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UMWオンライン‐イリス編‐リアルスカイエースなクローラファンタズムなリズムリム



 総合芸術的にゲームをプレイ-観光譚記録



「はぁ」


 目の前の素晴らしい景色に、感嘆の溜息が止まらない。


 最近のVRゲームの躍進は、それこそ凄まじいものがあり、日々生きる活力に、それこそ無限大になるんじゃないかってレベルだ。


 幼少期から二次元、リアルな三次元的、そしてVRゲーム等々、いろいろなゲームで遊び呆けてきた。

 だがやはり、一人で音楽を聴きながら感覚を研ぎ澄まし、そしてゲームの様々な世界を見て回る、それが一番だと最近気づいた。


 煩わしい人間関係、とは私は別に思わないが、そんな感じの俗世を嫌いになった若者みたいな気分である今現在。

 あるいは、わびさびを理解できるようになった、年配の人みたいな気分だ。



 目の前に広がるは銀世界、中世の時代とその背景、更に寒い雪原地帯の建築物と、わたしはそんな感じで認識する、そんな光景なのだ。


 いつもと趣向を変えて、一人で来ている。

 偶には嗜好とかを変えて、何もかもを一新して、何か素晴らしい新鮮な感覚を得られないか、情報を感じれないか模索しているのだ。


 ここは”スカイリズム”というゲームだ。

 私はゲームをする為に、今回ここに来たわけではない、ただ景色とかそういうのを楽しむ、観光で来ている。


 でもまあ、そんなの関係ないとばかりに、魔物やプレイヤーに襲われれば対処しなければいけないだろうし。

 更には、助けを請う人とかがいれば助けますけどね。


「はぁーぁ」


 またもや溜息、趣のある建築物や、その他町の景色は、いつもながらずっと見ていて、無限に飽きるものではない。

 将来は、都市と自然の調和をデザインする、そんな比較的新しい職業に就こうかなぁー、とかそんな気にさせる。


 最近の惑星テラフォーミング(移住可能化処置)の件数増加、それによって需要も増して、一つの大きな職業になりつつあるしね。

 それに人口増加による、都市部の増加もある。

 莫大な富を自然との調和に当てて、都市環境の、芸術的な要素も加味した、それら向上は、最近ならずとも昔からのブームだ。


 そういうわけで、私は将来的な展望とかも、冗談交じりに心に留めながら、このような自然との調和的芸術を鑑賞しているのだ。



 雪のすこし積もった、大きな石造りの橋を渡る。

 空は雲ひとつ無いのに、どこか灰色っぽい白。

 でもそれも、なにか風流な気がする、雪原地帯ならではである、いやこのゲームの赴きなのだろうか?


 橋の下の、川のせせらぎを上から覗き込む、美しい自然と水が調和し視覚に心地好い。

 耳から流れるBGMも、いつの間にかリラックスモードの音色に変わる。


 このインターフェースは買って良かったな。

 私が今耳の辺りに、コンパクトに付けているヘッドセットと、その制御端末の話しとかである。


 これは最新の機器なのだが、視覚情報に最適な音楽を、指定された音楽群、私が用意したものである、そこから選び出す。

 私が、暫時最適化という、そういう端末スイッチ情報をボタンや脳波で命令すると、今かけている音楽が止まり、新しい音楽が流れ出す、そういう仕組みだ。

 視覚娯楽と聴覚娯楽を、随時最適に組合せ、最大限の娯楽を生み出す、まあ言ってしまえばそういう装置なのだ。


 私は、今はBGMオンリーのモードを選択しているが、普通に肉声の音楽も流せたりする、今はそういう気分なのでサウンドオンリーにしている。



 そんな事を考えながら、辺りをきょろきょろ、とはしていないが、適当に眺めながら橋を渡りきる。


 鬱蒼としながらも、何か神秘的な森に入ろうか? 

 それとも、このまま真っ白っぽい肌色の城壁に囲まれた町に行こうか? どうしようか? と考える。


 まあ、ここに息づく人々も見たいし、町に行こうっと。


 橋を渡った少し先、町の常に開けている門を素通りする、別に検問とかはないのだ、自由に出入りできる様になっている。


 ちょっと憂鬱として、俯いた感じの人が多い。

 でも中には雪遊びする子供達や、明るい感じの少年少女、それを眺める活き活きとした感じの大人たちもいる。

 ある意味普通の、ありきたりとした町の風景。


 でも、凄く癒される。

 ゲームとして見栄え良く、何かの黄金比を突き詰めた芸術っぽい。

 そんな計画的に編み出されたそれは、どんな時でも私を楽しませてくれるのだろう。


 私はなんか嬉しくなって、道のどこにでもある雪を手で掻き集め、そして丸める。

 それなりのモノが出来た、そして子供達の群に混ざって遊び始めた。


 ちなみに、このゲームは実際の見た目でやる必要が、ほとんどの場合ある。

 一からカスタイマイズできるが、それだと実際の身体データを正確に入力出力できなくなり、こういうゲームは面白さ半減以下である。

 だから大抵のプレイヤーは実際の見た目、あるいは身体形質とかでプレイしているのだ。


 私は、自分で言うのもなんだが、凄く子供子供しい見た目だ、もう高校生なのにね。

 偶に中学生の初等に間違われる事も、それ以下に見られてしまうこともあるので。

 そんな私が空色の瞳輝かせて、笑顔で子供達の群れに突撃しても、なんかあんま不自然っぽくないらしく、普通に混ざれた感じだ、やったねぇ!


