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逃げ足道場 番外編 ~ウチの女当主が怖過ぎる件について~  作者: 真宵 駆
◆◆第十九章◆◆ ちっちゃな剣士が操縦する巨大ロボットについてⅢ 「採算」
599/631

◆599◆

 ミノンとパティというエディリア剣術界きってのスター二人が、大方の予想通り観客を興奮と熱狂の渦に巻き込みつつ勝ち進んだ高校生の部は、最後に姉ミノンが妹パティを決勝戦で制して幕を閉じた。


 優勝インタビューでは観客以上に興奮と熱狂が冷めやらぬミノンが、勝利の喜びと他の選手への敬意と観客への感謝を表明した上で、


「エーレマークⅡと戦えなかったのが残念です!」


 と映画ネタに絡めた冗談を飛ばして軽い笑いを取り、


「その栄誉は一般の部の方々に譲ります。映画同様、流派の垣根を越えた名勝負が観られる事を心から願っています!」 


 強引にまとめて拍手喝采を浴びた後、


「あ、もちろん、『八代目ふわふわ魔女』ことコルティナさんの試合も楽しみです」


 わざと思い出した様に一言付け加えて、もう一度笑いを取った。


 コルティナはこの機を逃さずララメンテ家の応援団に指示して、「べ、別にウチはツンデレロボ映画の人気にあやかろうとなんかしてないんだからね!」、と書かれた横断幕を広げさせ、


「いや、絶対あやかろうとしてるだろ!」


 多くの観客から一斉にツッコミが入る。


 この反応に満足したのかコルティナは、「皆様のご期待に応えまーす」、と言わんばかりの笑顔で食べかけの巨大団子をふわふわと振ってみせた。

 

 神聖な大会がすっかり映画ネタの発表会と化し、爆笑の渦に包まれる中、


「この流れだと、ウチも何かやった方がいいのかな」

「でも何も用意してないし」

「エーレ、何か一発芸やって!」


 レングストン家の応援団は、エーレにじりじりと詰めより、


「お願いだから、みんな正気に返って! 本来ここはそんな事をする場所じゃないから!」


 会場の雰囲気に汚染された仲間達の洗脳を解こうと必死に叫ぶエーレ。


 元はと言えば、自分が出演したツンデレロボ映画が大ヒットしたからこうなってしまったのだが。

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