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2・うわぁー!明日から夏休みだぁー!という夜である。

テンションが否がおうでも上がりまくる今日この頃。



 そんな時、机の上の携帯が鳴り響いた。この着信は俺の最強の電波親友だな。だってレッツゴォーフィバタイムゥ!!!!とかありえない着信音は、何か遠隔操作で弄った証。つまり田辺イリス、彼女に他ならないわけで。


「もしもーし、お掛けになった電話「夏厨を狩るぞぉおおおおおおお!!!!!!!!!!」あぁああああああああ!!!!!」


 耳がキィーン!!どころではない!!耳が怪奇電波でギュィーンギュィーン!!!と歪な感覚で悲鳴をあげるぅわぁあああ!!!


「ハロォー!!明日から夏休みだぁ夏休みだぁやったやった嬉しいなぁ~!!!」

「っぅばっきゃろうがぁ!!いきなり馬鹿煩い大音響出してんじゃねーよ!!」

「なんだなんだ!!不景気だぞぉ!怒らないでょー!」

「ああぁ!わかったわかった、怒っても良いことないよなぁ!!それでなんだ?俺はお前を今から狩りにいけばいいのかぁな!!!」

「おお!来るならこいよぉ!ユー怒っチャイナよー」

「はぁ。で、なんだっけ?夏厨がなんだって?」

「そうなんだよ!今日で夥しい数の夏厨が、われわれの領域に土足で踏み込み荒らしていく!そういう魔の月間が始まるのだよ」

「ああ、例のアレか。うむ、たしかに俺も多少ネットやる身分だから分かるきがするわぁ」

「そうなんだよぉ!あれってうざいんだよぉ!だから今日は!夏厨が体を慣らしてない内に!この夏休みスタートの直前に、キツイお灸を据えてやりたいんだよぉ!」

「はぁ??何言ってんだ?お前は!今から街中に繰り出したりでもするつもりかぁ!?」

「そんなわけないよぉー、つまりはだね、我々は我々の領域に特化した方法でそれを行なえばいいのだよ!」

「うん?なんだそれは?特に思いつかんぞ?」

「つまりはだね!バトルギアソリッドFPSだよ!君と私のコンビなら!この機に乗じて夏厨から大量のポイントを奪えること確実だよ!」

「なるほど、確かにそれは美味しいかもな!相手は腕が鈍ってる奴も多いかもしれないし!良い鴨になるか?!」

「その通り!そうとわかれば膳は急げだよ!今すぐいつもの待機場に集合ね!」

「おうともさ!」


 そして、いつもの集会場に辿り着く。これはVRMMOと我々の業界ではザックばらんにそう言う。

 具体的には最新の、究極的ともいえるブレインインターフェースと。それに特化して開発された身体保護の為の機構。微弱な電気を体中の筋肉等に周期的に流し、これを超振動させる事で代謝も全く衰えさせない。これら大きく分けて二つにより、一切の弊害なく。人類は快適なVRゲームライフを、楽しめるようになったのだ!


 その様な場所だから、探し人は直ぐに見つかる。ありえない程の緑髪美少女だからな!うわーなんでこんな美少女ってのは最高なんだー、という感想を。彼女に対しては合うたび会うたび、感謝を込めて言わざるを得ない。それくらいには周囲に幸せになれる波動を、満遍なく惜しみなく撒き散らしてる。そんな少女だ。


「あーいたいた、こっちだよぉおーい!!」


 と手をぶんぶん振り、元気一杯に明るさのみで構成されたかのような声を出す。彼女は今、待機場の隅の方に陣取り。愛用の長距離スナイパーライフルを手入れしている。ふむ、どれも高性能、実践用にカスタマイズされている。まあ基本だがな。そういう基本が、当たり前の事が。当たり前にできている人間は少ない!なぜなら俺も出来ていないからな!