 十数人の、男女比半々くらいのグループである。

 適当に町の至る所に駆け回りながら、ただただ延々と雪のぶつけ合いをしているのだ。


 雪国っぽい、レンガの家の背後に隠れて一息つく。

 私の緑髪に沢山の雪が降り掛かっている、背中ほどもあるので、なんかちょっと重くなってないかなこれぇ? 濡れているらしい。


 まあいい程度の問題なので、すぐに切り捨て、レンガの家の間を駆ける。

 すると、目の前に大きな塔、なんの用途か知らないが、中の方から上に登ってみたい衝動に駆られたので、そうする事にする。


 中は割と狭い感じで、螺旋の階段で上部に続いている。

 中途中途に外を覗ける窓があり、町の様子がそこから垣間見えた。

 この町はそれほど大きくはないが、別に小さい訳でもない、だからここからで外まで見渡せないが、結構に綺麗な外観を晒していた。


 上にまでくる、屋上のように全体が開けているが、ドーム状の屋根がある感じの最上階だ。

 そこから町全体を眺める、沢山の建築物とか自然物、それらが視界に一杯広がる。

 ゲームだからか、どれ一つも整合性や彩りにマイナスにならない、そんな芸術性をどこまでも突き詰めたような光景である。


 雪がうっすら積もった屋根屋根、そして路地に生える大きな木々、なんかいいなと思ってしまう。

 夜になったらまた来よう、ここなら毎夜必ず現れるオーロラを、いい感じで眺められそうである。


 すると、下の方に手を振る子供を見つけたので。

 上から雪だまを放ってやる、吹き抜けなので多少雪が溜まっていたので、それを元にして作った。

 遠すぎて当たらない、普通ならば。

 でも変に投擲スキルが作動したのか、遥か下にいた子供の顔面に命中。

 あまりに勢いが乗っていたのか、はたは想像していなかった事態に対するショックからか、子供はその場で泣いてしまった。


 私は大変だと思い、できるだけ早く下まで降りて、子供に駆けつける。

 恨みがましい目で見られたが、よしよしと頭を撫でて、あやし慰めると許してくれた。

 そして又も雪合戦再開、相手に一つでも多くぶつける戦いとなった。


 そんな感じで、町を見物しながら時間を過ごした。



 さてさて、そろそろどこか別の場所に行こうか?


 私は端末を開き、中空に浮遊するフライウィンドウを開く。

 これはゲームにおける本体画面である、VRゲームを起動させる中核システムとも言える。


 その中の持っている、既にダウンロードされているゲームと、更にネットワークでプレイできるゲームを眺め閲覧する。

 さてどれにしようか、そのように頭を働かせる。


 ゲームをプレイするのでなく、観光的なプレイをするなら、そういう面に凝っているゲームが良いであろう。

 航空機を操れるゲームも、空からの観光、又は要塞や都市、超兵器内部を眺めれるし。

 宇宙を舞台にしたゲームなら、宇宙規模の戦艦や機動兵器等々で、又はプレイヤー単体として、色々なところを自分で眺められる。


 または、そういう感じでなく日常系でも良い、ただの町並みを見たり、でもこれは現実でも似たような事が出来るから、パスかな。

 アウトローな感じのゲームなら、深夜の都会に繰り出して、普段絶対に行けない様なところも探検気分で赴ける。

 深夜の如何わしい店も、ゲームとして最適化された感じでだろうけど、リアルな感じで楽しめそうだ、自慢話でも捏造して楽しもうか。


 他にも、春夏秋冬の自然が楽しめるゲームもあれば、アフリカの自然を堪能できるゲームもあるし、ホント色々ある。

 全く違った文化、アメリカンな雰囲気を精一杯楽しめるゲームもあるし。

 それを一線飛び越えて、宇宙人や近未来的町並みで、日常を楽しんだりドンパチできるゲームもある。


 インターネット妖精になって、仮想電脳空間に潜り込むのも面白い、そういう独自っぽい世界観もあったりする。

 似た感じな分類で、荒廃しきった遠い未来というのも凄く面白いと、私は感じる。

 超兵器や超生物や超建造物等々、空想科学がいろいろ面白く展開されていて、知的好奇心を駆り立て興味が尽きないのだ。


 それとも健康的に健全に、レーシングゲームでもやろうか?

 うーん、それよりも不純的に不健全に、沢山の男の子を囲い込む、そんな類の平安モノのちょっと危ないゲームに手を出してみようか?

 逆にヒマワリの咲き乱れる教会で、萌え萌えした絶世過ぎる、感動的な美少女と、お話ししながら戯れるのも良さそうだ、最近ご無沙汰しているし。


 うぅーんうーん、沢山の、無限に近いような数の選択肢を、画面いっぱいに映し出されて、私はちょっと嬉しい感じの困惑を覚えているのだった。

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