!!」

彼の名前はシェム。

齢30にして引きこもり、万年アトピー、

そして重度の妄想家であった。


彼は生来の根暗かつオタクであり、小中そして専門校でも虐めを受け遂にはやっとの思いで受かった専門校を中退した、そして始めた彼の趣味は執筆であった。


元々はYOUTUBEで動画を投稿していた身であり、彼は自身を動画もサムネも作れる有能と思っていたので小説も天才の自分なら簡単に作れると考えていた。

彼が執筆する小説のタイトルは


「オフ会100人?!。 そこから始まる異世界転生」


という陳腐で某小説投稿サイトにありがちなハーレム最強作品らしいタイトルだった。


勿論ストーリーもある日突然主人公ことシェムが異世界に飛ばされ、そこで能力に目覚めて、モンスターを倒して女の子と恋に発展するという内容だ。


そこで彼は惨めにも学校で虐めていた人物の名前を使い、主人公の踏み台要員にしようと画策していた。

そこで彼はより読者が主人公に肩入れできるように、主人公(自分)の学校時代の回想シーンを入れる事を決めた。


{「おい引きこもりぃ!」と罵られ、「貝塚の恥」と蔑まれた日々、しかし決して俺は挫けなかった…」}


より"迫真"に迫る内容の虐め描写はシェム自身が学校時代に受けた虐めの内容と酷似するものだった。


そこから始まる"一転攻勢"

虐めの主犯格だった谷岡は、シェムのオリジナル魔法の"谷岡ケツ十字キラー"を受け肛門破裂。

取り巻きも"邪剣「夜」"を喰らい昏睡状態にさせた。


これで気が晴れたのだろうか、彼は満足そうに執筆を終えオリジナル料理の製作とヤジュハザの実況に専念した。




日付を跨ぎ翌日、シェムは自分の超大作小説のレビューを確認するため急ぎ足でパソコンに駆け寄った。


しかし彼の感情は高揚ではなく落胆、いや一種のやり場のない怒りだった、


「題名が致命的に面白くない」との感想や

「S」という不可解なコメントで埋め尽くされた。


勿論彼はそんなアンチコメントに寛容な常識人ではなく、激怒した。


「ほならね、自分で作ってください」


という怒りが見え見えな冷静を装った激昂コメントを小説の後書きに書く位だ、そしてそのコメントは彼の精神年齢を露呈するだけに留まった。


月日は流れ



彼のある意味面白い作品は初期には閲覧数1000にも満たなかったがその幼稚さ、非常識さ、そして何より虐めていた本人にこの作品がバレ、小説投稿が停止したことにより今やある種の聖地として、彼の作品は有名になるのだった。


「S」 ってなんでしょうね?



S…障が

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