「すまんイリス!ちょっと整備不足で今すぐ実践でつかえるライフルがないんだ!?貸してくれるか!?」

「えぇ~しかたないなぁー、今回だけだよ?その代わり私の無駄話に付き合ってもらうよぉー」

「あぁ?無駄話だ?なんだって今から直ぐに向かうんじゃないのかぁ?」

「馬鹿言っちゃいけないよ、昼間からゲームするなんて馬鹿のやる事さね、あと二時間くらいはここで話すよぉー」

「お、おう。まあいいけどな、そして、何を話すんだ?」

「まあそうだね、私の話したいこと90%君の話したいこと10%ってとこ、いいね!それじゃ話すか」

「おい自分勝手ここに極まれりだなぁ!」

「最近超眠いんだよぉ!!眠いと力も出ないし!死にたくなるし!気力も体力も何もかもなくなっちゃうんだよぉ!どうすりゃぁいいのさぁ!」

「はあ、まあ寝たらいいんじゃないでしょうかぁ?」

「そんな適当回答でいいわけないだろぉ!」

「じゃーそうだな、昼寝すると睡魔を抑えられるってどこかで聞いたことあるぞ」

「、、最近わたし小説書いてるんだよねぇー」

「露骨に使えないやつって思われたぁ!!まあいい、おまえ小説なんて書いてたのかよ!馬鹿がよぉ!教えろよ!お前の電波小説めっちゃ興味あるぞ!」

「電波ってことは決まってんだ。いやいや普通の小説だよ割と」

「なんで小説なんて書き始めたんだ?正直俺は小説なんて書く奴の気が知れないんだが?」

「いや、これがね、実際やると面白いんだわさ。それに趣味の範囲でやるなら、好きなものを好きなだけ掛ける訳だし」

「すまん、ちょっといいか、恥ずかしくて嘘言っちゃたんだけど、実は俺も小説くらいは書く」

「まあそうだよね、きみ小説書いてそうな顔してるし。そこでだよ!何で君は小説を書くのかぁ?そこに山があるから!的深みのない回答は禁止だよ!」

「うーん、なんだろうな?自分の理想の世界をそこに描き出せるから?とか、あとは人の役に立ちたいからとか?俺な、実は昔妹すらいなくて一人ぼっちだった時期があったんだ。そんな時ネットを漁ってた頃見つけた小説たちに、精神的に助けれた経験もあるしな、一人ぼっちで人生退屈暇して、詰まらなさや下らなさ、面白くなさや楽しくなさ。そんなモノに押し潰されてるような奴らの助けになるようなレベルの小説を作れるようになりたいから?かね?そういう力を鍛えることで、現実でもそういう娯楽を色々な形で提供できる様になるとも思うしな」

「、、すべて私と似たような理由じゃないかぁ!!やはり君は同志!心の友だったか!!」

「ふっ何を今更分かりきった事を、俺とお前は心の底から真につながったソウルフレンドだろうが」

「でねー私の本当に書いてる理由を言うとー」

「嘘だったんかい!」

「まあ、あれだよね、自分が最も楽しいと感じる娯楽は、やっぱ自分で作り上げてしまうのが最も効率がいいし、安定もわりかしするって結論にいつも落ち着くんだよね。自分の好みのキャラや、好みのシチュエーション、思い入れのある世界観や設定、その他いろいろ自分の良く知る得意分野の知識を総動員して、知的好奇心を最高の形で満たせる、そんな知的充足性に溢れた小説は、やっぱ自分で作らないことには、なかなかにこの世界の一般出版物等じゃ得られないんだよね、だから私は小説を作るんだよ」

「おおぉ、なかなかに含蓄のある言説じゃないか。いいねーそれ、俺もそれを見習ってそれでいこう」

「はっは、これくらい知らず知らずの内に、考えてはいることではあると思うけどね」

「それでーお前はどんなタイプの小説を書くんだ?」

「ジャンルのことか!聞いて驚くな!私は自己流に小説のジャンルを29の最小単位まで分割することによって、それをループ梯子する形で毎日新鮮な気持ちで小説を書くことが出来るのだ?」

