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逃げ足道場 番外編 ~ウチの女当主が怖過ぎる件について~  作者: 真宵 駆
◆◆第四章◆◆ 不死身で無敵な殺人鬼となった娘について †ララメンテ家の惨劇†
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◆60◆

 決勝戦に話を戻すと、猛然と攻めるシェルシェと、ふわふわとこれを受けるコルティナとの攻防が続いており、ようやく観衆も、


「実はコルティナは、ただのふわふわお嬢様ではないのでは?」


 と、次第に期待を抱き始める。


 そんな期待を裏切る様に、シェルシェの鋭い突きを喉元に食らい、すってんころりんと背中から引っくり返るコルティナは、ある意味期待を裏切らない芸人魂の持ち主だった。


「あー、やっぱり、ふわふわお嬢様か」


 落胆する一部観衆。


 しかし審判は、コルティナが突きを食らいながらも、シェルシェの右手を軽く打っていた事を見逃さず、これを相打ちと見做して、仕切り直しを命じた。


 両者試合開始位置に戻って試合が再開され、会場は再び盛り上がる。


 シェルシェは動きの読み合いでは不利と悟ったのか、いつもの華麗に一本を決めに行くスタイルをかなぐり捨て、以降もひたすら猛ラッシュを掛け続けたものの、コルティナはふわふわしながらこれを受け流し、結局両者一本も取れぬまま、試合は延長戦に突入。


 延長戦は先に一本取った方が勝ちで、時間は無制限である。


「無制限って事はまさか」


 観衆の予想通り、ホラー映画に出てくる殺人鬼並に執念深く襲撃し続けるシェルシェと、そんな殺人鬼に襲われるヒロインキャラとしてはあるまじき圧倒的ふわふわ感を漂わせるコルティナとの攻防はその後延々と続き、三十分経ってもまだ終わる気配がない。


 コルティナは本当にこういう所では期待を裏切らない芸人魂の持ち主だった。


 剣士としては、やや問題があるかもしれない。

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