イデアイリスとアルドの邂逅接触
イデアイリスとアルドの邂逅接触
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「人生一万年、世界総人口一千京人」
ブツブツ呟きながら、ここ矛盾領域最上点に近い塔の超超高級料理店に、いま俺はいた。
「ふはふは、凡人では、そうであろうが。
命は約一万年しか続かないし、世界が幾ら広くても、一千京人くらいしか認識内に納められない。
だがな、わたしは掛け値なしで無限の命で、無限に近い数多の無量大数、1千該人程度は直接絆があるのだ」
フカひれスープ飲みながら、途中で饒舌に切り替え、凄いだろ?と此方を見上げてくる。
俺はビーフステーキを切り取り、口に放り込みながら、そうだなっと適当に受け答えする。
コイツが凄い奴を超越して天上の最上位に位置すると知ったのは、ここに来てからだ。
矛盾領域の中心点、遥かなる高みに頂を保つ塔に顔パスで通され、出迎えに図書館の主が現れた辺りで気づいた事実だ。
言うに、幻想領域の主、イデア=イリス、こそが、よもやコイツと知れたトキは内臓全部吐き出すくらいのインパクトを受けたね。
だって考えてみろ、こんな馬鹿っぽいクソ生意気だけが取り得の馬鹿幼女だぞ、馬鹿馬鹿んなわけあるかって思うのが至極だ。
どうしてコンナ場所にいたんっすかですかっと、多少怯んで敬語になり掛けの質問をすると、
に「最近は我が領域のイデアサヴァン症候群の能力者が不足してな」っとお答えになった。
イデアサヴァン、症候群の能力者か。
それはこの世界において、無限大に存在する真理的事象を創造し続ける能力者の事だ。
幻想の領域の頭目なら、それはそれは必要だろう。
なぜなら幻想領域とは、無限の真理的な事象の集合的な産物と言い換えても可の領域である。
新たな新規開拓でも開発でも何でもいいが、無上のフロンティアを抱える勢力としては所持して不足はないだろう。
「そう、当初はその予定で来たが、もっと、そうもっともっと、わたしの興味を引く対象に出会ってしまった」
言いながら見つめてくれば、それが誰か? など質問で返せそうにないではないか。
「俺になにを求めてるってんだ?」
それに対してノンタイムで返答があった「我が伴侶、、、ではなく、奴隷」
おいおい伴侶でいいだろが、そこは、まあ伴侶も嫌だが、奴隷はもっと嫌だってだけの事だが。
「とにかく、わたしの傍で奴隷やっているだけでいいのだ、取引としては申し分ないだろう?」
また例の例によって例の如く、至上において最上の表情を晒してくれる、一体なんなんですか貴方はもう。
「そんな風に言われたら答えは一つしかないだろ」期待の目で見てくる見てくれる「い・や・だ」、、、
「ウっっきゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
おうおううっせなー、周りの客が目を飛び出させんばかりに驚いてるぜ幼女ちゃんよ。
「なんでなんでぇ、!!!いやだいやだ!!奴隷になってなってなってよぉおおおおおおおおおおおおお!!!」
しかし、そういうのが効かないと分かると、途端しずかになってしまった、ちぃ面白みに欠ける対応だ。
「ふむ、お前は陥落のし甲斐がある、流石だ」
フカひれスープの一滴も逃さないとばかりに、あんぐり口開けてカップを傾けて言う。
「当たり前だろう、俺は俺なんだからな」
コイツの真似をしてドヤってみたが、あんまり迫力はなかったぽい。
白けたようなムカつく顔を目の前の幼女がしている事で、それが知れる。
「まあ良い、わたしはまだまだ此処に滞在しているから、その内にお前は篭絡されるだろうからな」
さもそれが世界の決定事項のように、確信に満ち溢れた一切の気負いがない調子に言われた。
「ふん、お前はムカつく奴だ」
そう言うと、チラッと此方を見て「そういえばお主、名は?」
俺は「アルドだ」と答えた。
「そうかアルド、わたしはイデアイリス、知ってのとおりお前じゃないのだ」
俺は鬼の首とったように「はっはああん、おまえって言わずに名前で呼べってかぁ、馬鹿がよ、だれが呼ぶか、お前はお前だ」
言うと「小学生か、アルドも可愛いな」っと素っ気無く言われてしまって心折れかけた。
「クッソみたいなプライド抱えるクソ幼稚園生よりも無限バイマシだろがコラ、泣かすぞ」とか言うと遂には鼻で笑われた、殺してやりたい。
「絶対に奴隷にしてやる、楽しみにしているがいい」
その日はそれだけで別れた、てかアイツフカひれスープしか飲んでないでやんの、十杯くらい。