「一言聞いただけじゃ意味分からんが。つまり多岐にわたる小説を書くと」

「いいや、自分がその時書きたいと思ったシリーズ長編、又は短編を書くかんじ」

「へえ、俺も似た感じだ、その手法いいよな。書きたいものなんて、その都度毎日変わるゲームみたいなもんだし、毎日同じゲームを強制的にやらされるのも、ありっちゃありだが。好きなように書けるってのは、趣味で小説やる最大級の楽しみの一つだと思うぜ、まあそれだけとも思えないがなぁ」

「それに比べると一般の作家先生は凄いよね!いま続けてるシリーズを書かなくちゃいけないのは当然として、大人の事情でここくらいで完結するように、先を見越して書かないといけない、仕事でやってるんだからそういう所はしかたないとしても、モチベーションを保つのに苦労してると思うよ」

「そうだわな、俺なんてなんの制約下のない今ですら、ちょっと書くのが面倒臭いって思ってるのにな」

「そうだねそうだねーやっぱり本当に好きな人じゃなきゃ務まらない職業なんですわー」

「うん、そうだぜ、俺達もいろんなレーベルの作品から元気貰ってんだ、作家の頑張りがそのまま俺達の人生がんばる力になってんのよ、未来を多少なりとも任せてんだな。ところでお前は書くのは兎も角読む方はどうなんだ?」

「読む?レーベルのことだね、そりゃ幅広だよ、とりあえず本屋のラノベコーナは小学生低学年から通い詰めて、ほぼ全て読んでるわけじゃないけど、それなりに気になるものはマスターしてる、あの界隈の事情に対しては通だぜ」

「ほほーやはりお前もその段階まであの業界を楽しみつくしていたか、まあ他ならない俺もだ、リソースが一端尽きるまでは楽しんじまった感があるな」

「まあだからこそ、これからも末永く将来性のある娯楽として楽しめるんだとは、確信してるんだけどね」

「ああ、これからももっと面白い作品を生み出してほしいものだ、俺達の為にも」

「よっし、あと一時間ほどあるし!さっき聞いた昼寝でも即実践しますかぁ!実を言うとね!わたし昨日の夜から今日までオールしてるんですわ!はっは眠くて眠くて死にそうだね!!酒の力を借りても頭が回らないよ!!更に言うと、それがもう三日続いてるんだ!!つまりは三日間寝てないのだぁ!!がっはっははは」

「そんなドヤ顔でいう事かいな、だからいつもにまして変だったのか」

「なにを言う君だって変じゃないか!大方三日寝てない口だな!!」

「ああ同志よ、ほかならない私もどうて、じゃなくてそうなのだよそうなのだよ」

「え?マジで?ヤバイよそれ速く寝たほうがいいよ!私のように歴戦の戦士、兵ツワモノならともかく君なんかには害しかないって!!」

「はっはその通りだぜ!!ご心配ありがとうよ!!だがなぁ!!そこで引き下がれるかよ!!俺はこの限界をも超えて大きくなるんだぁ!!」

「ああぁ、この人も寝ないことに楽しみを見出してしまったのか」」

「寝てない自慢も出来るしなぁ!!一石二鳥じゃないかぁ!!」

「でも、ホントほど程にしなよ?体を痛めつける、君が割とのレベルじゃなくしてるのは知ってるけど、そんなに強くなりたいのかい?」

「当たり前だぁ!俺は最強になるんだぁ!中二病を超えて高二病にクラスチェンジする為にも!限界まで経験値を稼げる為に、最短のルートを突き進むのみだ!?」

「おおぉ!お前は見上げた若者だな!よっしなら私も君をもっと強く出来るような手助けを沢山してあげよう!ふたりで最強の道を究めようぜぇ!!!」

「ああぁ!、、ところでマジでちょっと寝とかないか?流石にこの状態だと、夏厨に狩るどころか、俺達が狩られると思うんだ。」

「そうだね、眠くて銃身ブレそうだし。頭働かなくて裏かかれたりするのが容易に想像できる、寝ますか」

「おおそうだ、それが堅実だ。じゃー一時間後にタイマーセットしておくから、ここでその間ぐっでーとしておくか」

「さんせいー!それじゃーおやすみーぐて、、、すーすー」

「まるでのび太だな、それじゃ俺も一眠りするかね、、、」

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